とりあえず食材はあることは分かったので、
庫内の食材を見て簡単な物を作ることにした。 

えっと卵に長ねぎ、焼豚と玉ねぎがあるから…… 炒飯と玉子スープにしよう

これらの食材を使ってすぐに炒飯と玉子スープを作った。

作ったものを食卓へ持っていき、 
“いただきます”と言ってかき込むようにして炒飯とスープをたいらげた。
味はそれなりに美味しく、量も適量だったので満足できた。
食べ終わったので台所へ行き食器を洗った。

さぁ、疲れたし風呂入るか!

リビングのドアに手をかけたとき思い出した。
 
あっ、風呂沸かすのを忘れてた…… 面倒くせぇ~!!
 
どうしようもないので沸くまでの時間をソファーに座って潰すことにした。
時間が経つのがいつもよりも遅く感じられた。
 
しかし、恐ろしいくらい静かだな……
まっ、当たり前か! なんせオレしか居ないんだから
 
色々と考えているうちに風呂が沸いたみたいだ。
 
さぁ、今度こそ風呂入るか
 
ソファーから立ち上がり、リビングを後にして浴室へ向かった。
その後身体と髪を洗い終えたので湯船に浸かっていた。
 

「ふぅ~、今日は疲れたな」
 

両手でお湯をすくい、顔を洗った。
 

しかし、ここまで静かだと不気味で気持ち悪いな……
 

しばらくしてオレは風呂から上がり、
7分袖のTシャツと横にラインが入っているジャージのズボンに着替えた。
浴室を出たオレは一旦、リビングに戻ることにした。

ん? 何で戻るのって? それは防犯と火元確認の為にだけど……
まぁ滅多にないだろうけど、
泥棒に入られたり火事になったりするのはごめんだからね。
それに“ 備えあれば憂いなし ” って言うし……
 
用事が済んだので全ての照明を消した。
そして真っ暗闇の中自分の部屋へと歩みを進めた。
 
部屋に着いたオレは入るなりすぐにベッドに身を任せた。
何の変哲もない見慣れている天井を見つめていた。
頭の中では今日一日の出来事が走馬灯のように流れ、振り返っていた。
 

「はぁ~、いろんなことがありすぎて疲れた……」


1人ぽつんと部屋の中で呟いた。
実はあまり人と話すのが得意じゃない。
だから人間関係が上手くいくか正直不安だった。
でもそんな不安を高城たちが拭い去ってくれた。
 
しかし問題はこれからだ。
母さんが海外に行ってしまったせいで
突然1人暮らしがスタートすることになった。
不安がなくなったと思ったら新しく不安が出てきてしまった。


何も起きなきゃいいんだけど…… 


考えているうちに徐々に意識が遠のいていき、眠りに落ちた。




どうもお久しぶりです、博士です。
長い間、更新できなくてすいませんでしたっ _(._.)_
今日から、少しずつ更新していけるよう頑張ります。
----------------------



「ただいま~ 」


いつもなら返ってくるはずの声が無い。

母さん、買い物に行ってるのかな?


リビングに入り、ふとテーブルの上に目を向ける。

すると、そこには書き置きと思われる1枚の紙があった。


「何て書いてあるんだろう? 」


一通りその文面に目を通した。

なんと驚くべきことが書き記されていた。


「な、な、何だって~!! 」


あっ、やっべ。柄にもなく大声で叫んでしまった。


どうやら仕事で海外に行ってしまったらしい。しかも1年間みたいだ。


「そんな事オレは聞いてないぞ。

 何も言わないで勝手に行きやがった、あの女!」


料理、洗濯も基本家事はできるからいいけど、生活費はどうするんだ? 


紙の下の方に何やら「P.S」と書いてある。


「 “通帳と鍵は引き出しに入れておいたから、あとはよろしく” じゃねぇよ! 」


さすがに引き出しに入っているわけないよな。

だって玄関の鍵が開いたままだったし…… 。

一応試しにその引き出しを開けてみたら、本当に通帳と鍵がそこにあった。


「は? 何で本当に入っているんだ? 泥棒が入ってきてたらどうしたんだ? 」


など恐ろしいほど疑問が次々と湧いてきた。

このままだとオレの脳が疑問だけで、

オーバーヒートしそうなのでもう考える事を辞めた。


「ってか、冷静に考えたら鍵開いたままだったけどよく誰も入らなかったよな……」


ふと窓の外に目をやると

空には茜色の夕日がゆっくりと顔を隠し始めている。


「もう夕方も終わりか…… そろそろ腹減ってきたし飯作るか」


オレはキッチンへ向かった。

冷蔵庫を開けようと扉に手を掛けた。


冷蔵庫の中がほぼ空だったらどうしよう…… 


途中そんな不安にかられながらも恐る恐る扉を開けてみた。

庫内にはオレの心配とは裏腹に、それなりに食材が入っていた。

どうやら杞憂に終わったようだ。