先週番組で紹介したこの本!
生物学者の福岡伸一が内田樹、川上弘美、朝吹真理子、養老孟司と対談しながら生物学的に今の社会の仕組みや経済の仕組みを読み解いていくというめっちゃくちゃ面白い本なのです。
その中で私が一番刺さったのが養老孟司との対談で「言葉は本来現実を補完するものであったはずなのに、今の時代は言葉が力を持ちすぎている」というネット上での炎上に関して話していた部分。
Twitterなんかでも、面と向かってだと絶対そんなひどい言葉言えないよねって言葉でコメント欄が溢れてるツイートを見たりすると自分に言われてる訳ではなくても気持ち悪くなってしまうことが多くて。それに関して書いてあるあたり前のめりで読んでしまいました。
一斉にたくさんの人が言葉を使えるようになったということにおいて、今の時代は人が言葉を使い始めた時期と似ているそう。で、それに対する混乱というか勘違いがあって、何を言ってもいいし、自分の言っていることが皆に届きすぎている状況がある。しかもネットは話す言葉と違って、情報が減衰しないし消えない。
だからこそ上手にそれをコントロールする社会を作る必要があって、一人一人がネットの言葉にどう対峙するかちゃんとわきまえなくてはいけない…なんて話に納得しながら
「養老先生、ネットでめちゃくちゃ言われてる(笑)」
「ぜんぜん気にしてないですもん(笑)」
「停電になっちゃえばそれっきりですしね」
「そうそう。プラグ抜いちゃえばいいんじゃないですか」という二人のやり取りがもう最高に好きで。
わたしはすぐ気にするので割とビビりながら発信するタイプなんですが(笑)「人に言われる言葉なんて関係ない。気にしない」と自分自身が言葉の重みに負けないように距離を持つこともやはり大事だなと思うのでした。
他にも内田さんとの「もの」のほうに価値があると思い込んで、回すことそれ自体が経済活動の目的なんだという根本を忘れてしまっているという話も、朝吹さんとの子供の期間が長いということはすごく大事という話もとってもよかったな。おすすめの一冊です!
ちなみにこれ長尾ヨウさんが今これ読んでるってインスタにあげてるのを見て、気になってタイトル聞いて読み始めたんだけど、こんな本を読みながら作品作ってるのかと思うとヨウさんの作品にますます深みを感じてしまうのでした。