ドクター鈴木・あめぶろ研究室 -8ページ目

昔通った病院

 実家に帰った際にちょっと体調が変だったので近所の医者に出かけた。保険証がクレジットカードサイズになった(家族で一枚から個々に持つようになった)おかげで、いつでも医者にかかれるのはうれしい。

 実家から歩いて数分のところに、私が小学校のときに手術を受けて一泊だけ入院したことがある開業医がある。今の体型からは信じられないが小学生当時は虚弱体質で、しょっちゅうここに担ぎ込まれたし、何かあるとすぐに連れてこられた実家から一番近い医者である。

 私が子供の頃に既にすごくおじいちゃんだったから流石にもう廃業されているよな、と思ったらななぜかまだ医院の看板が出ていた。世代変わりはしているとは思ったが、その医者に35年ぶりに飛び込んでみた。

 外装は近代風になっていたが、入り口の扉を開けて中に入ると、なんと「蚊取り線香」が焚かれていて、昔のままの姿だった。待合室の場所も大きく変わっていたが、内装のくたびれ方や天井にくくりつけられている扇風機とかは昔の雰囲気のままで、何かタイムスリップしたみたいな気がした。

 子供の頃通ったその医者は、いつも超満員。親が日の出と同時に行列に並んで順番を取り、診察は昼、という有様で、待合室は保育園であり幼稚園であり老人クラブでもあった。今はお客(いや、患者だ)も少なく、静かにゆっくり診察を待つことができる。

 子供の頃、待合室にいるのがつまらなくなって、入院病棟のほうに遊びにいって怒られたことを思い出した。冒頭に書いたように入院経験もあって、はて昔はどんな風だったっけ、と必死に思い出してみた。



玄関→→□□←診察室
待合室→□□←手術室
□□□□□□←入院病棟


 トイレとか下駄箱の位置は省略するが、子供心に覚えていたその病院のイメージはこんな絵で表現できる。いやトイレのことを書いて思い出したが、この病院のトイレは外だったと思う。雨の日にトイレに行って全身ずぶぬれになり、「え゛肥溜めに落ちたか?」と冷やかされたのを覚えている。入院病棟のほうには屋内のトイレがあったと思う。


 そして現代。その病院のイメージはこうである。


□□□□□□
│└┬┘│└玄関
│診察室│
処置室 待合室


 つまり、先代の先生の時代にあった大きな待合室とかがあった建物(木造)は撤去して、奥の入院病棟(当時としては画期的な鉄筋の二階建て)を利用して現在は使用しているようだ。二階はどうなっているのだろうかと思ったが調査していない。なぜなら、すぐに私の順番が来てしまったからである。


 診察室に入って先生とご対面。私より少し年上の感じがする女医さんだった。一通り診察をしていただいて、「そんなわけで35年ぶりです」と先生に申し上げると、少し考えたあとで「私は孫ですよ」と。なるほど、彼女のおじいちゃんに私は診ていただいたのね。


 少しだけ無駄話をした。おじいちゃん先生には医者になった子供がおらず、天寿を全うしたあと病院はそのまま廃墟になったそうだ。お孫さん先生も医者になるつもりはなかったが丸の内OLを経験してから結婚後医学の道に目覚め、免許を取得して勤務医をしたあと、おじいちゃんの病院を改装して独立開業したのだそうだ。


 なかなかガッツのある先生だ。図に乗って私はさらに変なことを伺った。
 先生のお子さんは医者ですか?と。


 答えもユニークだった。
 家系だからね、子供には期待しないの。きっと孫が医者になってくれるような気がするわ。


 薬を頂いて会計を済ませ医院の外に出てみた。子供の頃の記憶がよみがえってきた。待合室があった場所の病室に私が入院した、事を。消灯時間のあと窓の外から父親が、外の仕事から帰って覗き込んでくれたことも思い出した。


