夜叉の形相の断罪「人魚伝説」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

恨み被災以来半年過ぎて、当時の「政府迷走」のさまがはっきりしてきたが、そこ
にもっとも懸念すべき「将来への不安」払拭がなおざりにされて、単に思惑絡
みの「原発反対デモ」とかを見ていると、いささか「今それかよ」と暗澹たる
気分になって来る。
そして「守るべきもの」を勘違いした人々によって「意識」はどこか「よその
国」の出来事かとも錯覚する。

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【ワシントン=佐々木類】東日本大震災で米政府が、放射能漏れ事故を起こし
た東京電力福島第1原子力発電所から半径50マイル(約80キロ)にいる米
国民に退避勧告を出す際、日本政府が日米同盟への悪影響を理由に勧告を出さ
ないよう要請していたことが分かった。複数の日米関係筋が明らかにした。
退避勧告をめぐる日米交渉の具体的な舞台裏が判明したのは初めて。
米軍による“トモダチ作戦”が遂行される一方、日米双方がぎりぎりのやりと
りを行っていたことが浮き彫りになった。

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日米関係筋によると、米政府は原発が水素爆発や火災を起こしていた3月16
日、米国民の保護が急務との判断から、在ワシントン日本大使館の藤崎一郎大
使を国務省に呼び、キャンベル国務次官補が福島第1原発から半径50マイル
にいる米国民に退避勧告を出す方針を伝えた。
この際、日本側は、「放射能汚染に関する確たる情報がなく、米政府の事前通
告を聞き入れるしかなかった」(関係筋)という。
だが、別の関係者によると、藤崎大使の打電内容を伝え聞いた首相官邸側が在
京米大使館側に接触、「米政府が退避勧告を出せば米国への不信感が増大して
同盟関係に悪影響が出る」などとして、退避勧告の見送りを要請したという。
これに対し、米側は「政治的影響を議論している悠長な場合ではない。自国民
保護は最重要だ。日本国民の理解を得られると確信している」と伝えたという。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/111002/amr11100200590000-n1.htm

長野県松本市の認定NPO法人「日本チェルノブイリ連帯基金」と信州大病院
が福島県内の子供130人を対象に実施した健康調査で、甲状腺ホルモンが基
準値を下回るなど10人の甲状腺機能に変化がみられたことが4日、同NPO
への取材で分かった。
同NPOによると、福島第1原発事故との関連ははっきりしない。
健康調査は7月末から8月末にかけて実施。原発事故で福島県から避難し、長
野県茅野市に短期滞在していた当時0歳から16歳の子供が医師の問診と、血
液、尿の検査を受けた。
甲状腺は成長に関する甲状腺ホルモンなどを分泌。子供は大人よりも放射性ヨ
ウ素が集まりやすく、蓄積すると甲状腺機能低下症や甲状腺がんになる可能性
が高まる。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/111004/bdy11100410220005-n1.htm
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隠避体質をモロ押し出して「直ちに健康云々」の戯言は、被災者・被爆者を
「コケ」にした言い分で、「自己保身」の「国民の生活が第一」のそれの「絵
空事」を如実に物語って・・・。
被爆被害の「警鐘」を爆発直後から出していた「松本市長」の行動の方が、より
「国民の安寧」に気を配る姿勢などだから、日本の「政権交代」は選択を誤った。
と、骨身に染み渡らせないと・・・。

http://www.youtube.com/watch?v=cJu-rU4-Xyk&feature=related

「チャルノブイリの傷 奇跡のメス」 プロジェクトX

こうやって取上げられた人物、もっとも震災直後の警鐘記者会見の動画を
見てからこれを知ったのだが、やはり日本は「御用学者」が幅を利かす
「ムラ社会」を形成してしまうのか・・・。

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で、原発関連で「社会的批判」を、壮絶な女性の生き様に重ね合わせて「夜叉
と人魚」の対比を上手く引き出して観客に強烈な印象を残したのが、「人魚伝
説」という映画である。

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「人魚伝説」 八十四年公開作



自然豊かな田舎の海辺の村に住む夫婦の「平凡だが満ち足りた生活」が、偶然
目撃してしまった「殺人」から狂い始め、やがて理不尽な夫殺しの「濡れ衣」
から「この怨み、晴らさでおくべきか」と相成って、それまでの人魚見たいな
海女の容姿が「夜叉」のそれへと変貌して・・・。
その根底に流れる「反原発」の意識と、強引な手法でも何でもの「利権」の醜
い行動様式の対比、そこに豊かな自然の海辺と、人魚が戯れるかの「水中撮影」
の見事さが絡み合って、物語をどんどん盛り上げていって、「夜叉」のそれへと
変貌した妻は、我慢に我慢を重ねた「任侠の健さん」を髣髴とさせる「バッタバ
ッタ」の大立ち回りで、大量殺戮を敢行してしまう。
ただその後の「慟哭」に、社会的批判をひそめて女性に告げさせる演出は、単な
る「活劇」に名を借りた立派な「政治的反原発」のメッセージとなって、人魚と
夜叉の対比が、原発事故の悲惨さも重ね合わせて・・・。
主演は白都真理で、人魚のような、また夜叉のような形相と力いっぱいの演技で
ありまた肢体の妖艶さも、月明かりに美しく映えていた。

この映画の公開の二年後に、チェルノブイリ原発事故が起き、また今年には福島
でもと、豊かな自然を壊してそして一度事故が起きれば、一生住めない土地を作
ってしまうと、任侠を絡めた「権力対庶民」の対立が、より以上に被害を受ける
庶民の悲惨さを際立たせて、今見ても「かなり面白い」作品である。
もっとも小船爆破の特撮の「ちっちいさ」はご愛嬌・・・。


人魚伝説 [DVD]/白都真理,江藤潤,清水健太郎

¥4,935
Amazon.co.jp      このエントリー、実は全く内容の異なったものとし
             て昨夜書き溜めたのだが、ちょっとしたパソコンの
             操作ミスにより、保存せぬままだったので「なくな
             った」何しろ下書きはせずにタイプしているから、
             ミスすれば「そのエントリー」おしゃかがたびたび
             「下書きすればいいものを」とも思うのだが、パソ
             コンに向かい、浮かぶ言葉は「その場」だけだから
             これからもまた「失敗」を繰り返す・・・。
             やはり「馬鹿は何とか」なのだろう・・・。
             といったところで、またのお越しを・・・。