男性の身障者(盲人の方)が女性専用車両に乗って、規定では乗車出来るのにそれを知らない女性の方達から苦情が出るなどの問題が起きている・・・というような内容の記事が新聞やインターネットで記載されていました。
その記事をみて思い出した話がひとつ。
ちょうど一年前、思うところがあり、大阪市の点字講習会に通っておりましたら、全盲の先生と、「目が見えないということ」の理解を深めるためのディスカッションをする機会がありました。
「遠慮なく何でも質問して下さい!」とおっしゃって下さったので、失礼かな?と思いつつも、私はその時気になっていた事があり、先生にこんな質問を投げかけました。
「私が毎朝通勤で乗っている地下鉄で全盲の男性が、駅員さんに連れられて、女性専用車両に乗っているのですが、彼は、女性専用車両と知っていて乗っているのでしょうか?もし知っていたら、周りは女性だけなので、嫌ではないのでしょうか?」
私は駅員さんに連れられて乗っているのだから、男性でも身障者の方なら乗れるのだろうという事はわかっていたのですが、もし自分だったら、いくら身障者でも、自分は男性なのだから、きっとメンタル面で嫌な気分になるだろう。もしかしたら、男性は、女性専用車両と知らされずに乗せられているのだろうか。などと勝手に想像して懸念していたのです。
ところが先生の回答は
「嫌という気持ちはないと思います。私達は周りが女性だらけでも、見えないですから。気になりません。」
という明快なものでした。私は、ハッとしました。私が思っていた事は、所詮見える側としての考え方だったのです。全盲の方の立場に立っていなかったからです。全盲の方の気持ちを推し量ることは見えている私には難しいことですが、少し、勉強になりました。
今はその講習会には参加していないのですが、最後に先生が、
「でも、女性専用車両に男性でも身障者なら乗車出来ることは、きっとほとんどの人が知らないと思います。もっと知られていたら良いと思います。」
とおっしゃた言葉が今でも忘れられません。