 また35年経って私がまだ生きていたら、この病院にもう一度来てみたい、そんな気がした。ではそういうことで。

マッサージ器

 今日はちょっと時間があったので近所の「家電量販店」に出かけた。お目当ては、デジカメでもパソコンでも液晶テレビでもなく、「マッサージチェア」である。

 休日に量販店に行ってもマッサージチェアは満席である。だかこういうタイミングに行けば、お目当ての最新機種が使い放題なのである。

 実は、今とても欲しいものはマッサージチェアなのである。体重が体重なので、日常生活を送ることは体に大きな負担をかける。だから筋肉がパンパンになるわけで、鍼灸院のお世話になったりするわけで、その費用を積算していけばマッサージチェアの一つや二つ買えるかもしれない。


 しかし、実際我が家にこいつがきたらどうなるであろうか。


 確かに体に蓄積された疲労は取れるかもしれない。でも、飽き性の私には、マッサージチェアが家にないほうが良いかもしれない、と思っている。日曜日に家電量販店で好き放題使えたら買いたいとは思わないかもしれない。


 いつもこんでいて、買うには少し敷居が高い、今の状態がちょうど良いのかもしれない。


 今日は店が空いていたので、ノルマに追い立てられた販売員に無理やり購入を勧められることもなく、興味のあった機械で2ラウンド、30分間、心置きなく施術していただくことができた。厳密に言うといつも日曜日に使う悪い癖で「5分間クイックコース」を最初に利用したので、都合35分間機械を使ったことになる。


 いやはや、絶好調である。腰や肩ふくらはぎに貯まっていた疲れが一気に解消!


 新居が建っても、マッサージチェアは購入しないだろう。置く場所もないし、毎日こいつに座る時間も心もとない。ちょっとした時間に量販店で至上の楽しみを味わいたいのだ。


 でも、新居には「マッサージチェアの間」が設計されている。いずれお金にゆとりが出たら買うかもしれない。そんな日が来ることを夢に見つつ、家電量販店で、他の客空の突き刺さるような視線を交わすために目を瞑りながら、こいつでブルブルされる日が続くのだろう。ではそういうことで。

模擬試験

 中一の娘が「自分の力を確かめたいから近所の塾でやる予定の模擬試験を受けてみたい」と言ってきた。

 彼女の持ってきた資料によると、県下の多くの塾が同日に行う、結構大規模な模擬試験だそうで、偏差値とか順位とかがきれいに算出されるということである。とても面白そうである。


 ということで、その試験をやってくれるという近所の子達が出入りしている塾に出かけてみた。


 先方の責任者、「塾処女」であるうちの子供たちに興味津々。何とか誘導して入塾させようという魂胆がミエミエなのだが、セールストークを言わせるだけ言わせて、「我が家の方針として義務教育中は塾には行かせません。今回は試験だけ受けさせていただきたいと思う」と申し入れた。


 塾に入らず試験だけ受けることは可能だという。だったらとっとと手続きしてくれ、と思うのはこちらだけであって、先方は「前日に対策講習をやる」とか「後日試験の復習の講義をやるから」と結構しぶとい。


 仕方がないので、「私も教員、字自分の家の子供の教育についてはそれなりに責任持っているから、あなたには頼みません」と心を鬼にしてしまった。


 ではペンネームを、と塾の先生。何じゃそれ、と質問すれば、


 最近は個人情報がうるさくて、個人名だと成績を公表できないのですよ。必ず本にだけが判るペンネームで試験を受けて、結果を公表するようにしています。みんながみんなペンネームを使うので一人だけ本名でも誰もわかりませんけれど・・・。


 なるほど、事態はそこまで深刻なのか。○○中学鈴木花子、という名前が出ると個人情報で塾や試験主催会社がやられるのか。


 問答無用で「ドクター鈴木・娘」というペンネームで登録してやったぞ、娘に内緒で。これだったら、うちの娘とわかる。本人もこの名前が気に入っているようだから文句は言わんだろう。


 どこかの塾チェーンの模擬試験で「ドクター鈴木・娘」というのを見かけたらうちの娘の成績かもしれない。上位なら良いが下位だと恥ずかしい。だから中学生の親御さん、もしこのペンネームを見かけても突っ込みはなしでお願いする。ではそういうことで。

