ご存知の通り、わたくしは「社会人大学生」として、日々大学に通う毎日であったりします。
大学に行けば、当然授業を受けておるわけでございます。
授業にも様々な形態のものがありまして、10人程度の少人数クラスから、100人単位の大教室での授業まであります。

さて、少人数クラスではまず起きないんですが、大教室の授業で慢性的な問題に「授業中の生徒の私語」なんてものがあります。
僕は、結構周囲の音を拾ってしまう傾向だか特性だかわかんないんですけどそういうのがありまして、周りで私語をされると教授の話に入っていけないんですね。
つまり、生徒の私語はものすごく迷惑なんです。

んが。
「ちょっとうるさいから静かにしてくんない?」などとオトコマエに主張できるほどの勇気は、残念ながらどこかに置き忘れて久しいわけです。
はなから持ち合わせていなかったともいうかもしれません。
思い起こせば13年前!
まあ、この話は長くなるので、またいずれ。

周囲にかっこよく「静かにしろよ。じゃないとおれのマグナムが火を噴くぜ」なんてことは言えないわけですから、心の中で「ちっ。うっせーな」と思いながら授業を聞いているのか?というと、そういうわけでもありません。
せっかく「行動分析学」なんて使えるものを勉強しておるのですから、なんとかしてこの「周囲の私語」を黙らせる方法はないものか?と考えてみたわけです。

で、意外なところにうまい方法がありました。

まず、教室のなるべく前の方に座ります。
大体、私語は教室の後ろの方で起こりますから、単純に遠いところに座って私語をしている人たちと距離を空ける意味もあります。

授業が始まり、私語が聞こえてきたら、何度も「私語のする方向」を見ます。
するとどうなるか?
必ずと言っていいほど、ある人が「私語うるさい」と注意してくれます。

そう、教室の前で授業をしている教授です。

教授にとってみれば、自分のすぐ目の前に座っている生徒が、何度も後ろを振り返るんですね。
「なんでこの生徒は後ろを振り返るんだ?」となりますね。
非常に気になると思います。
そして、目の前の生徒が振り返っている先には、「私語をしている集団」がいるわけです。
当然、「そこ、私語うるさい」と注意してくれます。

これで、静かに講義を受けられるようになるわけです。


これに気づいたのは、本当にたまたまでした。

ある時、本当に私語がうるさくて、後ろを気にしたことがあったんですね。
で、前に向き直ったときに、教授と一瞬目が合って、すぐに教授が「ちょっと、私語うるさいですよ」と注意してくれたんです。
ここで、「おやおや?」と。

それ以降、色々な授業で同じ事をやってみたところ、全員が同じような反応を見せました。
つまり、「私語を注意した」わけです。

これを三項随伴性で書くとこうなります。

 目の前の生徒が後ろを気にする → 私語を注意する → 私語がなくなる


この方法、結構使えます。
ただし、「教室の後ろ半分のほとんどがずーっと喋ってる」てな授業では、あまり効果はありませんでした。
もう、先生もはなっから注意する気がないんでしょうね。
「教室の一部の生徒が私語をしている」という場合に、有効な方法です。


生徒が教授の行動をコントロールして、結果的に教室内の私語を減らすという実践でございました。