著名人が亡くなり、その急変前の状況が何やら問題になっているようで。「発熱しても4日間待機」の解釈。医師会のお偉いさんは何やら責任逃れのようなことを言っているが、これは完全に誤りである。責任逃れの言い訳をしているという点も良くないが、それ以上に、今回の件をもって上記ルールが問題であることを認めるべきではないということである。

仮に発熱初日に受診・PCR検査を施行していたとして(当時の医療状況を考えればまず不可能な前提だが)、その結果が出るのにまず数日かかる。あるいは「発熱したら全員PCR検査」というルールに一律するべきというのであればPCR件数はおそらく現在の10倍程度では効かないので、その場合結果判明には少なくとも1週間以上かかると見るべきだろう。結局その間自宅待機しているのであれば、結果は同じであり、PCR結果待ちの自宅待機中に急変していたであろう。

つまり今回のケースは
a)PCRの感度が100%に近い状態で、かつ発熱初期にPCR検査をもれなく施行でき、かつPCR結果が全て1日程度で判明し、PCR陽性患者を即日入院させる病床が常にある
b)PCR検査の施行や結果に関わらず発熱患者はその時点で全員入院して経過観察(そのための病床が常にある)
のいずれかで無ければ救えなかったことになる。

結局入院病床という出口を作らなければPCR検査ごときで解決できる問題ではないのである。

そもそもこれらの問題を仮に全てクリアして発熱当初から入院していても救命できたかすら分からないのに、あれこれ言っているマスコミや周辺著名人とやらの思慮の浅さには驚かされる。