折れ線グラフ

 次の中から「折れ線グラフ」で表現するのが良いものを選べ。


1) 7月15日午前9時の、全国各地の気温
2) ある小学校の各学年ごとの身長の平均値
3) 自分自身の、毎年4月1日の体重
4) 風邪をひいた時の、治るまでの体温


 小四算数の問題集を立ち読みしたらこんな問題が載っていた。いや素晴らしい。もちろん正解は3)と4)なのだろうけれど、実はこの問題の前に「ようてん」として、グラフの特徴が下記のように書いてあったのだ。それが実に絶妙なのだ。


 気温や体温、身長や体重のように変化するものは折れ線グラフ、長さやカサの大小を比較するものは棒グラフ、そのほか、全体に占める割合を示すものに円グラフや帯グラフなどがある。


 割合なんてやつを小四で理解しているかどうかわからんが、その要点を読んだあとに上記の問題をやると、気温・身長・体重・体温、が登場するので全てが「折れ線グラフにふさわしい」となる可能性がある。重要なのは、気温・身長・体重・体温といったエレメントではなくて、「変化」「大小比較」「割合」なのだ。


 うちのチビなんかは知識が生半可以下だから、上記の問題は間違いなく「全部正解」と答えるんだろうなあ・・・。


 上記の問題は、問題文の最後に、「変化」「大小比較」「割合」のどれかつくのか、を考えると最適な答えがわかる。


1) 7月15日午前9時の、全国各地の気温の高低比較
2) ある小学校の各学年ごとの身長の平均値の大小比較
3) 自分自身の、毎年4月1日の体重の変化
4) 風邪をひいた時の、治るまでの体温の変化


 変化、がつく奴がこの場合の正解である。算数の問題解くのも国語力が必要なわけだ。


 というのは、うちの学生のレポートでほとほと参っているのよ。実験データを整理させるレポートを出したわけなんだけれど、「データを羅列させるだけの奴」「経時変化を見ているのに棒グラフにする奴」さらに、「折角折れ線グラフに出来たのにそれが『時間変化に対する測定値の変化』と気づかずに結果を考察できない奴」いろいろなのだ。何を目的にこの実験をやって、結局は得られたデータから何を知りたいのか、ということさえわかってない。いや、仮にわかったとして、そうやってデータを整理するのか知らないようだ。そりゃぁ私が「データは折れ線グラフで整理して」とちゃんと指導すれば済む話なのだから、やっぱり悪いのは私か?


 折れ線グラフなんてセンター試験に出ませんから!

って開き直られそうで、彼らに理由を聞きたいとも思わない。


 だから奴らはいったいどのあたりのレベルで留まっているのかを知りたくて中学の数学あたりから学年を降りていってたどり着いたのが小四だったわけだ。


 で、思い出した。先日実験中に、「一桁×一桁の計算」を電卓でやっていた学生を見かけたぞ。小二だっけ、九九って・・・。もう、涙も出ないぞ。


 うちのチビは算数苦手の小四である。今何とかしておかないと理科系大学に行ったらグラフも書けずに変なレポート提出して先生を悩ませるんだろうなあ。今から手を打たなきゃまずいかもね。ではそういうことで。

処分

 早稲田大学某M教授のインチキによって大学全体への科学技術振興調整費がストップしていた問題、あっという間に措置が解除されたようだ。もちろんM教授関連の奴は止まったままだが、それ以外の先生の分に関して、ということではある。


 文科省のホムペで知った。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/18/07/06072004.htm


 悪いことをしたM教授(辞職)が一番責任を取る立場ではあるが、「自由な学風」を根拠にしてその監督を怠った大学当局の責任はぜんぜん問われていないし、同じ風土の中にある他の先生方の調査もそこそこに「事業を開始できる状況が整ったことが確認できましたので」再開らしい。トカゲの尻尾きりで良しですか・・・。


 もっとも、東京工業大学で「800万円の原子力に関する実験装置の部品代」をチョメチョメしてしまった教授の減給処分が「1万71円(平均賃金の半日分)」、に比べればまともか。

 http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=soci&NWID=2006071901004373


 冗談抜きマジでこんな甘い処分で良いの?


