夫と付き合っていた頃、
何度も話題に出てきたひと。


夫とそのひとは
小学校から高校まで一緒だった。
よく出てくるそのひとの名前
仲のいい幼なじみなんだと思ってた。

夫がその人の名前を呼ぶときの
ニュアンスの違いにいつの頃か
気づいてはいたけれど


夫から何度も
付き合ってほしいと
アプローチされて付き合うことになって
普通に大事にしてもらっていたから
気にしないようにしていたのに…


私と出掛けていても、そのひとから
電話一本で 呼び出しがかかれば
すぐにかけつけた…

私はちょっとだけ空気を読みすぎて
最寄り駅から自宅に帰ったこともあった

……ものわかりのいい彼女と思われたかったのかもしれない。

夫はごめんといったが
その目は私を見ていなかった。

ご主人様のことが大好きな犬が
呼ばれて
目をきらきらさせて走って行くように

夫は後ろ姿に 生やしたシッポを
ちぎれんくらいにパタパタさせて
そのひとの元に一目散に
走っていった


その後ろ姿を見送りながら
すごく寂しかったのを覚えている