光文社から12月に発売の新刊新書の見本が送られて来ました。360ページと結構厚くて情報量が多いですね。現在の白内障関連の知識としてはどんな専門書よりも世界一詳しく、これを噛み砕いて一般向けに書いたものです。是非お読みください。また本書最後のエピローグの部分を紹介いたします。
おわりに
白内障の話題の本を書いてくれとの光文社からの依頼があってから、ずいぶんと日がかかりました。近代の白内障手術の技術の多くを開発してきた私としては、まさに適任とも思いましたが、私が書くからには、単なる白内障の解説書では面白くないだろうと思いました。どうせ書くなら、見ることの意味から、白内障の起源や、細胞レベルでの予防法や、できるなら細胞の若返りまで書いてやれと、意気込んだ結果が本書です。
この結果、おそらく白内障を話題とした、どの医学専門書よりも詳しい内容となったのです。これを一般の方ができるだけわかりやすいようにと、かみ砕いて話すよう書きました。内容が難しいので、一部だけでも理解していただければ、今までの白内障への治療イメージが変わるでしょう。白内障が単に年齢での変化では無くて、白内障に関連した多くの医学的な問題があることを理解できるのではないでしょうか。
白内障手術は、近視や遠視や乱視や老眼でさえ一緒に治せる、裸眼で全てが見える屈折矯正白内障手術時代に突入してきています。この白内障治療法でも、正しい知識が無いままに手術を受けたりすると、後悔先に立たずといった残念な視力結果になりかねません。
私が眼科医になったときから、患者さんに、全てのものを裸眼で良く見える世界を提供する研究を続けてきました。この関係で白内障手術はもちろんですが、屈折矯正手術についても話題にしたのはこの為です。また、裸眼で見えるようになる為の、最新の多焦点レンズの説明には特にページを割きました。
患者さんに本質的な正しい眼科の知識が無いと、宣伝に踊らされて、間違った医療機関選択をしかねないのです。これも何とか救いたいとの思いもあります。現在では正しい眼科医療選択をすれば、100年の生涯を通して、最高の裸眼視力を得る道があるのです。ぜひ生涯にわたり、よく見える喜びを味わってほしいものです。
また、私が問題提起した、老化そのものを治すことは将来の課題です。白内障は誰でもかかるとはいえ、老化の原因を知ることで、100年の生涯なら充分に予防も可能ですし、細胞の若返りも可能なのです。
また、眼科は全身の疾患の表れでもあり、目の病気は単純な一つの病気だけの場合は少なく、いくつもの目の病気が複雑に絡み合っています。眼科医師を選ぶ際も、白内障だけでなく、目の全ての疾患について精通した眼科外科医を探してください。これも生涯にわたる良い目を守る為の秘訣です。
この本が、皆様方の目への真の知識を広げ、正しい世界最先端の眼科医療と未来の医療についての道しるべとなれば、生涯にわたり最も大切な目の機能を守る礎になるであろうと信じています。それが筆者としてもこの本を書いた趣旨であり喜びなのです。
2023年12月吉日 深作秀春
