学生時代,初めて新車で買ったバイクです.この当時,自動二輪の任意保険は高く,毎年払うのには抵抗があったので,任意保険が安い第二種原付を選びました.確か,カタログ・スペックで 22ps,1.9kgm じゃなかったかと思います.同社のモトクロッサー YZ125 のレプリカで,白地に赤のストロボラインが映えて,とてもかっこよく見えました.

 バイク屋を何軒か回って見積を取り,結局,先輩の高校時代の先輩が経営しているバイク屋さんが一番安かったので,そこで購入しました.このバイク屋さんには,いろいろ大変お世話になりました.新車を受け取りにGS125Eで行ったところ,「新車に乗りたかろう」とGS125Eを軽トラに乗せ,私は新車のDT125Rでおっかなびっくり後ろをついていき,下宿まで送ってくれました.それから毎朝5時には起床し,朝から150km位走っては大学に行くという生活を続け,一週間で慣らし(1,000km)を終えてバイク屋さんに初回点検に行きました.バイク屋さんからは「もう終わったんか」と驚かれましが,私は初回点検が終わればエンジンを存分に回せると思いウキウキでした.

 初回点検の次の日,早速遠出しました.目的地は,MTX50 で訪ねた後輩のところです.思いつきなので,もちろんアポなしです(笑).北へ向かってひたすら走り,ちょっと遠回りして観光地を巡り,後輩の住む街までたどり着きました.このとき既に200km以上走っていたでしょうか.公衆電話から後輩の家に電話を掛けると・・・誰も出ません(涙).この時,午後4時過ぎでした.下宿までは200km弱,途中,ずっと田舎道(失礼)で信号も渋滞もなく,アベレージ60km/h で走れます.真夏だったこともあり,7時過ぎまでは明るいので,「帰るか」と下宿まで帰ることにしました.帰路の記憶はありません(笑).ひたすら,まるでチャーリー・パーカーのアドリブのように,目の前の状況を考えることなく無意識に体が勝手に反応するように走り,下宿までたどり着きました.予想どおり,無事午後7時過ぎに帰り着きました.エンジンを切って,ヘルメットを脱いでもしばらく耳の中でエンジン音が鳴り響いていました.この日の走行距離は125cc なので当然ですが,全部下道で 約 450km でした.高速道路に乗れるようになった今でも,一日の走行距離はこの記録を破れていません.よく走ったものです.若かかったなぁ.つづく.

 MTX50 の次に乗ったのは,スズキの GS125Eというバイクです.

 

 このバイクは,自分の物ではなく借り物でした.元々このバイクは,サークルの二つ上の先輩が乗っていたのですが,先輩が卒業するにあたり,私の三つ下の後輩に譲渡されたものです.後輩は私が小型二輪の免許を取りに行っているのを知っていたので,夏休みに帰省している間,免許が取れたら自由に乗ってくださいとキーを渡されたものです.このバイクには,自分のバイクを購入するまでの二週間かそこら乗っていました.恐ろしくタフなバイクで,後輩が譲り受けたとき,走行距離は9万kmを超えていました.10万kmを超えると,オドメーターが一周して0kmに戻るので,先輩はそこまで乗っていたかったらしいのですが,残念ながら就職のため,あえなく断念したそうです.先輩はよほど残念だったのでしょう,譲渡後も10万kmいったかどうかを気にしていました.最終的に三つ下の後輩から二つ下の後輩に引き継がれましたが,10万kmいったのかどうかは定かではありません.

 このバイクでは近場をチョロチョロと乗っただけで,それほど思い出もありません.小型二輪の免許をとって初めて乗ったバイクというだけです.このバイクのエンジンは4スト単気筒であり,それまで2スト50ccに乗っていたこともあってエンジンブレーキの強さに戸惑いました.特筆すべきは,燃費の良さでしょう.リッターあたり約50km走りました.カブ並ですね.このバイクを経て,いよいよ自分のバイクを購入します.続きはまた今度.

 私のもう一つの趣味であるオートバイについて,その変遷を書いていきたいと思います.

 タイトルの通り,最初に乗ったオートバイは先輩の MTX50 でした.いわゆるトレールというやつで,舗装路を中心にダートも走れますよというやつです.先輩は車を買って以来乗ってなくて,研究室の前にずっと放置していました.そこで,貸してくれないかお願いしたところ,二つ返事で貸してくれました.この頃の原付はまだ規制前だったので,余裕で 60km/h 以上スピードが出て,国道も車と同じ速度で流すことが出来ました.このバイクの一番の思い出は,卒論が終わって春休みに入ったある日,北の空を見ると雲一つ無く晴れ上がっていました.それまで近場をチョロチョロしていたのですが,急に遠出がしたくなり,約200km 離れた高校の後輩に電話を掛け都合を聞くと,大丈夫だというので,「じゃあ,今から行くから」と昼すぎに出かけました.後輩は,原付で来るとは思っていなかったようで,びっくりしたようです.後輩の家に着いたのが夕方だったので,図々しくも一晩泊めて貰って,翌日帰路につきました.

 この遠出の思い出は,帰路の途中でエンジンが急に吹けなくなり,もう止まりそうになったことでした,急遽,近くの自動車屋に飛び込んだところ,バイク屋でもないのに親切に診てくれて,「チャンバーが詰まっている」と,その場でチャンバーを外し,ガス溶接機で煙が出なくなるまでチャンバーを焼いて,中のカーボンを出してくれました.そして工賃を払うだんになって,「2,000円しか持ってない」というと,「しょうがないな 2,000円でいいよ」とまけてくれました.これでなんとか下宿まで帰り着くことが出来ました.このバイクはトラブル続きで,深夜にアルバイト先から帰る途中,トランスミッションが2速以上に入らなくなりました.停車したところ,50mほど先で検問をやっていて,「検問の手前で停車するとは怪しい」と警察官がやってきて事情徴収されました.エンジンに異常があって停車したことを告げると,「気をつけて帰りなさい」と解放されました,翌日,近くのバイク屋に持って行くと,「直せないことはないけど,お金が掛かるよ」といわれ,先輩に相談の上,廃車となりました.私が借りて一ヶ月程度だったので,なんだか私が壊したようで,ちょっと申し訳ない気分でした.

 足がなくなって困っていると,奇遇にも下宿の先輩が同じ MTX50 を持っていました.この先輩も車を持っていて,それほど使っていないので,頼み込むと快く貸してくれました.このMTX50は自分のバイクを買うまで約4ヶ月乗り回しました.どうも MTX50 とは相性が悪いのか(笑),このバイクも家庭教師先でプラグをかぶらせ,エンジンが掛からなくなり,鬼キックしていると,お父さんが親切にも軽トラに積んで下宿まで運んでくれました.このバイクの思い出は,小型二輪の免許を取るために,運転免許試験場まで通ったことでしょうか.原付を適当に乗っていた私は,試験場で見るポイントも知らず,適当に受けに行って合格するまでに6回掛かりました.事前にポイントをちゃんと調べて公道でも実践していれば,もっと早く取れたでしょう.こうして,小型二輪の免許を取得した私は次のバイクに乗り換えるのでした.続きは次の機会に.

 

P.S. 検索したら,ここに画像がありました.

https://www.bikebros.co.jp/catalog/1/38_5/3325/#spec_top