他人の生血に寄生するしかない「吸血鬼」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

「貧困ビジネス」を大手を振って繰り返していた人物が、逮捕されてその行状が報道さ

れれば、人間ビシネスの下劣さに唖然とするが、それを主導するのが、これまた「犯罪

大好き」で「楽して儲けること」に長けた人となれば、ああ納得と「軽蔑」してしまう。

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入居後「火災保険払え」 「家のはしら」超高利貸し付けも

8月26日15時11分配信産経新聞

大阪市天王寺区の不動産会社「家のはしら」による生活保護費の詐取事件で、逮捕さ

れた社長の金太烈(きんたいれつ)容疑者(57)=神戸市灘区=が、自社管理マンシ

ョンに入居させた生活保護の受給者に、当初契約にない「火災保険料」などの初期費

用を請求していたことが26日、関係者の証言で分かった。
支払いで手元資金がなくなった受給者に、金容疑者が超高利で金を貸し付け、転居し

にくくさせていたことも判明、囲い込みの手口の一つだったとみられる。大阪府警は金

容疑者ら2人を送検、同社の経営実態を詳しく調べている。
同社関係者らによると、金容疑者は管理マンションに受給者を入居させる際、保護費

から支給される敷金・礼金や日割り家賃とは別に、火災保険料名目で約2万円を請求

することがあった。実際に保険に加入していたかどうかは不明で、複数の入居者は「証

書を受け取っていない」と証言した。
管理マンションに住んでいた受給者の60代男性は、火災保険料の徴収で手元の生活

資金がなくなった際、金容疑者から持ちかけられ、5万円を借りたという。
5千円借りるごとに1500円が「交通費」名目で天引きされる仕組みで、男性は「何の交

通費か意味が分からない。天引き分は実質的な利息だ」と話した。
別の30代男性も、保険料などの名目で要求される初期費用の支払いで「一気に金がな

くなった」といい、当座の2万円を借りた。毎月の保護費から返済を迫られるため、また借

金をする自転車操業の状態になり、「日常的に前借りをして身動きが取れなかった」と話した。

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どこか「人道」的旨みを知る人は、「税金給付」に対する畏敬の念はなしで、単なる「金儲け」
に血道を上げる。
そして「恫喝」とかの強制も飛び出してくると、巷間言われる「強制されて」とか「差別」とかり
被害者面の裏は、あくどい商売の「面汚し」あるいは、アウトローの矜持のなさをまざまざと
見せ付けてくれる。
で、大概の人が上の記事を読めば、「吸血鬼」だなぁと、感想を持つのではないか・・・。
自分は何の努力をせず、夜な夜な彷徨して犠牲者を選び出して、「生血」を吸い、後は寝て
いるだけの存在、いてもいなくても、いや村人に「忌み嫌われる」だけの存在としての「貴族」
の成れの果てと見ることの出来る「吸血鬼」、恐怖の裏をみれば「ただのひきこもりの堕落し
た人間」を危害を加えるから「怖がる」スパイラルが存在していたとも・・・。
そんな「吸血鬼」を怖いものとしてではなく、生活の中の不必要なものとしてパロディ化して
見せたのが、ポランスキーの「吸血鬼」である。


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「吸血鬼」 六十七年公開作

出だしは例の如く、吸血鬼退治を目指す博士と助手のトランシルバニアへの研究旅行で
出会う「吸血鬼」伝説の臭いが漂う村での逗留、そしてそこでの珍騒動・・・。
その村り宿に逗留してみれば、そこには異常に風呂好きな娘がいて、それに助手は一
目ぼれしてしまい、ドアの鍵穴からのぞき、興奮しているところに、現れましたマントを
翻して「吸血鬼」が、その娘サラをさらって堕落の象徴の城へと引き上げて行く。
後を追う博士と助手は、仕事せずに「寝てすごす」吸血鬼が起き出して集う舞踏会に
紛れ込んで、しかして鏡に映らないはずの亡霊たちと違い生身の人間は唯物論で映って
しまって・・・。


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と、まぁ、怖さを追求するでない映画は、ブラックパロディに徹して、見るものをにやにや
させて、そして何よりが「てめえの女」をヒロインに沿えて、一目ぼれの助手を自分が演
じるという「自己満足映画」を、みせてしまう。
その時のヒロインがシャロン・テイトで、演技のまずさを肢体でごまかし、それなりの存在
を見せ付けている。


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そんでもって「吸血鬼」退治のアイテムが十字架つきの杭に、かなづち・・・。
それを心臓に打ち込めば、「仕事もしない」って、生きて死んでいるのだから、生血を
啜っていれば、それなりに生存出来る・・・。いやいや死んでいる生き物・・・。
まぁ、吸血鬼の物語の本質を追っていけば、あれっ生きていないのだから「食べ物」は
要らない筈ではという疑問も、起きてくるが、そこらは「書いた人」の皮肉で、働きもしな
いで、のうのう生きている「貴族」の疎ましさが、批判精神に掛かれば「ただの吸血鬼」
のように「昼は明るすぎる」暗さこそ「恥ずかしくない」状態で、同じ境遇のもの達での
「遊興三昧」が唯一の楽しみ・・・。
貶していけば、吸血鬼伝説も単なる「貴族階級」への批判であったになって来る。
まぁ、映画はエンターテイメントであり、見るものが判断するだし・・・。
だからこそ、監督の「自己満足映画」ね存在してしまう、そこらは「儲かれば、それで良し」
の興行の鉄則が、上の記事の「ピンハネ」と相通じるものがありそうで・・・。
古典的「恐怖映画」の根底と、現代の犯罪が似通っていて、なんとも・・・。


ロマン・ポランスキーの吸血鬼 [DVD]/ロマン・ポランスキー,ジャック・マクガウラン,シャロン・テイト
¥1,500
Amazon.co.jp                 といったところで、またのお越しを・・・。