 これらのこと(いずれも金の上での間違い)に比べると、論文の捏造とかは罪が重い。例えば最近の例では信州大学。懲戒免職である。
 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20060719k0000m040156000c.html


 学者は「お金の問題にルーズ」な点もあるかもしれない。しかしそこは「どこから出てきた金なのか」をよく理解して取り扱ってもらいたいものだ。重みで言ったら、研究者の魂である「論文」と同じでなければならない。


 800万ごまかして1万円の減俸だったら、他にもやる人でてきまっせ!ではそういうことで。

ドクター鈴木の話

 知り合いの方から面白いネタを教えていただいた。


 検索ポータルの「GOO」で「ドクター鈴木の話」をキーワード検索するとたった一つのウエブが出てくる。紹介されている抄録を見ると、ドクター鈴木の本性が端的に現れている。


 やってみた。


 『かようなわけで,ドクター鈴木の話はほとんど信用できない.さらに言って,ドクター鈴木が本当に脳外科医なのかという疑問も沸いてくる.別冊宝島356『実録!サイコさんからの手紙』のP.119に出てくるNASAで異星人を見たという医者は,よもやドクター鈴木 ...


 あぁ、私もドクター鈴木だが、これ以外の別のドクターのことだろう。このブログの読者でも鈴木姓の博士はいらっしゃるわけだし。


 でも、「脳外科医」のドクター鈴木が、NASAで異性人を見たって?


 なにやらとても興味がわいた。読者の皆さんはいかがお感じだろうか。



 ドクター鈴木の話はほとんど信用できない.


 などとおっしゃらないで一度試してみていただきたい。ではそういうことで。

責任の取り方

 世の中に『景気回復』の風潮が流れる中、私はこれが本当なのだろうか、といつも首をかしげる。先月まで元気に営業していたお店が突然廃業したり、繁華街のど真ん中に突然建物が解体された空地が出来て「売り地」「管理地」の看板が出ていたり、見るだけで悲しくなることがある。


 自由経済であるから、勝ち組と負け組みがあって当然である。自由な社会だからこそ勝ちを求めって行く。しかし、負けて消えていった人たちも必ずそこに存在する。


 知り合いの会社が先月「一回目の不渡り」を出した。もう一回やったら銀行取引停止で倒産することになるだろう。この会社の社長の息子と昨日会合で会った。


 親父も能天気で、事の重要性を認識していない。僕はまだ取締役でもなんでもないただの従業員だから自分からはなんら手は打てないけれど、一種開き直っている親父に、責任感があるのか、と問い詰めても返事もしないよ。


 絶望的である。


 私の会社も青色吐息ではあるが、まだ資金繰りは大丈夫だし、もともと現金決済を旨としているので当座不渡り出す心配もない。赤字会社なのは確かだが、債務超過に陥っているわけではないし、全ての取引先とは「売り掛け取引」が継続中だ。でも、明日はわが身、もしも会社がやばくなったらどう責任を取るべきなのか、ということをこの頃良く考える。


 会社には株主さんがいて取引先があって、あるいは顧客がいる。もちろん、そのような利害関係者も大切にしなければならないのではあるが私の会社は技術系なので、会社の財産は、会社の持つ技術とノウハウである。それは職人さんを代表とする会社スタッフの力である。だから、スタッフこそとても大事にしたい、と考える。もし万一のことがあっても、スタッフだけは路頭に迷わせたくないし、彼らの再就職を見極めてからそのほかのことを考えると思う。


 そんな中、欽ちゃんの野球チームの解散の話題を耳にした。私は、あの欽ちゃん氏がまさかいとも簡単に「やめる」等と口走るとは思わなかった。見損なった。


 あのような状況でマスコミに取り囲まれたら、どんな答えをしても「自身の責任の取り方は?」と去就を質問されるであろう。だからその前に「やめることにした」と潔さを強調したのか。あるいは面倒なことには関わりあいたくないので逃げに転じたのか。


