親の責任と怪獣に見る親子愛 | 流浪の民の囁き

流浪の民の囁き

映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

野党の時の批判だけしていれば受けは良かったものが、いざ自分が批判される立場に

たてば、勝手が分からず図らずも「批判する能力」しかなかったが露見した厚生労働大臣

に任命された人物が、論功行賞にしゃか力になって推し進める「母子加算復活」、道は険

しく復活が長引いているが、それでもむりくりな姿勢は一部の人々にはいいが、その担保

として廃止の憂き目を見る「働く意欲」のある者から取り上げ、その支給の使い道が、とっ

ても怪しげな社会事業へと振り向けられるとは・・・。

遊興費として消えてしまう「加算金」はいったいいくらなのだろう・・・。


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就労促進費廃止へ=生活保護の母子加算復活で-長妻厚労相

長妻昭厚生労働相は13日の閣議後記者会見で、今年3月末で全廃された生活保

護の母子加算を年内にも復活させるのに伴い、代替措置として設けられた「就労促

進費」を廃止する考えを示した。
就労促進費は、自立に向けた就労支援のため、月収3万円以上の世帯なら月1万円、
月収3万円未満や職業訓練中の場合なら5000円を支給するもので、
厚労相は「なくしてもいいのではないか」と述べた。(2009/10/13-13:32)

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009101300407

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就労促進費など「無駄」であり、それくらいなら「働かないけど投票活動」はできる

絶対的支援をしてもらえる人を優遇しなくてどうする・・・。とでもやり込められたか

捻出に懸命な「バラマキ」だが、一方でそういった家庭の問題も浮かび上がって

来ている。育児放棄やら傷害やら生活保護世帯の惨状をつぶさに調査した上で

ないと、この相互扶助の精神に悖る家庭に援助は不要ではないのか・・・。

そんなところと福祉育成所で育つ子供の将来を考えれば、いらない親も多少いるの

ではないだろうか・・・。

愛情を向ける存在としての「我が子」でになかったら、引き離して援助は子供だけに

した方がよっぽど「相互扶助精神」は重んじられるものだ。

で、親子という絆に「怪獣」を絡めると、壮絶な破壊者が「親子愛」の結果的出来事

とされる怪獣を好む子供たちに対する「教育」も兼ねていて・・・。

もっともそれには無理もありありだが・・・。



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http://www.youtube.com/watch?v=jf9lQ7OvRYY

「怪獣 ゴルゴ」 六十一年公開作


「原子怪獣現る」でモンスターを生み出した脚本家が、そのアイデアを

日本の特殊技術撮影によって、より凶暴なモンスター像を打ち立てられ

しまって、相当なショックののち、打ち出したのが「親子愛」というものも

存在する「凶暴性」として、人間のパニックと対比させてみたのが、この

映画であり、さすがに「ゴジラ」のロジックに似せて怪獣名も・・・。

子供怪獣が人間によって発見され、見世物小屋の見世物としてロンドン

で大好評を博する。

ここらは見世物のモンスター、キングコングと重なり、そしてそこに親子

であったら・・・。

このアイデアは子供の意見を受け入れたから、子供の視線からすれば

「凶暴な悪者」という捉え方をしなければ、ヒーロー的憧れも存在する。

で、子供をさらわれた親として「ゴルゴ」が大暴れ・・・。

その造形には「今一感」がありありなのだが、この映画、東宝の特撮も

ちっかり利用させて貰ってと、怪獣のアイデアはハリーハウゼンと言下に

そっと告げたいかの・・・。



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この造形では、やはり今一な出来で、怖さより微笑み笑いが

それでも「ゴジラ」の完全無敵な強さは、あちらにしては引継ぎ

人間の火器はまったく効かない豪快にロンドンを瓦礫の山と

して行く・・・。その刹那の建物と人間の特殊撮影も旨く表現して

いて特撮の醍醐味も・・・。




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http://www.youtube.com/watch?v=bwPMxw_JLZk

「大怪獣ガッパ」 六十七年公開作


で、「ゴルゴ」のアイデアをより日本的な「家族」に集中させたのが

日活の映画。ストーリーを真似たかの記述が多いが、これよりは

「ラドン」の続編がなく、そちらの造形を真似た「ガッパ」という伝説

の妖怪を具現化し、そこにラドンの「空を飛ぶ怪獣」と、家族の絆

をより親しみのある「子供」わ登場させて・・・。

と見るほうが、ようするにいいとこ取りを試みたが、さすがに主題

歌はあれだし、無国籍映画が得意でも、さすがに「陳腐なお子様

映画」となってしまって、ガメラの方向性と似通ってしまった。



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この造形だから、鳥とカッパの合成はいくら巨大でも今一

怖さは伝わってこない。

そこに子供がとなれば、隠れ教育の一端が顕著すぎて

苦笑してしまう・・・。

ファミリードラマの延長にある「怪獣映画」だが、そのアイ

デアは今となっては貴重かも・・・。




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http://www.youtube.com/watch?v=i5jfCb6-2RA

「空の大怪獣 ラドン」 五十六年公開作

で、こちらが続編もなく「助っ人」出演ばかりを繰り返す怪獣

の唯一の主役ものだが、この映画通常の怪獣映画と違って

脚本と撮影が良く練られた秀逸なものとなっている。

出だしから「ミステリー・タッチ」で食物連鎖も想起させる

人間を襲う巨大昆虫、その昆虫を捕食する「怪獣」と

徐々にその巨大な姿を、見せない恐怖として描き、リアリティ

を添えてしまう。

その上、特撮での技術アイデアが随所に光り、特に西海橋

をくぐる場面とか、「ラドン」視線のカメラワークとか、今では

それほどでもないが年代的に「特撮の技」の凄さがある出来

もっとも「帰巣本能」とか、火山の爆発とか、結果的に自然の

猛威によってしか「始末出来ない不甲斐無さ」とつがいの怪獣

という家庭を初登場させたりは、以後のアイデアに制約を加える

結果となり、「正義の味方」的、人間界の忌まわしい被害に壊し

ても正義と、価値観の絶対性をファミリーにより壊されていくという

副作用が、折角の「怪獣」の畏怖が損なわれていってしまった。


と、無理やり生活保護「母子加算」と怪獣のものとをくっつけて

みたけど、「親の背中を見て子は育つ」を具現化すれば、おいそ

れと弱音は余計なものでは・・・。

でないと、再生産の悪循環が、そこに待っている・・・。


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Amazon.co.jp                   といったところで、またのお越しを・・・。