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・とある引用。


  「思考というのは、既に知っていることによって限定され、不自由になる」
  犀川が煙草を消しながら言った。
  「まっさらで素直に考えることは、けっこう難しい。
  重要なことは、立ち入らないことだ。海月君が真理を見抜いたのも、
  その視点によるところが大きい」


          森博嗣『τになるまで待って』より


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・朝起きたら。


 朝起きたら、なんと、昨日とは別人になっていた。
 しかし自分が今日やらなければならないことは、ぼんやりと解っていた。
 とりあえず研究室に出向し、デスクを眺めると、メモが残されている。


 どうやら昨日までこのデスクで作業をしていた人間が残したものらしい。
 仕方なく前任者の研究の引ぎ継をして、データや計画書のミスを修正し、
 研究計画をブラッシュアップする作業を行う。
 前任者のアイデアは面白いのだけど、どうやら修正点も多い。


 一通り作業が終わり、帰る前に今日修正した点と、
 明日来る引継ぎの新しい後任者にメモを残して、研究室を後にする。
 きっと明日来る後任者は、今日の僕より冷静な目を持っていて、
 もっと的確な方向へ研究計画を持っていくだろう。



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・というのは突飛な比喩で。


 しかし最近は、ずっとこんな感じで研究中。
 重要なのは、一度自分を切り離すこと。
 自己評価をする際に客観性を高めるには、
 別人格を構築するのが手っ取り早い。


 例えば、今日やったタスクの見直しは翌日やった方が効果的。
 修正点も明確に見えるし、新しい意見もどんどん出てくる。
 ある程度時間をおいて、自分の思考から切り離さないと、冷静に見れない。
 そこが凡人の凡人たる所以だと思うのですが。
 改善が難しいので、僕は自分から距離を置くようにしています。


 天才はきっと違うのだろうなぁ。
 たまに設計の講義とかで、良く出来ている模型とかを、
 「あ、ダメだこれ」と言って一瞬で破壊できる人がいますが。
 アレに近いんだろうなぁ。僕はできないなぁ、そんなこと。
 きっと自分の作品を瞬時に切り離して、客観的に見れるのでしょうね。


 そんなわけで、ニュアンスの近い表現をしていた文章を冒頭に引用。
 英語の副題は『Please stay until τ』。
 森氏の作品は、いつも副題に脱帽します。


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 高校時代の3年間は,恥ずかしくて人に言えたものではなく,バスケット部はスタメンでユニフォームを貰っていたにもかかわらず,反りの合わない顧問と職員室で大喧嘩して1年で自主退部し.その後は有り余っていた体力をバンドとアルバイト(まだ校則で禁止されているのか知らん?)に注ぎ込み,その間にあれよあれよと最高到達点を過ぎたジェットコースターよろしく急転直下した成績は,学年で下から数えてすぐ見つかる順位で,全科目平均点など,鳩山内閣支持率ですら目を背けたくなるような始末.高校3年になって周りを見てみれば,予備校に通っていないのは1人だけ.高い授業料に加えてそんなもの払えるかと一念発起して勉強するものの,何とか手が出せたのはAO入試.

もう上を見上げるしかなかったので,大学に入ってから真面目にコツコツ積み上げて,多少人並みの学生らしさを取り戻し,気づけば卒業時には卒研発表最優秀賞を獲れてしまったと言うのだから,同期の学生はキャンパスライフを満喫し過ぎて,オツムが月面旅行でもしていたに違いない.そもそも私のような学生に付属校卒業生のインタビューが舞い込んで来ること自体,きっと何かの間違いであろう.よほど付属校出身生がいない学年だったのか,何かの手違いであることは明白である.なので後日この文章は差し替えられるであろうから,正直に書いてみました.