補助金が経営をラクにする」前
「税制・補助・融資制度活用」
 
今日は小橋 正浩 氏
株式会社 小橋工務店 代表取締役社長 の記事のご紹介をします。
 
補助金は、施主はもちろん、工務店の営業戦略として欠かせない他工務店の差別化を図れます。
 
申請は面倒でも、施主へのインパクトは歴然です。
 
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今回登場する「補助金活用のプロ」は岡山県岡山市の小橋工務店。4、5年前から積極的に補助金活用を始めたそうです。そしてなんと、”補助金活用のおかげで”今では年度がスタートして1、2か月後にはその一年の売上の予定がすでに決まるようになっているとか。その理由とはどういったことにあるのでしょうか?

 


会社名:株式会社 小橋工務店
所在地:岡山県岡山市東区東平島1117-1
TEL: (086) 297-3331
創 業:1945年
ホームページ: http://kobashi.in/

小橋 正浩 氏
株式会社 小橋工務店 代表取締役社長 

 

昨年度の補助金申請金額は約4000万円

昨年度は大体4000万円は補助金申請をしていますね。これまで自社として累計で7~8千万円は申請しているのではないかな。

主に活用しているのは岡山市の耐震改修と空き家再生活用の補助金です。岡山市は耐震で80万円も出るので大きいんですよ。空き家は50万円もらえる。
市の補助枠がそれぞれ年間15件に対して、去年耐震は7件、空き家は6件うちが申請しています。

 

総額約375万円の補助金メリットのあった住宅も

今うちは新築だと3500~4000万円くらいの家を建てています。
その中でも土地建物込み、総予算2000~2500万円で家を持ちたい、でも自分たちの思い描く家づくりをしたい、というお客様がうちに相談に来たりします。

そうした方々に提案しているのが中古住宅のリノベーション。
中古住宅の場合はお客様の土地探しから一緒にやっていますよ。チームを組んでいる不動産屋さんに同行してもらって。

 

耐震改修の補助金は昭和56年6月以前の住宅でないと出ませんから、不動産を探すときは、なるべくそれ以前の土地を探すようにしています。

実際は昭和58年に建てた建物と54年に建てた建物ってそんなに違わないと思いますし、であれば「54年の方にしたら、耐震改修の補助金もらえますよ」という話をお客様にする。
実際、住宅は築年数が古い方が土地の購入金額が安いわけで、土地代が抑えられる分、工事費も上げられるし。予算を不動産にかけるか、工事費にかけるか、といったら僕らとしては工事費にかけられる方がメリットがあるわけでしょ。

予算2500万円で岡山の益野で、車を4台駐車できる家に住みたい、という相談のあったお客様がいました。
そのときは、土地を600万円で購入、1750万円で改修をしました。その時に活用したのが耐震80万円、空き家50万円、当時は住宅エコポイントがあったときで更に45万円、合計で175万円になりますよね。

耐震改修をしているので住宅ローン減税の対象(昭和56年以前の住宅の住宅ローン減税適用には耐震改修が必要)にもなったし、これで年間約25万円、計10年間所得税・住民税が戻ってくると考えると大体200万円くらいのインパクトになるかと。
合わせると補助金メリットが約375万円にもなる計算です、2350万円の住宅購入で。

こんな話を相談に来られたお客様にすると、どんどんリノベにばかり流れそうになったり、これもやばいなと(笑)。うちとしては新築のほうがいいんだけども。

 

今年はなんといっても「次世代省エネ建材支援事業」

SIIの「次世代省エネ建材支援事業」、一次募集では4件早速申請しました。二次募集でも6件申請することが決まっています。総額で1500万円相当。

最大で1戸当たり200万円も補助金がもらえる、これは大きい。補助金がなかったら受注できなかった案件もあったと思いますよ。

お客様にしてみたら、200万円の貯金なんて、普通簡単にねん出できるものではないでしょう?

