2018年10月の三井農林の研究結果から、インフルエンザ対策に紅茶が注目されている☟。
三井農林は、三井物産が出資している食品製造業者。日東紅茶や三井銘茶、ポリフェノン、業務用や自販機用の製品などを取り扱っている。
紅茶党には、紅茶の効能が増えてうれしい限りだが、一口に紅茶といっても、市場には、安全な紅茶と危険な紅茶の両方が存在しているので、紅茶選びが重要。
ブログ管理人の紅茶選びの基本は、オーガニックで農薬や化学肥料を使わず、自然調味料も使っていない商品で、できる限りティーバックではなく、リーフティーを使いたい。
TVドラマ「相棒」の杉下右京が仕事先でも、リーフティーをティーポットで入れているのは理想的。ティーバックの使用は、仕事先でのマイティー作りなど、ティーポットが使えない場合のみにしたい。
FOOD BABEによると、現代のお茶メーカーの多くは、健康に対する恩恵やクリーンなライフスタイルを提供するふりをしながら、実際のところは、彼らが販売する商品は農薬や毒、人工の原材料、人工調味料、遺伝子組換え作物(GMO)にまみれていると指摘。
オーガニックでないお茶は、農薬の宝庫だという。
ほとんどのお茶は、袋詰めする前に洗われておらず、もし茶葉に発がん性のある農薬が振りかけられていたとしたら、その農薬はそのまま、私たちのティーカップの中のお茶に入り込むという。
そのために、お茶をオーガニック製品を選ぶリストの中に入れていると。
この点を裏付けるために、最も有名なお茶メーカーの一つ、Celestial seasoning セレスティアル・シーズニング社について、グローカス・リサーチ社による第三者分析によれば、分析の対象とされたセレスティアル・シーズニング社のお茶の91%について、米国の基準値を上回る残留農薬が検出された。例えば、この会社のスリーピータイム・キッズ・グッドナイト・グレープ・ハーバルという商品からは、0.26ppmのプロパクロルが検出。プロパクロルは、提案第65号というカリフォルニア州の法律で発がん物質として指定されている。
この会社の「ウェルネス」シリーズは、プロパルギットの痕跡があるとされている。プロパルギットは発がん物質であり、また、発達を阻害する毒としても知られている。FDA(米国食品医薬局)は、セレスティアル・シーズニング社に対して、品質のコントールへの警告書を2回も出している。
いわゆる大衆向けのメーカーが販売するお茶が安全でなくても、高級メーカーのお茶なら安全なはずと思った場合は、残念ながら答えはノー。
例えば。Teavana (ティーヴァナ)という北米を中心としたショッピング・モールで販売されているメーカーでは、「ティーヴァナ体験」をスローガンとしてお茶業界で事業を行い、従業員に対して、お客さまを感覚の世界への旅路へいざなうようにと教育している。店舗では、茶葉が入った巨大な缶の入れ物を開けて、茶葉の香りをくゆらせるように、入れ物の上部を扇いだりして、そのお茶がいかに健康に良いかを饒舌に説明したり、お茶のサンプルを用意したり、誘導的実演もしているの。しかし、独立した研究所がティーヴァナのお茶について検証したところ、その100%に残留農薬が検出された。とくに、Monkey Picked Oolong(モンキー・ピックド・ウーロン)については23種類もの農薬が検出されたという。62%の商品についてはエンドスルファンが検出された。エンドスルファン(農薬)は、発育に悪影響を及ぼしたり胎児に有害なために、米国や中国、欧州連合ほか144カ国で使用が禁止されている。
加えて、ティーヴァナのお茶のほとんどが調味料、とくに人工調味料-を使っている。この会社の製品が高級品なら、いったいなぜ原油やコールタールといった色んな種類の化学物質に分別蒸留や化学的操作を加えた原材料を使うのか。
有名なお茶メーカーのほとんどは、原材料に「自然調味料」を使うことで、消費者に彼らが良質でクリーンな商品を買っていると錯覚させている。これは、メーカーが、お茶の味の悪さと品質の低さを隠そうとしているから。一方、この自然調味料なるものをばかげているとして、本物の原材料だけを使っているメーカーもある。ヌミ・ティー(Numi Tea)のCEOのアームド・ラヒーム氏は「自然界に存在する何かを適当に分解して、それが結果的に自分が使いたいと思っている味になったとする。それを製品に入れて、原材料のラベルに『自然調味料』と書けばいいってこと。だから、そこらへんに転がっている石が入っていたとしても、分からないという訳」と。
ティーバックや包装も大切。
ザ・アトランティックという米国の老舗雑誌は、ティー・フォルテやマイティー・リーフといったお茶メーカーが使っている「シルキー・ネット型」や「メッシュ型」のティーバッグについて安全性に関する記事を書いている。それによると、茶葉を入れるためのこれらのティーバッグは、プラスチックで出来ているという。ポリ乳酸(PLA)は、トウモロコシ(遺伝子組換えトウモロコシである可能性が高い)を原料としたティーバッグの素材で、その見た目の良さと、生分解性があるということで、多くのお茶メーカーがこれを使っている。「シルキー・ネット型」や「トウモロコシを原料とした生体分解性のあるティーバッグ」といった表現は、それらを実際よりも自然で持続可能性なものであるかのように思わせるよう、消費者を誘導。ポリ乳酸の製造過程では、遺伝子的な原料の痕跡は取り除かれるが、遺伝子組換えトウモロコシから作られていることに変わりない。
