イシュタムの手、、法医学を扱う重い小説なのに、読み終えたあと心がざらつかない。むしろ、静かに懐かしさがしみてくる――そんな読書体験でした。
理由のひとつは、舞台の空気が、私の学生時代と秋田で過ごした17年の記憶と重なったからでしょう。作中にふいに出てくる秋田弁が、まるで昔の友人が横からひょいと声をかけてくるようで。
「んだどもなぁ」「おめ、まだ起きでだのが」「しょうがねべ」そして極めつけは、あの独特の響き――「んだべおん」 これが出てきた瞬間、思わず笑ってしまいました。完全にタイムスリップです。
法医学の描写は本来シビアなはずなのに、作者の筆致はどこか静かで、亡くなった人の“生きてきた痕跡”を丁寧に扱っている。登場人物たちのまなざしにも、「んだ、だいじだいじ」という優しさがにじんでいて、読者の心を守ってくれます。読みながら、私は何度もあの頃の自分に会いに行ったような気持ちになりました。秋田の空気、雪の匂い、夜の静けさ――全部が物語の中で息を吹き返す。
『イシュタムの手』は、私にとって過去と今をそっとつなぎ直してくれる一冊でした。
「んだどもなぁ」「おめ、まだ起きでだのが」「しょうがねべ」そして極めつけは、あの独特の響き――「んだべおん」 これが出てきた瞬間、思わず笑ってしまいました。完全にタイムスリップです。
法医学の描写は本来シビアなはずなのに、作者の筆致はどこか静かで、亡くなった人の“生きてきた痕跡”を丁寧に扱っている。登場人物たちのまなざしにも、「んだ、だいじだいじ」という優しさがにじんでいて、読者の心を守ってくれます。読みながら、私は何度もあの頃の自分に会いに行ったような気持ちになりました。秋田の空気、雪の匂い、夜の静けさ――全部が物語の中で息を吹き返す。
『イシュタムの手』は、私にとって過去と今をそっとつなぎ直してくれる一冊でした。
