今はなくなってしまった映画館 テアトル東京
そこでこの映画を見たのだが、その時の状況は
試合を控えて、減量中・・。
http://jp.youtube.com/watch?v=fGfAi7Jh2C4&feature=related
「アラビアのロレンス」 六十二年公開作
七十ミリ、ワイドスコープ、客席の後ろにもスピーカーが備え付けられ、
今でいうサラウンドの劇場は、とにかく映像と音で、観客をしばしその
映画の世界に引きずり込む迫力を持っていた。
一度は見たい映画、それもワイドスクリーンでと願っていた「アラビアの
ロレンス」が上映されると知り、友人と出掛けた。
共に試合間近で減量中である。
だけに舞台が砂漠の映画は、その迫力よりも、出演者がそれこそ美味し
く水を飲むシーンの度、猛烈に喉が渇き邪念が、妄想が頭に沸き起こる。
減量を経験した人だったら、理解してもらえるが、二三週間で五、六キロ程
度落とすのにも、忍耐はかなり必要で、まず食事制限、のち水分制限で、
毎日計量して目標に近づけていく。
だけに人間の最大の欲望を押さえ込むと、他の欲求もぐんぐん減少し、試合
が間近に迫れば迫るほど、試合後の食べ物の話題で、空腹を紛らわせるさ
さやかな望みが、最大の関心事になってくる。そんな時、この映画はなかった。
素晴らしい映画だったのだが、何より喉の渇きが先に来てしまい、見終わって
映画館を出ると、二人して顔を見合わせ後悔してしまった。
サラウンドの音は、喉越しまで伝えてくれるのだ。
何だか苦しめられに、映画を見ている気分になる。
もっとも疑似体験と思えば、これほどリアルな体験はそうそうないだろうけど・・。
そんなことを思い出しながら、レンタルして見たが、正常な状態でも、あのシーン
は喉が渇くし、戦闘シーンは迫力があって面白い。
これもそうだが一部の人の行動力とぶれない正義感が、世の中を動かしている・・。
改めてそう思う映画だった。
と、他サイトでの記事を転載して加筆。
この映画は、イギリス人でありながら、アラブの惨状に義憤を感じて共に行動し、
バラハラだったアラブ部族をまとめ、オスマントルコからアラブが独立を果たすまで
尽力した人物の史実を基にした物語である。
そして文化の違いに戸惑いつつも、いつしか戦争の狂気に苛まれつつ、戦いにおいて
の情けは無用も学び、敵は殲滅するまで戦い続ける。
そしてロレンスの活躍と部族の信頼で、大戦果をあげた時、ロレンス以上の権力者か
らは疎んじられ始め、戦闘行為においてあまりにも残虐に敵を殲滅したという不条理に
よって、ロレンスは任を解かれ、失意のうちに母国に戻り、バイク事故で息を引き取る。
と、戦争における不条理、戦果をあげたものの英雄としての評価に、権力者は立場を
脅かされるという姑息な考えから、ロレンスを落胆させてしまう。
こういったことは、戦いに限らず色々な場面で散見出来る事柄であるが、現場で指揮す
ることなく戦果の横取りとも取れる行為を、自分の所属する軍でも、また指揮を鼓舞した
部族でもと、「ことここに至れば、不要な人物」として忘却の彼方へ追い遣ってしまう。
権力者は手を汚すことなく、という欺瞞も丁寧に描き、戦争における正義はどこにもない
もので、「人間の愚かさ」を映像にしたためている。
流石に「戦場に架ける橋」の監督は、そこら辺は一貫している・・・。
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といったところで、またのお越しを・・・。