麻里戦記 外伝 4伝 平内組との戦い。

19:00・・・
八江賀田廃ビル。

秋の夜。
静かに静まり返ったビルの中。
大勢のヤクザを前に、歩みを進める女の子。

「来たな。」

ヤクザの人数は30人程、増田は軽くため息をつく。

「これだけかよ。」

まぁいいと増田は構える。

「さっさとかかってこい。」

増田の声にヤクザの男一人が前に出る。

「タイマンはるぞ。」

増田は最初とは逆に深くため息をつく。

「全員でかかってこいや、めんどくせぇ。」

増田の言葉も無視し、前に出た男は日本刀を抜き、切りかかってきた。

「死ねやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

右斜めから振り下ろされる刃。
当たる直前、刀はへし折られ、男は四肢の骨がグチャグチャになり増田の後ろに吹っ飛んだ。

「何が・・・起きたんだ・・・。」

常人達の目にはその瞬間は映らなかった。
ただ、目の前で吹っ飛んだ行った仲間に怒りを露わにするだけ。
ヤクザ達は拳銃を取り出し、増田に向かい発砲。
しかし、当たった瞬間に跳弾していく。
そうすると増田はヤクザ達に向かい歩んでいく。
ヤクザ達は一斉に増田に向かっていった。

増田は前に駆け出す。強烈なパンチで、数人のヤクザ達の首が吹っ飛び
両手の平手突きで腹を貫通させ胴と足を真っ二つにした。
増田の俊敏な動きにヤクザ達は付いていけなかった。
ただただ、仲間たちが目の前で殺されていくだけ。
その恐ろしさに数人のヤクザ達は逃げ出そうとする。

「逃がさねぇよ。」

回り込み、一瞬で四肢を力任せにぶち抜いた

静かだったビルの中にこだまする断末魔。
やがて残っていいるのは組長だけになった。

「ひぃ!殺さないでくれ!」

増田の目からは死にゆくものを見る生者の優越感を感じさせた。

微笑みながら向かう。

「まだ生きたいのか?」

「た、助けて」

ニコッと笑うと
「ダメだね。」
そう言って組長の頭を踏んずけた。

「あががががが・・・・」

どんどん踏みつける力が強くなる。

「ぎ、ぎぃ!!」

グチャッ!!!

組長の頭は潰れ、増田の足跡が刻み込まれていた。


「・・・弱ぇーな」

増田は煙草を取り出すと、死体達を見て優越感を露わにし大きく煙を吐く。


翌日。
この事件は報道、新聞で取り上げられた。

「指定暴力団平内組の構成員30人、謎の怪死。」
「他ヤクザとの抗争か。」

そのニュースは大々的に報じられ、煙草屋のおばちゃんの耳にも入った。

「まさか、あの子が・・・。」

そう考えているおばちゃんの前に増田はやってきた。

「おばちゃーん。」

まさかとは思うが、おばちゃんは今回の件を訪ねる

「ああ、平内組の奴らか。弱かったぞ。」

「あんたは恐ろしい子だよ。」

「でさ、約束守ってくれるよな?」

おばちゃんは身に覚えがなく、「ん?」と首を傾げた。

「もっと強いやつ紹介してくれるんだろ?」

自分が何を言ったか思い出した。

「本気なのかい?」

「本気だよ。」

おばちゃんは、言うか言うまいか迷っていたが、こいつならもしかして。
という希望を見つけ、あることを喋った。

「世界の裏組織の事なんだけどね・・・。」

その内容は、
世界の裏組織、デルタの事だった。
デルタは世界各国に強力な暗殺者を所有していて、権力は世界一。
誰も逆らうことができず、おばちゃんの煙草屋もデルタの傘下の組織に絡んでいるというもの。

増田は世界各国の暗殺者という言葉に惹かれた。
強者を求める増田にとっては好都合。

増田は考えた。
まず、おばちゃんの絡んでいるデルタの傘下を倒す。
デルタの傘下を手あたり次第ぶっ潰せば、暗殺者や強者も向かってくるだろうと。

ただ、おばちゃんは一つ条件をだす。
それは、金輪際この煙草屋に関わらないこと。
それとおばちゃんのことを喋らないことだった。

その条件を飲むと、「いままでありがとう。」といい
デルタの傘下を倒すために歩き出した。

 

 

 

 


皆様、お久しぶりです。諭Pでございます。

最近、仕事が忙しすぎて全く更新できませんでした。

また、休みなどを見つけてブログをアップしますので何卒よろしくお願い申し上げます。