経団連中西会長の「原発政策」への本音と忖度。
経団連会長のホンネ⁉︎
2019年1月5日に、経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)は、原発政策について「国民が反対するものはつくれない」として国民的議論の必要性を指摘。
日立と英政府は英国のアングルシー島で原発建設を計画しているが、安全対策の強化で必要な投資額は当初の2兆円から1.5倍の3兆円まで膨張。採算が合わず、暗礁に乗り上げようとしている。
再生可能エネルギーのコストは急低下し、日本の原発輸出計画はトルコやベトナムなどでも相次いで行き詰まっている。
日立は、このままでは経産省の政策に沿って海外の原発会社を買収した結果、大損失を被った東芝の二の舞いになりかねないとの危機感もある。
中西氏は「(電力会社など)顧客が利益を上げられていない商売でベンダー(設備納入業者)が利益を上げるのは難しい」と訴えて、政府にエネルギー政策の見直しを迫っている。
ANNニュース
ANNニュースでも、経団連会長は「原発存続には、一般公開の議論すべき」と確かに言っていた。
お客さまが利益を上げられていない商売で、ベンダーが利益を上げることは、すごく難しいことなんですよね。そういう意味で、今後どうするのかは、真剣に一般公開の討論をすべきだと思いますよね。全員が反対するものをですね、エネルギー業者やベンダーが無理やり作るということは、民主国家ではないんですよね。
経団連会長の官邸への忖度⁉︎
その数週間後の2019年1月15日の記者会見では、原発の再稼働が進まない状況について、「私はどんどん進めるべきだと思っている。原子力というエネルギーを人類のために使うべきだ」との見解を示し、そのうえで「原子力に関する議論が不足している」と述べ、政界や学界などを巻き込んだ討論会の開催を訴えた。
質疑応答では、「安全性の議論を尽くした原発も多いが、自治体が同意しないので動かせない。次のステップにどうやって進めるのか。電力会社だけの責任では済まされない」と語った。
エネルギーのあり方について、「長期的にみた場合、再生可能エネルギーでまかなえるとは思っていない。現在、電力源の8割を化石燃料に頼っていることも問題だ」と訴えた。
新増設についても「私の世代はいいが、次の世代では原発がなくなってしまう。そのとき日本の電力事情がどうなるのか。大変危ない橋を渡っている」と述べた。
日立が手がける英国の原発新設計画も中断する方向になっていることに対して「民間の出資が出てこないので、難しい状況になっている」と説明。
経団連中西会長の発言の転換について、「官邸から怒られたのではないか」という見方が流れている。原発推進は、現政権の基本政策なので、新年早々に『国民が反対するものはつくれない』と異を唱えたことから、慌てて官邸に聞こえるように『原発推進』を叫んだのではないかとみられている。
ブログ管理人がオカンにこの話をしたら、オカンは「経団連の会長さん、ボケはったんや。かわいそうに」と関西のおばちゃんらしく、突っ込んでいた。
[参考・引用]
「原発政策の矛盾鮮明 経団連会長、コスト高指摘」東京新聞WEB、2019.1.5
「『原子力を人類のために』経団連会長、原発再稼働を訴え」朝日新聞DEGITAL、2019.1.15