欺瞞への反骨「長距離ランナーの孤独」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

「パビヨン」の主人公は、自分でなく他者によって悲惨な独房暮らしを強いられ

それに何とか耐え抜いた後、自由への飛翔を遂げているが、その逆に立ち止

まることで、他者へのアンチテーゼを敢行したしたのが、この映画「長距離ラ

ンナーの孤独」に描かれる、ただ走るだけそれも他者の名誉のお膳立てに

役立つ・・・、その欺瞞に到達したトップを明け渡してでも、得られる自己満足

笑みをこぼし抜かれていく主人公の反骨精神には孤独が似合う・・・。





http://www.youtube.com/watch?v=i5RE1D_Jdks&feature=related

「長距離ランナーの記憶」  六十二年公開作


この映画、てっきり何処かで書いたものだと思っていたら、書きそびれていた。

いや「炎のランナー」を書いているから記憶違いだったのかも・・・。

で、「パピヨン」の独居房での獄中の悲惨すぎる孤独に耐えたパピヨンが変わり果て

た姿を見せる時、孤独とはをつくづく強烈に描いていたが、その孤独に対して集団で

いようが、それを常に感じている、あるいはそれに取り付かれ、それから離れられない

個について、いや世相における個の孤独と「寄らば大樹の陰」のその他大勢に疑問を

持つ人の反骨精神にスポットを当てると・・・。

まぁ、ぶっちゃけよーつべの「お気に入り」に入れているアイアン・メイデンの曲を聞き

ながら、この題名の映画あったなぁ、と、思い出した次第です。


http://www.youtube.com/watch?v=ukVNqJztsDo

「長距離ランナーの孤独」 アイアン・メイデン


鋼鉄に武装する軟弱な精神は、攻撃的になればなるほど、そのうちに秘めた弱さの

発露を表しているようで、鋼鉄の心を持ちたい優しい性根が、ヘビィーメタル・サウンド

の裏に隠された哀しさを漂わせる。

と、この曲を聞きながら思うわけです。

ロックが変貌していって、外見はいかにも一般人から隔離されたような格好だが、一般

人より哲学的で、内面の脆さを詩にしたためると、攻撃的音調と裏腹ななんとも性根の

座った優しさが垣間見れる。

この曲も出だしのメロディアスなところからの変調、しかしそれがまた内面からの怒りを

よく表していて、あの映画のランナーも孤独に耐え、目指す方向も皆目知れず、ただ苦

難の道のりを走り続ける。

そこに湧いて来る欺瞞への反骨が・・・。

アイアン・メイデン/サムホエア・イン・タイム
¥2,548                          といったところで、またのお越しを・・・。