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前TM. Walikin’ Blues「ｱｻｰ」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson- Rhino 8122 798434 0

N 首都圏で9人、全国で9500万人の「あなた」、ｱｻｰですよ。「幻」ﾓｰﾆﾝ・ﾌﾞﾙ

　ｰｽﾞですよ、おはようございます。

　　暑い、わたしは沢山の汗をかく体質なので、昼間は少し動くと汗だらけに

　なります。出掛けると家に戻って来てから下着を替えるのは当たり前です。

　　こんな時にはこの暑さを楽しんだ方がいいですね。行きましょう、ｸﾞﾗﾝﾄﾞ・　

　ﾌｧﾝｸでﾘﾙ・ｴｳﾞｧのｶｳﾞｧです。「ﾛｺﾓｰｼｮﾝ」。

M01.The Loco-Motion(2’45”)Grand Funk

-G.Goffin, C.King- Capital 7435-80531-2-8

M02.ﾀﾞﾝｽ天国(4’39”)Ted Nugent

-A.Domino, C.Kenner- Columbia / Epic EK 37084

N ｶｳﾞｧが2曲、「ﾛｺﾓｰｼｮﾝ」そして「ﾀﾞﾝｽ天国」でした。後者はｸﾘｽ・ｹﾅｰという

　よりもｳｨﾙｽﾝ・ﾋﾟｹｯﾄの狂った仕様がお手本ですかね、ﾃｯﾄﾞ・ﾇｰｼﾞｪﾝﾄでした。

　真夏の暑さを凌ぐのには、ﾎﾞｯｻ・ﾉｰｳﾞｧなどで涼しさを呼び込むのも手ではあ

　りますが、こういう元気な歌で、一緒にどこまでも暑くなってしまう方法も

　あるでしょう。灼熱地獄の中の夏ﾌｪｽにはそんな効能もあるに違いありません。

　　さあ、珍しくﾊｰﾄﾞﾛｯｸで幕開けした七夕、ﾘﾝｺﾞ・ｽﾀｰの誕生日の次の日の「幻」、

　もう一曲、初代ﾊｰﾄﾞﾛｯｸ楽団の歌で行きましょう。非情な時間の都合でここ1

　ヶ月ほどｵｸﾗ入りになっていたﾚｯﾄﾞ・ｾﾞﾍﾟﾘﾝの「ﾕｰ・ｼｭｯｸ・ﾐｰ」です。

　　ｾﾞｯﾌﾟと言えば、ﾃﾞﾋﾞｭｰ・ｼﾝｺﾞｰのB面曲「ｺﾐｭﾆｹｲｼｮﾝ・ﾌﾞﾚｲｸﾀﾞｳﾝ」につい

　て、ﾊｷﾞﾘｬｳさんが「ｻﾞ・ｺﾞｰﾙﾃﾞﾝ・ｶｯﾌﾟｽも演ってる」とお便りをくれました。

　よくご存知ですね。わたしの記憶では、確か新宿厚生年金会館で行われた

　ﾘｻｲﾀﾙの実況録音盤に入ってたんじゃないかな。この時はﾙｲｽﾞ・ﾙｲｽ加部がｷﾞﾀ

　ｰを弾いていた筈です。この「ｺﾐｭﾆｹｲｼｮﾝ・ﾌﾞﾚｲｸﾀﾞｳﾝ」のｷﾞﾀｰ・ｿﾛでﾌﾚｯﾄを間

　違えたかなんかで、突然現代音楽的なﾒﾛﾃﾞｨが出て来たのを覚えています。

　　それはともかく真夏の熱狂。続けましょう。

　　ﾚｯﾄﾞ・ｾﾞﾍﾟﾘﾝ、「ﾕｰ・ｼｭｯｸ・ﾐｰ」。

M03.ﾕｰ・ｼｭｯｸ・ﾐｰ(6’08”) ﾚｯﾄﾞ・ﾂｪｯﾍﾟﾘﾝ

-Dixon- ﾜｰﾅｰ 32XD-520

M04.4%ﾊﾟﾝﾄﾏｲﾑ(4’33”)ｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄﾞ

-J.R.Robertson, V.Morrison- 東芝 TOCP-67394

N ｾﾞｯﾌﾟの「ﾕｰ・ｼｭｯｸ・ﾐｰ」に続けましたのは、ｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄﾞとﾍﾞﾙﾌｧｽﾄのｶｳﾎﾞｰｲ、