 山本を除名したりするのは当然かもしれないが、全く関係ないメンバー、いくらアマチュアだからといっても生活の一部となってしまっている彼らの生きがいを、相談もなくいきなり切り捨てることが私には不可解だった。メンバーと相談してやめることにしたのなら、応援してくれる周りの人たちへの説明もつくと思う。しかし今の状況では周りはおろかメンバーの理解も得られないのではないだろうか。「欽ちゃんファミリー」といわれるように仲間を家族のように愛することを身上(その姿は尊敬に値していた)とする彼の口から出たその一言がどうしても納得できないし、信じられない。


 球団の公式ページ にも「何よりファンの方々の声を大切にするためにも、・・・関係者や応援していただいた皆様への責任もございますので慎重に協議し検討していく次第です。」とある。ファンの声や関係者への説明の前に、どうしてスタッフと話をしないんだろうか。会社や監督の言葉は重いかもしれないが、間違った言葉なら重いも軽いもないような気がする。


 ちなみに球団そのものは茨城県の認証したNPO法人。法人活動の根幹たるチームそのものの解散は、総会の議決とかが必要だと思うがなあ・・・。勝手に解散を宣言しちゃうと、NPO法に触れたりするし。


 私的には、彼の今回の行動を「反面教師」として肝に銘じたい。ではそういうことで。

夏休みの宿題のネタ

 我が家の場合、年に一度近所の人と顔を合わせたくなくなる時期がある。夏休み前のこの時期、近所の人は私の姿を見ると、「夏休みの自由研究のネタは無いか」とたずねるのだ。子供さんだったら自分自身のため、大人だったら子供や孫のために、何か面白い材料は、と聞いてくるわけだ。


 それはこんな私如きでも、ネタの一つや二つ持ち合わせてはいるが、まず自分たちの子供にプレゼンして反応が良いものは子供たちが採用、そうでないものを近隣に提供するのが筋である。また近隣に提供するとはいえ、小学校区のみんながみんな同じネタではまずいので、何通りかのバリエーションを用意しておかないと大変なことになる。そんなにネタはいっぱい持たないので、勢い、あの人には教えてこの人には教えない、とかとトラブルが起きたりする。


 そこで今年は、ダイレクトにネタを提供することを我が家の子供たちに対しても一切やめることにした。ヒントだけ。しかもインターネット時代だから、「ここ見れば何かわかるかもよ」とURLをお知らせすることにした。


 手始めにブログで公開しよう。大きめの文字で書いてあるタイトルをクリックすると詳細ページに飛ぶようにしてある。


 日本学生科学賞  
 こういった賞に「応募する」のはもちろん結構だが、過去どんなテーマでどんなまとめ方をしているのか、ということだけでも非常に参考になる。過去の受賞内容を研究して欲しい。


 バーチャル科学館
 インタラクティブな構成で、メニューも豊富。身近なテーマに関して簡単な実験の実施方法や考察のヒントが満載である。対象年齢は中学生ぐらいまでか?大人も肩の力を抜いて楽しみたい。


 日本数学コンクール
 数学好きには、こういった競技会で実力を計るのも良い。「解答時間5時間、途中自由に食事を取っても良い」という数学コンクールには、ジュニア版もあります。是非リンクから過去問を開いて挑戦してみて欲しい。もちろん現地でコンテストに参加するのも面白そうだ。


 理科ネットワーク
 児童生徒の理科科学の「しらべもの」用にJSTが製作したデジタルコンテンツ一般公開版。利用登録無しで無料で使用可能。ちなみに利用登録しなければいけない「先生用」のコンテンツも充分面白いのだが・・・(ちなみに私は「先生用」サイトにアクセスできます、先生ですので)。


 おもしろ教材がいっぱい
 テーマ別の「工作教本」。画面の指示に従って順番にページを印刷して綴じるとガイドブックが完成したり、あるいは「工作用型紙」がダウンロードできたりする。カッターナイフなどの工具を多用する局面があるので、子供だけでやらせないほうが良いかな?


