世の中には、だし汁の「出汁」といえば粉末だししか思い浮かばないという人もいるらしい。
手抜き調理で料理を美味しくするコツは、素材と出汁に気を配ること。
和食の味の決め手になるのは、「出汁」。
昆布からとれるグルタミン酸
鰹節や煮干しからとれるイノシン酸
干し椎茸からとれるグアニル酸
この3つが組み合わさり、各々の旨み成分が調和して、美味しさがうまれる。
高給料亭のように手間ひまをかけなくても、家庭で美味しい出汁は簡単に取れる。
出汁の原料になる素材は、昆布、かつお節、煮干し、干し椎茸など。
昆布は大きく分けて4種類ほどあるので、好みに合わせて使うと良い。
出汁の取り方(昆布とかつお節)
それぞれの出汁の素材が水の1%になれば良い(水1ℓであれば、昆布10g、かつお節10g)。
時間があれば、昆布を30分から一晩、水に浸けておいても良い。
昆布と水を火にかけたら、5分以上、10分くらいで沸騰させて、グラグラ煮る前に火を止めて、昆布を取り出す。
火を止めて、かつお節を入れる。お吸物など、かつおの雑味を抑えたいときは1〜2分、煮物など汁物など全般では3〜4分火にかける。
濾し器で濾して、かつお節を取り除く。
水漬け出汁の取り方(昆布)
昆布が水の1%になれば良い。
一晩、昆布を水に浸けて冷蔵庫に置く。
出汁の保存の仕方
冷蔵庫で保存し、2〜3日で使い切る。
冷凍庫で凍らせば、もう少し日にちが持つ。
添加物入りの粉末だしには、危険性が潜んでいる。
粉末だしの原材料に添加物である調味料(アミノ酸など)が最初に書かれている場合は、他の原材料よりも一番多く入っている(入っている量の多い順に表示される)。
調味料(アミノ酸など)は、L-グルタミン酸Naを中心に、56種類の添加物の成分の中からいくつかを組み合わせて作られる。何種類入っているかは、表記からは分からない。L-グルタミン酸Naは、それでなければ美味しく感じらてないような味覚問題が生じたり、大量摂取すると、頭痛や顔面紅潮などの症状が出て、中華料理店症候群とも呼ばれる。
「化学調味料不使用」と書かれた粉末だしには、「たん白加水分解物」といって、食品扱いとなっている限りなく食品添加物に近い物質がある。製法によって危険性が生じる場合があり、製法は2通りあり、たんぱく加水分解物が原料の動植物から酵素を使うか、または、塩酸を使って強制的にうまみ成分のアミノ酸を取り出す方法になる。塩酸を使う抽出法には問題があり、塩酸を使ってたん白加水分解物を製造する場合、 副産物としてクロロプロパノール類(3-モノクロロプロパン-1,2-ジオール(3-MCPD)、1,3-ジクロロプロパノール(1,3-DCP)など)が生成されてしまう。農林水産省によれば、副産物としてクロロプロパノール類のうちの3-MCPDは、ラットを使った試験によって健康に悪影響が出る可能性があるとし、1日の摂取量の最大量は2μg/㎏体重/日に設定されている。もう一つの1,3-DCPは、ラットの実験で発ガン性が認められており、ごくわずかな量でも遺伝子を傷つける可能性があって、それが引き金となってがんを生じることを否定できないとする。
とにかく成分表をよく見ることが重要。