昼食を終え、5時間目のチャイムが鳴った。 


バタバタバタバタと足音が聞こえる


休み時間遊び呆けていたクラスメイトが教室に駆け込んできた。



学校のどこで、なにをしていたのかそれはわからない。

だけれど、楽しそうにしていたのは彼らの顔を見ればわかる。



「起立。」

「礼。」

と、日直の号令でようやく5時間目が始まった。




授業開始から20分後、教室を見渡すとクラスのほとんどが寝ていた。

昼食の満腹感と休み時間楽しんだ満足感が彼らを授業へ切り替えさせることはなかった。



僕は教室の後ろにいる。それも窓側の。


反対側の席にいる野球部の横山君。彼はいつも授業中寝ている。もちろん、この授業もそうだ。


しかし、なぜだろう。彼の今日の寝顔はいつもとは違った。とても健やかに気持ちよさそうに寝ていた。


それはなぜだろうか。部活がオフだからなのか。それとも、ただ寝てるだけなのか。それは彼にしかわからない。



両腕を組み、右手の人差し指と中指でシャーペンを挟みながら眠る彼の姿はおもしろい。


窓から差し込む太陽の光に打たれながら彼はまだねている。