 インターネットロボット競技会
 インターネットを通じてプログラミングを学習するサイト。ユーザー登録の必要があるが、ソフトをダウンロードして自作ロボットを組み立てチューンしていきながらポイントを競っていくやり方はゲーム感覚。我が家では子供たちより親が熱心であったりする。


 
 是非参考にして、立派な「自由研究」をまとめて欲しい。ではそういうことで。

あぁ、一張羅が・・・(泣)

 最近、こんなときに年齢を感じる。例えば物覚えが悪くなった。例えば人(学生や同僚の先生)の顔と名前が結びつかない。例えば忘れ物をする。


 今日、ついに生涯最大級の忘れ物をした。


 スーツの上着ネクタイ。JRの車内にて。


 いつもは自動車通勤であるのだが今日はわけあって電車通勤。私は近距離であろうが長距離であろうが列車に乗るときは車窓を楽しみたいのでいつも窓の外を見る。仮に席が空いていても、窓の外が見えないような席だったら扉の前で立っていたりするのだ、長距離でも。今日はたまたまべらぼうに電車が空いていて、4人がけのボックス席全部を独り占めできる状況になった。進行方向に向かう席の窓側に陣取り、つかの間の「短い旅」を楽しんでいた。


 なんだか開放感があって、一張羅のスーツの上着が邪魔になり、通路側の座席の空き部分に置いた。


 しかし、不覚にもその後寝てしまった。普段は電車では間違いなく寝ないのだが、レールの継ぎ目を車輪が叩くリズミカルな音のせいか、何か心理的な影響か、要因はわからないが、寝てしまった。ふと気付くと、降りなければいけない駅。既に発車のベルが鳴っている、という状況。慌てて飛び降りたが、席の横に置いた上着を持ち出すのに失敗したのだ。


 下車駅で駅員に通告、探していただくことにした。何両目の車両のどの辺にいたか、背広の色、ネームの種類、など覚えているはずのことがなかなか思い出せない。


 それでも気力を振り絞って思い出して手配していただいた。


 時間がないわけでないので少し駅で待たせてもらうことにしたら、「ネクタイと背広の上着」はありましたが、色が違うようですけれどどうでしょうか、と。色はなんとなく違うような気がしたが、ネクタイが一緒なのはおかしい、だから別人のかもしれない、と返事。


 見つかったら連絡していただける、ということを確認して仕事場に向かった。そこで気付いた。家を出るときにはしていたはずのネクタイをしていない。クールビズとはいえ、ちょっとフォーマルな会議なのでノーネクタイということはない。ネクタイ着用のためわざわざスーツを着て家を出たぐらいなのだから。まさか家を出たときからネクタイしていなかったのか・・・。いや、出発駅のトイレでネクタイを直したことは覚えている、ネクタイをしたまま電車に乗ったことになるぞ。


 おそらく、寝入った際に無意識にネクタイもはずしたのだ。


 パンツまで脱いでいたら今頃極楽パンダだ、良かったそこまではまだボケていないようだ。


 下車駅に再び電話。ネクタイも忘れていました、と伝えると、電話の向こうから笑いをかみ殺している雰囲気が伝わってくる。


 スーツとネクタイは、下車駅から4つ先の駅に保存していただくことにした(送り返してもらえるような状況じゃない、恥ずかしくて)。帰路、お茶菓子買ってその駅に向かった。


 遺失物取扱所で、間違いなく私のものと確認。サイズがサイズなので、羽織ってジャストフィットでOK(悲)。確認したら、「入っている」とい言い張ったネームは入っていないし、「胸ポケットに刺さっている」と強調したボールペンもない。情けない記憶力になってしまった。


 いやぁ、マジ、今日一日で20歳は年取ったなあ。70歳入門!取扱所で受け取ってくださらなかったお詫びとお礼のお茶菓子を家で子供たちといただきながら感無量(泣)。とほほ!ではそういうことで。

