酒量の多い人では、酒を飲まない「休肝日」の多い人の方が、休肝日の少ない人よりも死亡率が低くなることが、厚生労働省研究班(担当研究者=丸亀知美・国立がんセンターがん対策情報センターがん情報・統計部研究員)の調査で明らかになった。米国の専門誌に発表した。
 研究班は、1990~93年に岩手、長野、高知、長崎、沖縄など8県9地点に住む男性約4万2000人を対象に飲酒や生活習慣に関するアンケートを実施し、03年まで追跡した。
 飲酒の習慣がある約3万2000人のうち、「週1~4日飲酒する」と回答した「休肝日あり」グループは約4割、「週5~7日飲酒する」と回答した「休肝日なし」グループは約6割だった。
 追跡調査期間中に死亡した約3900人について、飲酒の頻度や飲酒量を調べたところ、1週間あたりのエタノール摂取量が300グラム(毎日日本酒2~3合)以上になると、同じエタノール摂取量でも休肝日なしのグループの方が、休肝日ありのグループより死亡率が大幅に上がった。年齢や喫煙習慣、肥満度など死亡に関連する他の要素の影響を考慮しても、エタノール摂取量が300~449グラムの場合、「休肝日なし」グループの死亡率は「あり」グループの1.5倍、450グラム以上では1.8倍になった。
 丸亀研究員は「死者の4割はがんだった。休肝日がないと、酒の代謝後にできる発がん性を持つとされる物質が常に体内に存在し、がんの危険性が高まるのかもしれない」と話している。【永山悦子】

最終更新:4月6日21時36分

毎日新聞
山で遭難する中高年が後を絶たない。死者・行方不明者の約9割が40歳以上だ。背景に何があるのか【藤原章生】
 警察庁などによると、今年夏山での遭難(7、8月)による死者・行方不明者は41人で、38人が40歳以上。10月7日からの3連休には長野県だけで計6人が死亡、すべて50歳以上だった。05年の遭難は10年前より約5割増の1684件(死者・行方不明者273人)。うち1372件(同244人)が40歳以上だ。
 「登山の本来の目的は下山。それが一番難しい」と名古屋市の登山家で医師、原眞さん(70)は話す。山登りには人の性格が表れるとみる原さんは「最近、目立つのは目的の固定化。頂上に登ることしか考えず、吹雪などの過酷な場面に直面すると、下山の判断も、考える力もなくす」と指摘。判断力は経験で養うものだが、基本を身に着けずに、登山を続ける人が増えるばかりという。
 原さんら専門家はその背景に「百名山ブーム」があると見ている。
 99年9月に北海道の羊蹄山で疲労凍死した女性(当時64歳)のリュックにはセーターが使われずに残されていた。羊蹄山は「百名山踏破」を目指す女性の100カ所目の頂。「セーターを着ていれば……。99回の登山経験は何だったのか」と救助関係者は振り返る。
 ブームは登山家の故深田久弥氏が64年に出版した「日本百名山」が下敷き。百名山は富士山など3000メートル級の山をはじめ、筑波山と開聞岳以外は1500メートル以上で、90年代からその制覇を試みる人が増えた。易しいルートで登るだけでは登山の技術は上達しないが「百名山に登れば上級者」という錯覚に陥りやすい。「収集好きの日本人らしいブームだが、自分で対象を選び計画を立て、実地に試すという最も大事な能力を奪っている」と原さんは警告する。
 80年代末からガイドを務めるNPO「北海道山岳活動サポート」の樋口和生さん(44)は「この10年で地図を読まない登山者が増えた」と言う。花々や景色に目は向くが、地図と磁石で地形を見て位置を確認する基本を学ぶ人が少ないという。「毎年来ていても、ガイドに頼りきっている」
 東京都山岳連盟の渡辺輝男さん(49)によると10年前はほとんど見られなかった(1)道迷い(2)平易な登山道からの転落(3)病気が遭難の原因の上位を占める。「登山は自然を身近に感じる得がたいスポーツだが、(年々体力が落ちていく)中高年の場合、難しいルートに行かない以上、『自分は地図も読めない初心者』という意識を持ち続けることが大切だ」と渡辺さんは話している。
(毎日新聞) - 11月2日13時8分更新
08年新基準で判定なら…男98%女92%「不健康」
(読売新聞 - 10月18日 14:41)
 メタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)などを防ぐために厚生労働省が2008年度から導入する健康診断・保健指導の基準では、受診者のうち何らかの異常を指摘される割合が男性の98%、女性でも92%に上る、との推計を大櫛(おおぐし)陽一・東海大教授(医学教育情報学)がまとめた。

 19日からの日本病院管理学会で発表する。大半の人が「不健康」とされる事態で、健康不安を広げる恐れもありそうだ。

 厚労省は、腹部に脂肪がたまる内臓脂肪症候群が、心臓病、脳卒中などの原因になるとして、健保組合など医療保険者に対し、40~74歳の加入者に食生活や運動習慣を改善する保健指導を行うよう義務づける。