プロパガンダ映画が名作になった「カサブランカ」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

実際は国威発揚・士気高揚を狙って作られた映画が、時を過ぎて

恋愛の名作と呼ばれるに至った特異な映画「カサブランカ」だが

これもひとえにイングリッド・バーグマンの美貌と、ハンフリー・ボガード

の醒めた演技のお陰?・・・。



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http://www.youtube.com/watch?v=F_bMFVDu9yo&mode=related&search =

リクエストする曲は「時が過ぎても」のシーン

この映画、第二次大戦中の1942年に制作されている。

アフリカ「モロッコ」の都市「カサブランカ」でのお話

フランスの植民地であった「モロッコ」がドイツの侵攻と共に

ドイツが掌握した後のことである。

そこでドイツと相対するフランス初め連合国の抵抗とそれに

振り回される一般市民ってな構図なのだか、元々も植民地である。

現地の人にとっては、どちらもどちらな存在である。

ここらは全く描くことはないし、連合国側に偏りを見せている。

で、とんだメロドラマなのだか、戦時下の混乱が引き裂く関係

と男の美学、「君の瞳に乾杯」などの科白が生きてきてしまう。

と真っ当なことを書いても、生まれていない人もいる古い映画だ。

この映画の成功はイングリット・バーグマンの涙に尽きる。

それによって動かされる男の甲斐性ってのは定番であり、女の幸

せを願う孤高の男ってのが、この映画を名作にしている

また「カサブランカ」って言う地名なのだが、その地名がアフリカと

思えないところも・・・。

http://www.youtube.com/watch?v=iLdqKUkkM6w&mode=related&search =

その「カサブランカ」の映画をモチーフに歌にしたのがバーティ・ヒギンズ

の女々しい歌、哀愁というよりは「思いでよ、もう一度」的、男の嘆き・・。

「君の瞳に乾杯」といって送り出す男と「帰っておくれ我が胸に」の哀願する

男の対比は、何とも時代の流れか・・・。

と捻くれて聞くと「哀愁のカサブランカ」も、違って聴こえてくる。


それにしてもイングリット・バーグマンは、涙だけで演技が出来、そこに立って

いるだけで華があるのは、稀有な存在だ。

まぁこういう女性なら、「カンバック・ツー・ミー」も女々しく言いそうだ。

この映画を見たいのはバーグマン見たさで、物語などどうでもいいってのも、

あながちこちら一人ではないだろう、と思う・・・。


                        てなことで、またのお越しを・・・。