宝在心のブログ

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日頃考えたこと、思ったことが、ある程度まとまったら、ここに記しておこうと思っています。

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国民の投票行動における低脳化

宝在心 著

 どうして国民の投票行動における(政治における)低脳化が進んでいるのかずっと考えている。
 どこの国でも、少しでも目立った知名度のある方を選挙で投票してしまう傾向があるのは確かであろう。例え知名度が無い方がよほど素晴らしい候補者であったとしてもだ。投票者は、候補者の政策について知らない。どうすべきかという考えもない。その場合知ってる方に投票することでリスクを抑えようという心理が働くのであろう。
 しかし、どう見ても反知性的な、規則違反の、差別的な候補者に、それを知っていながら投票するものがいる。これはどう考えたら良いのであろうか。
 何か、そのひどい性質を上回る何かに価値を見出しているのであろうか。そして、それは一体何か。
 一般に政治はその地域住人のベネフィットを求めて行われると思うが、その投票者個人にとって何か特別な利益があるのだろうか。例えば特定の業界に肩入れしている候補者で、投票者がその業界の従事者であるとか。これも一つの変な候補者が選ばれる要因となっているであろう。ただ、これは、全体の利益やバランスを考えた投票と比べると、自己中心的なものであると言える。短期的にその業界が恩恵を受けたとしても、世の中全体が悪くなれば、もっとひどい状況に陥ることになるからだ。自分の首を締める投票行動と言える。
 上記のような投票行動は、程度は低いがまあ、あるのだろうとは納得がいく。しかし、分からないのは、そう言った個人の利害とも関係なく、騙されるようにひどい候補者を選ぶケースだ。
 よく聞くのは「ほかに適切な候補が居ないから」というのがあるが、実に不可解な投票行動である。実際には他の候補者がいるのである。そして、それはやらせて見なければ適切かどうかも分からないのに、どうしてそんなことが言えるのか?こうしてこういう人たちは、現職に投票し続けて甘やかし、政治をどんどん悪くする。こういう場合は、別の候補者に投票するのが正しい行動である。残念なのは、現職に満足していないというところまでは政治理解が進んでいるのに投票行動で間違いを犯しているのである。
 そして、メディアのだましに簡単に引っかかる人たちである。ある種のメディアは意図を持ってだましをニュースのタイトルや印象に入れている。これに引っかかる人は多い。ましてや、政権与党は報道は圧力をかけているのでかなり不公平な状況に現在はなっている。例えば、問題があるのに、「問題無い」という政府の発言をメディアが垂れ流せば、「あ、問題無いんだね」と思う場合があるようだ。低脳化するかどうかの瀬戸際だが、メディアが解説をしないことで、こういったダマシのようなことはかなり起きていそうだ。
 あと考えられるのは、長い物に巻かれろ、的な行動である。
 選挙をスポーツか何かと勘違いしている者がいる。勝ちそうな方に入れるというケースである。典型的な低脳であるが、そういうケースが多そうで、これは知名度が高い方に入れる心理ともやや近いものがある。これは勝つ方に投票して実際にそうなれば、スカッとする、スポーツ観戦の心理である。自分や自分の子、孫の世代が苦労するかも知れないのに、おめでたいものである。
 あとは何も考えずに習慣的に特定の候補者、政党に投票し続ける者である。タチが悪いのは、その政党に問題があり、質さなければと思っているのにその投票行動を変えない場合…人間には思考と行動が一致しない場合があり、それが投票行動という局面で現れた残念なケースである。
 以上のことを、色々考えて、やや納得しかけているが、未だに国民の投票行動については不可思議さが伴う。人々の無知さと、報道の欠如、大衆心理などが、複雑なバランスで低脳化を推進中なのである。
 
2020.10.06 著