もちろん申請をするとなると、その分申請に時間がかかり、工事も先まで待たなくてはいけなくなりますが、お客様に「もし今すぐ工事したいなら、200万円(の補助金)は使わなくていい?」と言ったら「いやいや待ちます!」となりますから。

「次世代省エネ建材支援事業」、(ほかの補助金申請に比べたら)ずごくラクなのに、なんで他の工務店さんはやらないんだろう?って思いますね。やろうと思ったらできるはずなのに。

 

 

補助金活用のきっかけ

補助金を本気で活用にするようになって、4、5年になります。1件とったら2件目も3件目もとれるようになって。取り組みだしたら(申請も)苦じゃなくなって、どんどん楽になった。もちろん、申請は手間というか、負担はありますよ。でも慣れてきた。

1年目は170万円くらい、で次の年からどんどん増えてきて、お客様からどんどん依頼がくるようになった。それで、あ、これ(=補助金)っていい営業になるんだなあと。

最初の活用のきっかけは、耐震改修をする案件があって、その時のお客様と予算が合わなかったことですね。どうにかして予算を下げざるを得なくなった。で、下げるのだったら補助金を使おうと。

お客様には予算がある。そしてやりたい工事には相応の見積額がある。その両者に開きがあるというのはよくあることですよね。この開きを一般的に他社さんがどうしているかというと、受注を取るために「合わせます。何とかします」と工事費を値引いたりする。

僕はこれはちょっと違うんじゃないかなあと思っていて・・。

こちらも協力はするし、でも一方でお客さんの予算を上げることも必要なんじゃないかと。お互いが歩み寄れば予算があって受注につながるんじゃないかと。

補助金は、「役所からハンコをもらっている」という安心感をお客様に与えることが出来るのもメリットですよね。実際、ハンコがなくても(申請をしなくても)うちは何件耐震改修の補助金をとった実績があるよと伝えるとお客様に安心していただけることも多い。
補助金申請実績はお客様にはしっかり伝えていますね。

 

「来年の仕事が今決まる」がメリット

今相談を受けているお客さんは、来年度の耐震改修補助金を申請する前提で来年7月以降の着工分の方が何人かいて、それまでに書類を準備する段取りをしているところです。耐震改修は「診断」と「補強計画」でそれぞれ県の評価委員会のハンコをもらわなきゃいけなかったりで、申請してから4、5か月はかかりますから。

でも1年後の補助金申請ですから、準備もばたばたしないで、1年かけて準備ができるのがいいです。

補助金活用のおかげで、工事の時期を自分で調整できる、これが大きなメリットだと思っています。

補助金活用で1年後のお客様の工事が決まるようになって、うちは決算3月なんですが、今では3月、4月の段階で、もうその1年間の売上は大体決まるようになっています。なので、今は僕は1年後の受注を取る仕事をしているわけです。

「来年度の工事ってよそにお客さんが逃げないか?」逃げないですよ。(補助金を使えるわけですから)お客様にとっても待つことがメリットになる。

1年後の工事が決まって、1年かけてゆっくり準備が出来て、お客さんも慌てずゆっくり(家の片付けなど)準備が出来て・・・・だからほかの工務店さんはなんで(補助金を)使わないの?と思います。

お客さんの話を聞くと、他の工務店に耐震改修とか補助金とか、相談してみても「うちは大丈夫だから」とか「補助金申請は大変だからその分サービスするよ」など言われるみたいですよ。

「補助金を申請します」とお客様に伝えることで、競合がいなくなりますね。

耐震改修は「診断」をして、その次に「補強計画」を出して、というプロセスになりますが、まあ耐震診断をする時点で、お客様は大概他にはいかないですね。その時点で信用が生まれるので。

工事の内容が決まっていない時点で受注が、しかも来年の工事が確定できるのはうれしいですよ。

 

https://aplug.ykkap.co.jp/my/support_tools/32