　ｳﾞｧｰﾝ・ﾓﾘｽﾝが唄った「4%ﾊﾟﾝﾄﾏｲﾑ」、4枚目のｱﾙﾊﾞﾑ『ｶﾌｰﾂ』からでした。こ

　れは素晴らしい出来映えですね。いつ聞いても同じ事を感じます。

　　さて、先週、先々週と不慣れなｱｺｰﾃﾞｨｵﾝという楽器の音色を皆さんにお届

　けしましたが、ﾃｸｽ・ﾒｸｽではないｸﾞﾙｰﾌﾟで蛇腹弾きが正規の担当演奏者とし

　てﾒﾑﾊﾞに入っていたのが、今のｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄﾞです。通常のﾊﾟｰｽﾈﾙでは「ｶﾞｰｽ・ﾊﾄﾞ

　ｽﾝ、ｵﾙｶﾞﾝ」となっていまして、実際に録音作品でも出番は少なかったのです

　が、わたしには「ｶﾞｰｽ・ﾊﾄﾞｽﾝ、ｱｺｰﾃﾞｨｵﾝ」なんです。

　　とか言いながら、今回わたしは、またまた大きな勘違いをしておりました。

　それが判明した事もありますので、今朝は珍しくｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄﾞをしばらくの間お

　聞き頂きましょう。

M05.ﾗｲﾌ・ｲｽﾞ・ｱ・ｶｰﾆｳﾞｧﾙ(4’00”)ｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄﾞ

-R.Danko, L.Helm- 東芝 TOCP-67394

N 同じくｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄﾞ4枚目のｱﾙﾊﾞﾑ『ｶﾌｰﾂ』の冒頭曲、「ﾗｲﾌ・ｲｽﾞ・ｱ・ｶｰﾆｳｳﾞｫ

　ｰ」でした。管楽器が素晴らしい響きを聞かせてくれます。これはﾇｰ・ｵｰﾘﾝｽﾞ

　の管吹き集団で、ｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄﾞにしばらく付き合った後、ﾚｳﾞｫﾝ・ﾍﾙﾑのR.C.ｵｰﾙ

　ｽﾀｰｽﾞの構成員たちとして来日公演もしているのではないでしょうか。何より

　もﾁｭｰﾊﾞの低音がいいですね。

　　さてｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄﾞのｱｺｰﾃﾞｨｵﾝ曲として、わたしの心の片隅にずっとあったのは、

　「傑作を描く時」でした。これが『ｶﾌｰﾂ』に入っていた事を、よくある事な

　がら失念していまして、探した時にも「あれが無いなあ」とCDで2枚目の

　『ｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄﾞ』を買って来たくらいです。

　すると、そこにも入っていなかった。落ち着いて調べたら、『ｶﾌｰﾂ』の2曲目

　がこの「傑作を描く時」ではｱｰﾘませんか。毎回の事ではありますが、また大

　いに恥入った次第です。

M06.傑作を描く時(4’20”)ｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄﾞ

-B.Dylan- 東芝 TOCP-67394

N ようやくお聞きいただけました「傑作を描く時」、ｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄﾞです。これは原

　題が「ｳｴﾝ・ｱｲ・ﾍﾟｲﾝﾄ・ﾏｲ・ﾏｽﾀﾋﾟｰｽ」で、ﾎﾞﾌﾞ・ﾃﾞｨﾗﾝの作品。歴史あるﾛｰﾏ

　を尋ねればなんとかなるだろう、と欧州に渡った北米絵描きの挫折を唄って

　います。直訳ではありますが、子供だったｲｻｦ少年はまずその題名から想像力

　を大いに掻き立てられました。そして次には「こういう歌を書けるﾎﾞﾌﾞ・ﾃﾞｨ

　ﾗﾝという人は、一体どういう人間なんだろう」と想いを馳せました。50年も

　前のお話です。

M07. ｱｯﾌﾟ・ｵﾝ・ｸﾘﾌﾟﾙ・ｸﾘｰｸ (4’35”)ｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄ

-J.R. Robertson- 東芝 TOCP-65577

N 勘違いして買ったCD『ｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄ』から、「ｱｯﾌﾟ・ｵﾝ・ｸﾘﾌﾟﾙ・ｸﾘｰｸ」でした。　

　この二枚目のLPは、発売から少し遅れて手に入れた記憶があります。そのす

　ぐ後でｵｰﾙﾅｲﾄﾆｯﾎﾟﾝの亀渕昭信、ｶﾒちゃんが担当する晩を聞いていたら、ｹﾞｽﾄ

　出演のｸﾆ河内が「今、これが気に入っているんです」と紹介していました。

　　この日は事前の打ち合わせが満足でなかったようで、本番中に選曲して行

　くのです。もう滅茶苦茶、出鱈目の極み。生の放送中、実際にﾚｺｰﾄﾞ盤へ針を

　落として「あれ、これじゃなかった」とか選ぶﾜｹ。そして出て来たのが今の

　「ｱｯﾌﾟ・ｵﾝ・ｸﾘﾌﾟﾙ・ｸﾘｰｸ」で、わたしはやたらと嬉しくなりました。

　　この二枚目のLP『ｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄ』では、この歌も印象的でした。

M08.ｼﾞｪﾐﾏ・ｻﾚﾝﾀﾞ(3’31”)ｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄ

-L.Helm, J.R. Robertson- 東芝 TOCP-67394

N 「ｼﾞｪﾐﾏ・ｻﾚﾝﾀﾞ」、これは確かB面の1曲目だった筈です。

　　そして・・・、

M09.ｳｨｽﾊﾟﾘﾝｸﾞ・ﾊﾟｲﾝｽﾞ(3’58”)ｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄ

-R.Manuel, J.R. Robertson- 東芝 TOCP-67394

M10.Lonesome Suzie(4’35”)Blood, Sweat & Tears

-R.Manuel- Colimbia 8869745532

N ｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄ「ｳｨｽﾊﾟﾘﾝｸﾞ・ﾊﾟｲﾝｽﾞ」、そしてﾃﾞｲｳﾞｨﾄﾞ・ｸﾚｲﾄﾝ・ﾄｰﾏｽが唄った「悲

　しきｽｰｼﾞｰ」、ﾌﾞﾗｯﾄﾞ、ｽｳｪｯﾄ・ｱﾝﾄﾞ・ﾃｨｱｰｽﾞでした。共にﾋﾟｱﾉとｳﾞｫｰｶﾙ担当の

　ﾘﾁｬｰﾄﾞ・ﾏﾆｭｵｰの作品ですが、これは本来同じ歌では無いかな、そんな邪推が

　わたしの心に浮かんでいるのです。同CDにﾎﾞｰﾅｽ・ﾄﾗｸとして収録されてい

　るｱｳﾄ・ﾃｲｸの方がもっと似てるかもしれません。だいたいが、ｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄﾞのｱｳ

　ﾄ・ﾃｲｸｽが公式に発表される事自体、わたしには理解出来ないんだなあ。あん

　たたち、やりたかった事は完璧に仕上げたんじゃないのかい、ｸﾘｰﾃﾞﾝｽ・ｸﾘｱ

　ﾜﾗ・ﾘｳﾞｧｲｳﾞｫｰを見なよ、と言いたくなるのです。

　　品行方正で健全で真面目なﾛｯｸ・ﾌｧﾝがよく口にする「ｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄﾞが理想だ」