ザ・アトランティックによると、メルコラ博士は「これらのプラスチック類は一般的に有害物質の浸出という点においては最も安全なものと考えられているが、これらのプラスチック製のティーバッグが熱湯に浸された場合に、ティーバッグの分子が分解して浸出する可能性がある」と指摘。
消費者が気にするべきもう一つの温度は、「ガラス転移点」。ガラス転移点、Tgと表されるのだけれど、これがどういうもので、なぜ危険なのかについては、「ガラス転移点とは、ポリマー等、ある物質の分子が分解を始める温度をいう。ある物質のガラス転移点は、融解点よりも常に低温であるとされている。PETや食品グレードのナイロン(ナイロン6やナイロン6-6)のガラス転移点は共に、水の沸点よりも低温である。例えば、PETの融解点が華氏482度(摂氏250度)であるのに対し、ガラス転移点は華氏約169度(摂氏76.1度)である。前述のナイロンのガラス転移点は共に、PETのガラス転移点よりも低温である(水の沸点は華氏212度(摂氏100度)だということ)。つまり、ブラスチック製のティーバッグを構成する分子は、熱湯の中で分解する。なので、プラスチックそのものがお茶に溶け出すわけではないけれども、ガラス転移点に達することによって、フタル酸という有害物質が溶け出す可能性がある。
気をつけるべきもう一つの点は、新型のティーバッグには、いろんな種類のプラスチックが使われているということ。ナイロン製のものあれば、ビスコースレーヨン製、熱可塑性プラスチック製、PVC製やポリプロピレン製のものもある。
紙製のティーバッグにも要注意。紙製のティーバッグの多くは、エピクロルヒドリンという、エポキシ樹脂を作るのに使われる物質で処理されている。エピクロルヒドリンは、国立労働安全衛生研究所2(NIOSH)によって、潜在的な発がん物質とされていて農薬としても使われている。エピクロルヒドリンが水分と一緒になると、加水分解によって3-MPCDという物質になる。3-MPCDは、動物に対する発がん性があるとされており、不妊(ネズミを使った実験では、オスの精子に影響を及ぼす)や免疫機能の抑制に関連があるとされている。
最近のお茶に入っている化学物質、添加物や人工調味料を考えると、お茶の抗酸化作用で相殺できるか心もとない。
・まず、あなたのお気に入りのメーカーのお茶に何が入っているかを把握すること。
・そして、お茶を淹れるときには次のチャートとコツを参考に。
① オーガニックで遺伝子組換え作物を使っていないメーカーのリーフティーを選ぶ。
② パッケージの裏面の原材料のラベルをチェックして、添加調味料、大豆レシチンやコーンスターチといった遺伝子組換え作物由来の原材料が入っていないかを確認。
③ 包装の材料が安全であるかを確認、あるいは、ルーズリーフ状態の茶葉を買ってお茶を淹れるときにはステンレス製かガラス製のストレイナーを使う。ティーバッグにエピクロロヒドリンを使っていないかメーカーに確認、それとプラスチック製のティーバッグはすべて避ける(ヌミ・ティーとトラディショナル・メディシナルズは、有害な原料や遺伝子組換え作物に由来する包装を使用していないことを公に述べており、Non-GMO ProjectというNGO団体の認証を受けている)。
④ 多くの(米国の)レストランでは、セレスティアル・シーズニング、リプトンやビッグエロウ(Bigelow)といった、有害物質を最も多く使用しているお茶メーカーのお茶を使っている。外食をするときにはマイお茶を持参して、熱湯の入ったポットかコップを持ってくるようお店の人に頼んでみる(これをするときにはチップをはずませることをお忘れなく)。著者は、スターバックスでもこれをして、「だって、自分のお金を有害なお茶を買わないために使いたいと思っているのだもの」と。アイスティーを飲む場合には、自宅でお茶を淹れてウォーターボトルで持ち運ぶといい。
⑤ 下のチャートにある温度と抽出時間のとおりに淹れてみる。
美味しいリーフティーの入れ方
① やかんに汲みたての水を入れて、火にかけ沸騰させる。5円玉くらいの泡がボコボコ出ている状態が目安。
② 紅茶をいれる前に、まずポットとカップにお湯を注ぎ、全体を温めておく。
③ 温めたポットに、ティースプーン1杯(2~3g)を1人分として、人数分の茶葉を入れます。細かい茶葉は中盛、大きい茶葉は大盛にするのが目安。
④ 沸騰したてのお湯を人数分注ぎ、すぐにフタをして蒸らす。この時、沸騰したお湯を勢いよく注ぐのがコツ(1杯分150~160mlが目安)。
⑤ 蒸らす時間は、細かい茶葉は2分半~3分、大きい茶葉は3~4分が目安。(ミルクティーのときは、やや長めに)その間ポットにティーコジーやティーマットを使うとさらに保温効果が上がる。おいしい紅茶をいれるには、温度を下げないことがポイント。
⑥ ポットの中を、スプーンで軽くひと混ぜする。
⑦ 茶こしで茶ガラを濾しこしながら、濃さが均一になるように回し注ぐ。「ベスト・ドロップ」と呼ばれる最後の一滴まで注ぐ。
紅茶も安心・安全な商品を選んで、美味しく飲みたい。
[参考・引用]
「Do You Know What’s Really In Your Tea?」FOOD BABE
「美味しい紅茶の入れ方」日本紅茶協会