面接

 自分の中では本命に位置づけていた某大学の、「常勤スタッフ」採用公募の面接に行ってきた。


 かなり裏から手を回した(いわゆる人脈を駆使した)つもりで、面接をやるから来い、という通知を貰ったときは『もうこれで内定も同然』と喜んだものだ。


 通知によると面接の開始時刻は14時。30分以上前に面接会場の大学に到着し、少し下見をしてきた。そういう意味では大学というのはセキュリティが甘いわけで、出頭を要請された事務室(そこが控え室として指定されていた)の隣にある教室の前に、「スタッフ採用試験面接会場。関係者以外出入り禁止。」の看板が出ていた。そうか、ここでやるのだね。さらに、廊下の端のほうにあるフロア全体の案内看板には、その会議室の部屋番号が書いてあって「面接会場。14時から16時」とあった。つまり、当該面接会場になる部屋は、2時間使用する、ということである。


 まさか一人で2時間やるわけじゃないので、今日は私のほかにも何人か候補者が呼び出されているのだ。いずれにしろ私が一番手であることに違いは無い。


 そういう情報が入っているのとないのでは、気持ちの持ちようが違う。余裕で、指定された事務室のドアをノックした。


 先方、かなりぎょっとした雰囲気だった。たまたま事務室に居合わせた担当の先生は何度も壁の時計や自分の腕時計を見て「いやぁ、お早いですね」と。何しろ指定された時刻より25分以上早いのだ。驚くかもしれない。でも、遅刻するより早くついたほうが良いに決まっている。


 先生がいろいろな資料を封筒に入れ持ってきた。「本学の資料です、面接のときに参考になる情報があるかも知れません、時間があるので目を通しておいてください。」と。そして、「あなたのことは○○先生(私が駆使した人脈の中の先生のこと)から良く伺っています。私も面接はいっぱい受けましたが、この時間帯はイヤなもんですよね。ご健闘を祈ります。」と。


 こういう一言はうれしい。


 定刻を数分過ぎて面接が始まった。公募に応募した動機、現在の勤務校での仕事の内容、今後の抱負、まあ聞かれる内容はどこでも一緒だから、百戦錬磨(もう何度落ちたことだろうか・・・)の私には条件反射のように答えが出てくる。


 その中で一番厳しい質問をしたのが、その優しい言葉を掛けてくれた担当の先生だった。詳しくは書かないが、「常勤職員に応募してきた、ということは現在のお仕事はどうされるのですか。今までの非常勤とは違うと思うのですが」というようなことだ。立て板のようにすらすら流れ出ていた私の話が凍り付いた。厳しい言葉だった。


 会社の景気が悪いので、現在は開店休業状態です。ですから、私が会社を退いてもなんら問題はありませんので。


 いや、これは失敗だった。絶句したことを利用していろいろ考えて言ったはずだったが、私はとんでもない勘違いをしていたのだ。これは、「現在やっている他大学の仕事をどうするのですか」と聞かれたのだった。質問した担当の先生は、


 あ、質問の仕方が悪かったですね、そうことではなくて・・・


 とあわてて趣旨を伝えなおしてくださった。それならば「現職のほうは円満に退職し、本校の職務に専念します」と、虎の巻どおりに答えられるのだ。「現在の仕事」を本業と捕らえてしまった、これは痛い。余分なことを言ってしまった。


 別の面接官が、「本業のほうが苦しいから、それを見限って本学に応募した、ということですか?」と追い討ちをかけるきっかけになってしまった。以降ちょっとしどろもどろ。仮にそういうことであっても、そういう不利な情報は出さないほうが良いに決まっている。ま、今回不合格になってしまったとしたら要因はこの一言だろう。


 さて、私の面接は30分ほどで終わった。帰りしな事務室に「お邪魔しました」と挨拶をすると、私が時間待ちに座っていた応接椅子に、二人の方が他人行儀でばつ悪そうに座っていた。なるほど、私の後に面接する人たちか・・・。一人が14時半からもう一人が15時の口か。え、じゃあ面接の1時間前には来ているのか。みんな凄いなあ。次の面接では一時間前に行ってみようっと!


 さて、次の公募に応募する準備するかぁ。ではそういうことで。