　という考えにも、わたしは少なからず抵抗があります。彼らは決して全員が

　仲良しでそれぞれの関係が上手く行っていたんじゃない。そこを「品行方正

　で健全で真面目な」ﾛﾋﾞｰ・ﾛﾊﾞｰﾄｽﾝが、録音制作でｱﾗがこぼれ出ないようにし

　ていたのではないか、常々そう感じていました。最終公演の模様を撮った映

　画「ﾗｽﾄ・ｦｰﾂ」の中で「女の話はやめろ」とﾘｳﾞｫﾝ・ﾍﾙﾑの口を封じてしまう

　ﾛﾊﾞｰﾄｽﾝですから、分からなくもないですがね。「ｳｨｽﾊﾟﾘﾝｸﾞ・ﾊﾟｲﾝｽﾞ」と「悲

　しきｽｰｼﾞｰ」を聞いて、ﾛﾋﾞｰ・ﾛﾊﾞｰﾄｽﾝが「お仕事」としてこの集団を仕切っ

　ていた、という考えはますます強くなりました。

　　さて「理想的集団」ｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄﾞをｸｻすのはこの辺にしておきましょう。最後

　は出世作の「ｻﾞ・ｳｪｲﾄ」です。映画「ｲｰｼﾞｰ・ﾗｲﾀﾞｰ」でも印象的に使われて

　いましたね。

　　これも横浜のｻﾞ・ｺﾞｰﾙﾃﾞﾝ・ｶｯﾌﾟｽがﾘﾊﾟﾄｩﾜにしてました。映画「ﾜﾝ・ﾓｰ・

　ﾀｲﾑ」でも演ってました。「あれは英語ではない」と某英国人から言われた出

　鱈目な言語で。ﾃﾞｲｳﾞ平尾は放浪の旅で渡米した際にｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄﾞの実演を体験

