最近取り上げた安全な紅茶選び☟に引用したアメリカの有名ブロガーの「FOOD BABE」。

運営者のバニ・ハリ氏の発言が大企業の記者発表や前オバマ大統領夫人の意見まで覆していた。


2014年1月にサブウェイが記者発表を行い、「野菜を中心とした健康的なキッズメニューのプロモーションに4,100万ドルを投じる」ことを発表。この取り組みは、オバマ前大統領夫人が力を入れていた子どもの肥満対策に応えたものであることから、記者発表には大統領夫人も参加して、同社の試みを賞賛。

これに対して、「FOOD BABE」を運営するバニ・ハリ氏が前大統領夫人の発言は、市民に誤解を与える可能性があると反論。

サブウェイはヘルシーなイメージを売りにしているが、ヨガマットや靴底に使われている物質を食品添加物として使用している。

米ファストフードチェーンのサブウェイが、欧州や日本では禁止されている添加物アゾジカーボンアミドの使用していたことを指摘。アゾジカーボンアミドは、主にゴムやプラスチック製品の発泡剤として使用されている物質で、アメリカでは食品添加物としてFDA(米国食品医薬品局)に認可されており、パンの生地改良剤やシリアルの漂白剤として広く使われている。

しかし、欧州や日本では食品添加物として認可されておらず、WHO(世界保険機構)は人体への危険性に関して、職業的に同物質を扱う人は喘息や皮膚のかぶれなどが起こる可能性があるとし、発がん性や発達毒性を判断するに足る十分な調査結果はまだ出ていないとしている。

バニ・ハリ氏が、ブログ上で同物質の使用を禁止する署名集めを行ったところ、開始から24時間以内に5万もの署名が集まり、同社ソーシャルメディアにも多数の抗議投稿が寄せられた。彼女は、その2年前から継続的に同社にメールを送り、同物質を排除するよう訴え続けていたが、それまでは何の返答もなかったと。

ところが、この騒ぎに慌てたサブウェイの広報担当は、署名開始から僅か2日後に同物質を排除する旨のメールをハリさんに送付。メディア各社も一斉にこの件を報道。

米ファストフードチェーンの多くがアゾジカーボンアミドを使用しており、その多くはメディア各社の取材に対して沈黙を守っていたが、マクドナルドとダンキンドーナツは、NBCの取材に応じて、同物質は製パン業界で一般的に使われているFDA認可物質であることを強調。使用の廃止については言及しなかった。

今度は、大物上院議員のチャールズ・シューマー氏がマクドナルドの店舗前で記者会見を開き、同社のチーズバーガーを片手に、FDAは同物質の食品添加物としての使用を禁止すべきと主張。

サブウェイは、欧州や日本では禁止されている添加物アゾジカーボンアミドの使用を廃止することを発表した。


消費者の声が大企業の行動を変えられる時代になっている。

日本人B層には、参考になる「市民による平和的な市場改革」だと思う。


[参考・引用]
田中まゆみ:大企業や上院議員を動かす、米ブロガーの発言力、Y!ニュース、2014.2.12