★矢嶋孝敏の気になる医療ニュース★
2015年4月22日付の報道によりますと、アトピー性皮膚炎は細菌の異常繁殖でバランスが崩れて発症に至るという事実が、マウス実験を通じて解明されたとのことです。
上記を実証したのは、慶応大学医学部の皮膚科学教室及び同大元講師の永尾圭介博士です。
花粉やホコリ、食べ物などのアレルギーを持っている人が合併症状としてかかる疾患だと捉えられていたアトピーですが、何に対して反応しているのか直接的な原因は未だ不明でした。
近年、アトピーの患部に黄色ブドウ球菌の繁殖数が多いことは発見されていましたが、そうなるまでの過程が臨床的に分かっていなかったのです。
今回の研究では、はじめにC.mastitidisという名称の菌が繁殖し、次に黄色ブドウ球菌、そして最後に現れたC.bovisと呼ばれる菌と共に、黄色ブドウ球菌がC.mastitidisを蹴散らして巣食うことが明らかとなりました。
また、別のモデルマウスには菌に有効な抗生物質2種類を投薬することで、アトピー発症に至らなかったそうです。
細菌の発症過程の詳細が判明したことで、完治が難しいとされていたアトピー性皮膚炎の治療にも明るい兆しが見えています。