　して、大いに感銘を受けたそうです。横浜に帰ってからその想いを仲間たち

　に熱く語り、「俺たちもｻﾞ・ﾊﾞﾝﾄﾞみたいになろう」としたらしいです。これ

　は無理な話ですね。

M11.The Weight(4’38”)The Band

-J.R.Robertson- 東芝 TOCP-67394

M12.St.Thomas(7’19”)ﾃﾘ・ﾘﾝ・ｷｬﾘﾝﾄﾝ

-S.Rollims- BSMF 7698 ﾜｳ・ｱﾙﾄ

N　北米ﾄｯﾌﾟ女流太鼓叩きのﾃﾘ・ﾘﾝ・ｷｬﾘﾝﾄﾝ、1981年16歳の時の自主制作盤か

　ら「ｾｲﾝﾄ・ﾄｰﾏｽ」でした。ｻｸｽﾌｫﾝはｼﾞｮｰｼﾞ・ｺｰﾙﾏﾝ、ﾋﾟｱﾉがｹﾆｰ・ﾊﾞﾛﾝ、ﾍﾞｲｽ

　はﾊﾞｽﾀ・ｳｲﾘｱﾑｽﾞ、いずれもｵﾄﾅの演奏家たちです。制作もお父さんのｿﾆｰ・ｷｬ

　ﾘﾝﾄﾝが担当していまして、ﾃﾘ・ﾘﾝは言われる通りに叩いているだけ、と聞こ

　えなくもないのですが、ｾｯﾄ・ﾄﾞﾗﾑ各部の音色調整が、まさに絶妙ですね。今　

　の「ｾｲﾝﾄ・ﾄｰﾏｽ」でも、後半部のﾄﾞﾗﾑ・ｿﾛでそれが顕著に判りました。特に

　ｽﾈｱのﾁｭｰﾆﾝｸﾞが文句なし。わたしはこういう音が好きです。ﾃﾘ・ﾘﾝ・ｷｬﾘﾝﾄﾝ、

　1981年16歳の時の自主制作盤から、「ｾｲﾝﾄ・ﾄｰﾏｽ」でした。

M13.Anna(4’12”)Earnest Ranglin

-K.Cissokho- Mango / Island Palm CD20001

N お聞き頂きましたのはｼﾞｬﾒｶのｷﾞﾀﾘｽﾄ、ｱｰﾈｽﾄ・ﾗﾝｸﾞﾘﾝが1998年にﾏﾝｺﾞｰか

　ら発表したｿﾛ・ｱﾙﾊﾞﾑ『ｲﾝ・ｻｰﾁ・ｵﾌﾞ・ｻﾞ・ﾛｽﾄ・ﾘﾃﾞｨﾑ』から「ｱｰﾅ」でした。

　この時は同時にﾃﾞｨｰﾝ・ﾌﾚｲｻﾞｰのｿﾛ作品も発表されまして、そちらがいつもの

　C調ｻｸｽﾌｫﾝ・ｲﾝｽﾄｩﾙﾒﾝﾀﾙ・ｱﾙﾊﾞﾑだったのに較べると、非常にｱﾌﾘｶ的な雰囲気

　が全体を支配していたのが印象に残っています。今のも中心になっていたの

　は「ｺﾗ」と呼ばれる西ｱﾌﾘｶの楽器の音色でしたでしょうか。

M14.Unknown Melody(3’59”)Dean Fraser ＆ Earnie Ranglin

-D.Ftaser, D.Haslam, E.Ranglin- Tad’s Records TRCD1393

N こちらはC調ﾃﾞｨｰﾝ・ﾌﾚｲｻﾞｰとｱｰﾈｽﾄ・ﾗﾝｸﾞﾘﾝの最新作『ﾄｩｰ・ｶﾗｰｽﾞ』から　

　「ｱﾝﾉｳﾝ・ﾒﾛﾃﾞｨ」でした。このｱﾙﾊﾞﾑは手に入れた直後に、あるところに置き

　忘れて手許になかったんです。この度とり返して来ましたので1曲お送りし

　た次第です。

　　さて、またｱｺｰﾃﾞｨｵﾝのお話に戻りますが、先週うっかり忘れていたｱｰﾄ・ｳﾞ

　ｧﾝ・ﾀﾞﾑをお届けしました。今週はそれよりも少し前、1950年代前半のｱｰﾄを

　聞いてみましょう。この人はｼｶｰｺﾞの生まれで、これからの吹き込みもご当地

　のｺﾛﾑﾋﾞｱ・ｽﾃｭｰﾃﾞｨｵで行われています。

　　まずはﾚｷﾞｭﾗｰ・ｸｲﾝﾃｯﾄの演奏です。

　　いずれもｽﾀﾝﾀﾞｰﾄﾞ曲として有名な「ｼﾞｬｽﾄ・ﾕｰ、ｼﾞｬｽﾄ・ﾐｰ」、

　　そして、「ﾊｳ・ｱﾊﾞｳﾄ・ﾕｰ」。

M15.Just You, Just Me(2’22”)Art Van Damme Quintet

-R.W.Klages.J.Greer- Collectables COL-CD-6633

M16.How About You (2’36”)Art Van Damme Quintet

-R.Fleed, B. Lane- Collectables COL-CD-6633

N 「ｼﾞｬｽﾄ・ﾕｰ、ｼﾞｬｽﾄ・ﾐｰ」、「ﾊｳ・ｱﾊﾞｳﾄ・ﾕｰ」。ｳﾞｧｲｳﾞﾗﾌｫﾝ、ｴﾚｷ・ｷﾞﾀｰ、そ

　してｱｺｰﾃﾞｨｵﾝというｱﾝｻﾑﾎﾞｰがなんとも洒落ていましたね。

　　今回わたしが手に入れたｱｰﾄ・ｳﾞｧﾝ・ﾀﾞﾑ・ｸｲﾝﾃｯﾄのCDは、先週のも含め

　て輸入盤です。ひょっとして、昔聞いた事のある履き込んだｽﾞｯｸ靴のｼﾞｬｹｯﾄ

　のかなあ、なんて淡い期待もあったのですが、それは叶いませんでした。

　　両方とも2枚のLPを1枚のCDにしてありまして、今朝使っている「ｼﾞｬ

　ｽﾄ・ﾕｰ、ｼﾞｬｽﾄ・ﾐｰ」、「ﾊｳ・ｱﾊﾞｳﾄ・ﾕｰ」の入った盤は1枚がｷﾞﾀﾘｽﾄのｼﾞｮﾆｰ・

　ｽﾐｽとの共同名義で『ｱ・ﾊﾟｰﾌｪｸﾄ・ﾏｯﾁ』という、赤い水着の女性が、ﾂｲｽﾄか　

　なあ、とにかく踊っている一瞬を捉えたようなｼﾞｬｹｯﾄ写真の1枚です。では

　そちらからも1曲どうぞ。

　　「ｲﾝ・ｻﾞ・ｳｨｰ・ｽﾓｰﾙ・ｱﾜｰｽﾞ・ｵｳﾞ・ｻﾞ・ﾓｰﾆﾝｸﾞ」。

M17.In The Wee Small Hours Of The Morning(3’14”)

