2012年 イギリス
☆監督・・・トム・フーパー
☆キャスト・・ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライド、エディ・レッドメイン、アーロン・トゥヴェイ、サマンサ・バークス、ヘレナ・ボナム=カーター、サシャ・バロン・コーエン
レ・ミゼラブル、って日本語題だと「ああ、無情」になるんですよね。遠い昔、小学生の頃に子供向けに書き直した物語を読んだっけ。子供ながらに貧しい暮らしの中の悲哀と、善悪などを学んだような。
そして本作はミュージカル!映画で古典もののミュージカルだといかにもな奇妙な間合いに気を取られてしまうのでは...という懸念がありました。でも、心配したような唐突さや居心地の悪さはほとんと感じずにすみました。というか、全編を通してむしろ各登場人物の歌により、セリフやナレーションがカバーされていた感じでした。歌につぐ歌の合間に、ほどよくスパイス的にセリフがある、といった感じに思えます。
なんといっても、その歌声の繊細さに感心します。何かで読んだら、各人が録音でなく、実際にその場面で生歌を披露していたようで、とってつけたようなわざとらしさもなく、むしろその場面に合わせた声量や感情移入し具合がしっくりきていたと思います。 とはいえ最初ラッセル・クロウの妙に高めの歌声には何故か気恥ずかしさを感じてしまった(^_^;)まじ?その重量級な体格でこんな可愛らしげ(?)な声なの!?みたいな。まあ、すぐに慣れましたが。
映像にもかなりこだわってる感じはありましたねー。冒頭のジャン・バルジャンが牢人として船を曳く場面。彼ら罪人たちの身なりの徹底的に作りこんだ感じ。ヒュー・ジャックマン本人だとはちょっと最初目を疑うくらいの過酷な労働を物語る荒れた貌つきには驚かされます。
そんな彼が数年後に市長となってすっかり紳士然と再登場した際のギャップにも目が点(+o+)な豹変ぶりでしたが。
そうそう、銀の燭台のくだり、なんかなつかしかったなー。司祭が、ありったけの銀食器を盗み逃亡しようとして官憲に連れてこられたジャンバルジャンへ、「いや、これらの銀食器は確かに彼に差し上げたのです。」と彼をかばったばかりか、「おや、この銀の燭台を忘れているじゃないか」とさらに彼へ与える姿には、ウン十年ぶりに感銘を受けてしまった(*^_^*)
だって人に疑われ、蔑まれ、過酷な労働ですっかり人を信用することの出来なくなっていたジャン・バル・ジャンの心を溶かしたのは、まさにその司祭の暖かい庇護の手だったわけです。その出来事が彼を変え、人間として立ち直らせたのです。人は過ちを犯すもの、だからと言ってただちに厳罰を加えるのみでは不十分。背を向ければ相手も背を向けるのみ、なのですね。
アン・ハサウェイは子供を宿屋の夫婦に預けて工場で働く役で出ています。時代設定は革命後の財政状態が悪化し食うに食えない貧しい人々が街にあふれかえっているフランス。職に就ける彼女はまだ恵まれているのだが...若くて美しいゆえに工場長にちょっかいを出され、周囲の女工からつまはじきにされてしまう。彼女も悪事を働いたわけでなく、やむにやまれぬ事情で職を失い、子供のためにと髪を売り、歯を売り、やがて売春婦へと留まることなく身を落としていく。
彼女の演技もなかなかの迫真ぶりでした(;_;)
細かく書いていくときりがありませんね。とにかく後半に行くほど涙、涙。いやはや、とっても感動してしまいました。若い革命家がコゼットに恋をして夢中になる。実は彼に恋心を抱いていた宿屋夫婦の娘がやがて彼の腕の中で身代わりとなって死んでいく場面...ベタだけどすごく泣けたなー。叶わぬ思いがありつつも、その腕のなかで死んでいける幸せ、を朗々と歌い上げていました。
まあ、いろいろとありまして、ついにコゼットと革命を生き延びた若者が結ばれる。自分が本当は罪人ということを娘に知られることを恐れたバルジャンが教会へ身を寄せるも、まさに死期が迫る場面。結婚式を抜け出しバルジャの元へ駆けつけた二人に看取られまさに旅立とうという時、すでに天国へ召されたアン・ハサウェイが現れます。(いや、役名が抜けててすいませーん)約束通り彼女の娘コゼットを救いだし立派に育て上げたバルジャンへの感謝を歌い上げ、コゼットと彼(名前?(^_^;)あれ。)はまだ死なないで、と歌い上げる。ここが本当にクライマックス!!涙も茫々と止まる気配なし!!!!!
いやはや、こんなに映画観ながら泣いたのは久しぶりです((+_+))ま、でも。あちこちからすすり泣きの声が聞こえてたので大丈夫(* ̄Oノ ̄*) 2つ隣の席のおじさんもすすり上げてたもんね(^_^;)
しっかし、ミュージカルでも定番の演目のようですし、世代を超えて受け継がれる物語りの持つ力とは偉大なり、です。
キャストも豪華だし、貧民たちのボロボロ具合も真剣に迫力満点。コゼットの美しいドレス姿には心洗われるし、宿屋夫婦のコミカルなぼったくり描写も楽しく、ホント、見どころ満載!です。ぜひ、映画館でじっくり鑑賞することをおすすめします(^-^)
