京都鞍馬のハイキングにバスで出町柳へ。
叡山電車で貴船口へ行き、京都バスに乗って、貴船神社に到着。
貴船神社は、桜が満開。4月7日まで「花のen」という夜間のライトアップ中で、普段以上に春らしく可愛らしいデコレーションで仕上がっている。
本宮は、いつ来ても参拝者の心をくすぐるマーケティングが上手いなと思う。
貴船神社のご祭神は、高龗神(たかおかみのかみ)で、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の御子神の水の供給を司る神さま。
第18代反正天皇の御代(約1600年前)、初代神武天皇の母・玉依姫命が浪花の津(大阪湾)にご出現になり、黄船に召されて水源の地を求めて船を進め、淀川から鴨川に至り、貴船川をさかのぼり、現在の奥宮の地に上陸。そこに祠を営み、水神を祀って「黄船の宮」と崇められたとされる。
今の奥宮がその地に当たる。永承元年(1046年)に水害で被災したため、天喜三年(1055年)に、現在の本宮に遷座。奥宮のご祭神の闇龗神(くらおかみのかみ)と本宮のご祭神の高龗神は、同じ神であるとされる。
本宮の水占いを行う水場のすぐ隣にあるご神水は、名水の評判が高くて、古くから茶人に珍重されてきた。一度も枯れたことがなく、3年以上汲み置きされたご神水が水質検査をしても腐蝕や変色、雑菌の繁殖などが見られなかったらしい。
ブログ管理人は、いつも空のペットボトルを持参して、ご神水を持ち帰っている。
磐長姫命(いわながひめのみこと)がご祭神の結社(ゆいのやしろ)。
歌人・和泉式部が夫の心変わりに悩んで参詣し、歌を捧げたところ、その願いが叶えられたという。
結社は、磐長姫命の優しいエネルギーが充満して、ホッとする場。
一方、貴船神社の中で最も興味深く、畏敬の念的に怖い奥宮。
もともと本宮であった奥宮の本殿の下には、日本三大龍穴の一つがある。この龍穴は、江戸時代末期の本殿建て替えの際に、大工が誤って龍穴にノミを落としたところ、強力な気の吹き上げによってノミが飛び出し、程なく大工も亡くなったと伝わる。
この龍穴は、決して人目に触れてはならない神聖な場所とされて、龍穴には盛土がされており、前回の建て替えの際にも、誰の目に触れないようにシートで覆われて、作業中も誰一人として話すことなく、非常に厳重に扱われていた。
さらに奥宮は、丑年、丑月、丑日、丑刻に高龗神が降臨したという古事に由来した丑の刻参り(うしのこくまいり)の場でもある。なので、奥宮のとある領域は、ブログ管理人にとっては気分が悪くなるのだが(敏感な方は要注意)、それでも龍穴の穢れを落とすエネルギーに触れるために、奥宮には、ついつい足を運んでしまう。
本当に奥宮は、調べれば調べるほどにミステリアスで不思議な魅力のある怖い場所。
玉依姫命が乗ってきた黄船を石で覆って隠したという「船形石(ふながたいし)」。この黄船は「貴船」の名前の由来の一つともされている。
貴船は「気生根」と気が生まれる場所でもあり、ブログ管理人は、奥宮がその地だと信じている。
静寂を好む奥宮には、本宮のように観光客でワサワサしない方が良いと思うが、本来のお詣りをする人には、静かに訪れてほしい場でもある。