-B.Hillard, D.A.Mann- Art Van Damme wt. Johnny Smith(gtr.)

Collectables COL-CD-6633

M18.This Bell Was Made For Ringing (3’39”)ﾃﾞﾆｽ・ﾗｻｰﾙ

後TM Born Ind Chicago 「ｱｻｰ」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites- Rhino 8122 798434 0

N 最後は「ﾃﾞｨｽ・ﾍﾞﾙ・ｦｽﾞ・ﾒｲﾄﾞ・ﾌｫｰ・ﾘﾝｷﾞﾝｸﾞ」、ｱﾆﾀ・ﾜｰﾄﾞがT.K.で放っ

　たﾋｯﾄ曲「ﾘﾝｸﾞ・ﾏｲ・ﾍﾞﾙ」に便乗した同じﾌﾚﾃﾞﾘｯｸ・ﾅｲﾄの作品です。よくや

　りますね、本人自身が。唄っていたのは大姉御ﾃﾞﾆｽ・ﾗｻｰﾙでした。実はｱｺｰﾃﾞ

　ｨｵﾝにちなんで彼女の「ﾏｲ・ﾄｩｰ・ﾄｩｰ」の入っている盤を探して見つけたﾍﾞｽﾄ

　盤を通して聞いていたら、彼女の存在感、説得力が圧倒的で、やられました。

　この便乗歌謡曲でもそれは変わりません。そこで今朝はこのC調曲をまずお

　聞き頂いた次第です。圧倒的な彼女の存在感、説得力を感じて下さい。肝心

　の「ﾏｲ・ﾄｩｰ・ﾄｩｰ」は来週お届けいたしますのでね。

　　さて来週7月15日には、33 1/3 ｱﾅﾛｸﾞ天国で「『ニッポン人のブルース受容史』発売記念スペシャルトークすべては下北沢から！」の進行を務めます。

　もう１週間しかありません。時が過ぎるのは早いなあ。現状では首都圏で9人という聴取者数が証明されてしまいそうです。全国で9500万人のあなたのご参加をお待ちしております。どうぞお越し下さい、お待ちしております。

　　今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

　　　https://43.gigafile.nu/0712-d03272c0eb16ca5ba3c091f9b80e0f1dc

　　　ﾀﾞｳﾝﾛｰﾄﾞ・ﾊﾟｽﾜｰﾄﾞは、いつものようにありません。

　　　使用音楽素材図絵は、こちら。

　　　https://43.gigafile.nu/0712-def83471768cb0913ae5f607bf07d703e

　　　ﾀﾞｳﾝﾛｰﾄﾞ・ﾊﾟｽﾜｰﾄﾞは、同じく「なし」ですが、落とせる期間が7日間か

　　　ら５日間になっています。水曜日までですよ、ご注意下さい。

　　ちょうど時間となりました。

　　こちらは、https://ameblo.jp/djsawada よろしくお願い致します。

　　どんなｺﾒﾝﾄでも受け付けています。どうぞご自由にご投稿下さい。

　　ﾂｲﾀｰのhttps://twitter.com/hashtag/blues761?f=live も便利です。お好き

　　な方でどうぞ。

　　「幻」ﾓｰﾆﾝ・ﾌﾞﾙｰｽﾞ、鷲巣功でした。来年も首都圏で9人のあなただけに。

　　　そして全国で9500万人のあなたにも、ｱｻｰ。東京はもうとっくにｱｻｰです。

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【幻】モーニン・ブルーズ 2023/07/08