どうも。外国人を差別する排外主義者は、人手不足で外国人労働者に頼らざるを得ない地方経済のために農業、建設業、介護の現場で自ら働く覚悟はあるのでしょうか。まあ、ありはしないでしょうね。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『春夏秋冬 肉布団』です。
モテたくて山形の牧場から上京した青年二人が都会の女たちから酷い目に遭わされる。1971年公開のピンク映画作品。監督は向井寛で、出演は久保新二、宮瀬健二、杉村久美、相原香織、島江梨子。
向井寛監督のコメディー・ピンク映画です。向井が主宰を務めた獅子プロダクションは、滝田洋二郎や瀬々敬久など多くの人材を輩出しており、日本映画史において重要な位置づけにあります。
主人公の青年二人(久保新二、宮瀬健二)の服装から、本作は『真夜中のカーボーイ』のパロディーだと分かります。同作のテキサスは山形に、ニューヨークは新宿に置き換えられていますけど。
予算の都合上、スタジオセットを組めないのでロケ撮影を中心にしています。そのためヌーヴェル・ヴァーグやアメリカン・ニューシネマのようなテイストがあります。また当時の新宿の街並みが記録されており、歴史的資料としての価値もあります。
低予算のピンク映画でありながら、ストーリーも演出もしっかりしています。こうした向井の映画作りの姿勢があったから、多くの人材を育てることができたのかもしれません。
★★★☆☆(2025年7月16日(水)インターネット配信動画で鑑賞)

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