ちょっと間が空いてしまいました。

最近は、「わんわんにも拒否の選択肢を成立させる」ってことを考えていたりします。
これは、以前よりずーっと考えている「犬のQOL」ってところとも、密接にかかわる問題(だと思っている)んですけど。

たとえば「お手入れ」なんかをするとき。
お手入れ時に、嫌がっちゃって嫌がっちゃって、どうしても人を噛んでしまったりする子がいます。
随伴性の観点からみれば、いわゆる「負の強化」で維持されている行動だろうと考えられます。

 お手入れされる → 噛む → お手入れされない =メリット発生
 …今後、「噛む」という行動が強化される

これね、言い換えればこれは「お手入れ止めてよ」ということなんだろうと。
つまり、「お手入れを拒否している」ということですね。
しかしながら、「嫌がってるからやめとこう」ってのは、よろしくないです。
もつれがひどくなったりとか、狼爪が生えてる子は、切らずにいるとそのうち巻き込んで皮膚に食い込んだりとか、パッド裏の毛が伸び放題だと、フローリングなんかですべっちゃって関節を脱臼する恐れがあったりとか。
放っておいてもよいことではないわけです。
でも、嫌がってると。

そこでまあ「嫌なことを好きにさせる」なんていう対応だったり、「馴れさせる」っていうことを目指したりするわけですね。

で、最近僕は、もうちょっと違うアプローチもあるんじゃないか?と考えています。
それが、この「拒否の選択肢を成立させる」というもの。
「お手入れ時の噛みつき」で問題になるのは、あくまでも「噛むという行動」なんですよね。

他の場面でも、「噛むという行動が問題になる」ということはよくあります。
たとえば…

 「ソファーから降ろそうとするときに噛んでくる」
 「大人しく撫でられていると思ったら、急に豹変して噛んでくる」
 「ハーネスやリードの着脱時に噛んでくる」
 「ご飯中に側を通ると襲いかかってくる」

いずれも、犬からすれば「そういうことは止めて!」という、「拒否」の行動であるとも考えられるわけです。

こういった、「嫌だから止めてよ」というのを表明するときに、どうしても「噛む」という行動を選択する子に対して、もっと「穏やかな方法で、嫌がっていることを表明してもらう」ということを、成立させることはできないだろうかと。

今やっているのは、「お手入れ」を続けていると、最初はなんとか我慢できているのだけれど、ちょっと時間が経つと嫌がって噛んでしまう子に対して、「鼻を飼い主さんの手に当ててもらう」ことで、「もう止めてください」ということを表明してもらうという、コミュニケーションの成立
あるいは、「撫でていると急に噛んでくる」という子に対して、「噛む」のではなく、「飼い主の側から離れる」ことで、「もう撫でてほしくありません」ということを表明してもらうという、コミュニケーションの成立

こういったことを、目指してやり始めています。

んっんー。
長くなりそうなので続きます。