どうも。商品券問題で明らかになったのは、お土産文化が自民党の伝統であることです。この田舎くさい文化を保ち続けてきたから、自民党は地方で強いのかもしれません。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『首』です。
天下統一を目指す織田信長は、毛利軍、武田軍、上杉軍、京都の寺社勢力と激しい攻防を繰り広げていた。そんな中、信長の家臣・荒木村重が謀反を起こして姿を消す。信長は明智光秀や羽柴秀吉ら家臣たちを集め、自身の跡目相続を餌に村重の捜索命令を下す。秀吉は弟・秀長や軍師・黒田官兵衛らとともに策を練り、元忍の芸人・曽呂利新左衛門に村重を探すよう指示。実は秀吉はこの騒動に乗じて信長と光秀を陥れ、自ら天下を獲ろうと狙っていた(映画.comより引用)。2023年公開作品。監督は北野武で、出演はビートたけし、西島秀俊、加瀬亮、中村獅童、木村祐一、遠藤憲一、勝村政信、寺島進、桐谷健太、浅野忠信、大森南朋、六平直政、大竹まこと、津田寛治、荒川良々、寛一郎、副島淳、小林薫、岸部一徳。
北野武監督の戦国時代劇です。本作は北野監督にとって『座頭市』以来2本目の長編時代劇です。
過去の北野作品常連俳優も含めた出演者が豪華です。豪華過ぎて劇団ひとりがどこに出演していたか分からないほどです。
加瀬亮が演じる織田信長は、おそらく日本映画史上最も下品な信長像になっています。ビートたけしが演じる羽柴秀吉と小林薫が演じる徳川家康は、信長より年下であるにもかかわらず老けています。これは歴史的事実に忠実であることより演者の個性を活かすことを重視したからでしょう。
戦国武将が騙し合いと裏切りを展開する本作は、結局「髷を結った『アウトレイジ』」です。そこに衆道(ボーイズラブ)を絡めています。北野作品らしい暴力&残虐描写は期待どおりで、更に笑いの要素まで入っています。
この笑いの要素が本作の評価を下げています。笑いは緊張と緩和によるものであり、そのギャップが大きいほど、大きな笑いが生まれるものです。緊張と緩和のギャップは日常と非日常のギャップでもあり、そもそも非日常の設定である時代劇ではギャップが小さくなります。
本作では長篠の戦い、家康の伊賀越え、秀吉の中国大返しが、笑いを取ろうとする時代劇コントのように描かれています。しかしギャップの小ささゆえに大きな笑いは生まれません。それどころか時代劇コントのノリが他のシーンにも影響し、作品全体が壮大な時代劇コントになってしまっているのは残念なのです。
★★★☆☆(2025年2月26日(水)インターネット配信動画で鑑賞)
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