このままだとまた嘘つきになってしまうので(笑)B級ヘヴィメタル列伝、第1回始めます!
TANKは、1980年にダムドに在籍していアルジー・ワード(ヴォーカル、ベース)を中心に
ピート・ブラブス(ベースギター)、マーク・ブラブス(ドラムス)のブラブス兄弟により結成された。
モーターヘッドのエディ・"ファスト"・クラークがデビューシングル「Don't Walk Away」を
プロデュースしたこともあり、当時から「モーターヘッドの弟分」として有名だった。
つまりはイギリスらしい哀愁と埃っぽいゴリゴリしたサウンドに
男臭いボーカルがのるというスタイル。
MOTORHEADの「OverKill」や「Ace Of Spade」「Iron Fist」あたりが好きだった方にはオススメだ。
俺は正直モーターヘッド以上にお気に入りであった!
ちなみにモーターヘッドには「妹分」で「GIRLSCHOOL」なんてバンドもあって
全員女性なのにぶっきら棒で男臭いサウンドだったの覚えているぞ(笑)
長い序文で書いたとおり貧乏をこじらせていた大学生の俺はTVも無い生活で
音が出るのは目覚まし時計とラジカセだけという生活だったが
このTANKとの出会いもラジオだった。
流れてきたのがこの曲・・・「Shellshock」だった。
どっかの原住民の「戦いの儀式」のような叫びとドラム・・・そして始まるファストナンバー。
後でわかったのだが、これがデビューアルバム「Filth Hounds Of Hdes」(1982年) の
しょっぱなをガツンと決めてくれた強力なチューンでもあったのだ!
ゴリゴリバリバリ全てをなぎ倒して進んでいくような勢い
モーターヘッドのレミーほどダミ声ではなく、それでいて荒々しくも哀愁を感じるアルジーの声。
俺は一発でTANKという「らしい」名前と共に気に入ったのだ。
その番組はデビューアルバムの紹介を兼ねていたのだろう
他にもヘッドバンギング必須の「Turn Your Head Around」
曲名が非常に彼ららしい(笑)「Blood, Guts And Beer」
アルバムタイトル曲の「Filth Hounds Of Hades」
なんかが紹介されていて、こりゃもうアルバムで聴きたい!と思わせてくれたのだった。
まあ、実際はアルバム単位ではCDになってからやっと手に入れたのだが
CD化がなかなかされずこの1stだけでも・・・と当時も今と同じように探しまくったものだった。
2nd「Power Of The Hunter」(1982年) は1stからあまり間をおかず発表されたが
オズモンズのカバーが入っていたりでラジオで聴いた時もスピードとパワーある曲がなく
音楽性が広がった分勢いがなくなったってな評も聞いてスルーしていたが
これも1stと一緒に輸入中古屋で見つけた時はやはり嬉しくて速攻で買ったのだった(笑)
↓の写真の左上が1st、真中下が2ndであります。どちらもドイツ盤で歌詞カード無し(笑)

サード・アルバム『This Means War』(1983年)発表前にはレーベルが倒産するなどあったが
元WHITESPIRITのギタリスト、ミック・タッカーが加わって4人編成となりパワーアップする。
このアルバムは弟がレコードを持っていたのでダビングしておいたのを覚えている。
This Means War
ちょっとサウンドも分厚くなったが、それ以上に曲がドラマティックな展開をしだすのだ。
その後ブラブス兄弟が脱退してどーなることかと思われたがアルジーは新メンバーを補充、
そして名作『Honour And Blood』(1984年)を発表する(写真右上)
モーターヘッド的ハードロックン・ロール色にパンクのエッセンスを振りかけた
初期のハード・コアなサウンドよりもこの4thは3rdに続きヘヴィ・メタル色が濃厚になっている。
アルバムタイトル曲「Honour and Blood」も強力だが
このアルバムの素晴らしさは冒頭を飾る超名曲「The War Drags Ever On」に尽きる。
アルバム1曲目にして8分の大作!でも構成は単純(笑)!
なんていうか・・・映画で言えばサム・ペキンパーのバイオレンス描写に近い
怒濤の暴力が、返って哀愁を誘う・・・そんな「男の闘い」のイメージの1曲なんですわ。
最初こそシンセっぽい音が入ってるがピアノやギターアルペジオなど泣きの音を一切使わずに
速いリズム、単純かつカッコイイギターリフですべてがドドドドドっと突き進んでいく
ただそれだけで決してメロディアスでもないのに、アルジーのドスの効いた声による歌メロが
闘うことの厳しさ、そして哀しさを知った「漢」の声として胸に刺さってくるのだ!!
ヘッドバンギングしながらも自然と涙がこぼれてしまうような、
そんなイメージ(決して首が痛くて・・・ではない(笑))
これぞTANK!さすがTANK!男の中の男!ってな名曲なのだ!
METALICAなどのスラッシュメタルが隆盛を極める直前に発表されたこういう音こそが
俺にとっての「ヘヴィメタル」って感じがするんだよね・・・。
しかしTANKはこのアルバムで燃え尽きたのか、セルフタイトルの5th『Tank』(1987年)を
発表するもパッとせず、前述のMETALICAやMEGADEATHなどのスラッシュ勢が勢い増すのに
マネジメントトラブル等もあったようで結局バンドは一旦解散に追い込まれてしまう。
記憶は定かではないが、アルジーはその後一時期モーターヘッドのメンバーにも
なっていたんじゃなかったかな?
とにかくヘヴィメタル受難の90年代、TANKもまた一度「存在しないもの」になっていた。
元々有名でもなかったから話題にもならなかったのだが・・・
俺は上の3枚のアルバムを時々聞いては首の運動をしていたのであった(笑)
だが不屈の男アルジーはビールの飲み過ぎか随分丸くなった体型となりながらも
1998年にTANKを再結成させ、1999年8月にはなんと初来日まで果たしていたのだった(笑)
そして2002年には15年ぶりのオリジナル・アルバム『Still At War』を発表していたのだ!
正直全然知らなかった!(笑)
今回記事を描くために検索したら・・・
2008年12月22日、公式マイスペースにてアルジーの離脱と、
元レインボー、イングヴェイ・マルムスティーンズ・ライジング・フォースの
ドゥギー・ホワイト(ヴォーカル)、元ブルース・ディッキンソンバンドのクリス・ダール(ベース)が
加わり5人編成となることが発表された
・・・という記事まで見つけてしまった。
なんだよ、それ・・・。
アルジーのいないTANKなんてありえんだろー!!!(怒涙)
おまけライヴ
(He Fell In Love With a) Stormtrooper (Live)
This Means War Live 1999・・・誰だ君は(笑)
追記
おおお、あった、あったぞ!ライブもあった
前述の名曲The War Drags Ever On!さあ首を振れ!(笑)