【映画評】女のみづうみ | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。男らしく乱暴な言動で弱い自分を強く見せようとするトランプ大統領にとって、よぼよぼの耄碌おじいちゃん扱いされることは精神的ダメージが大きいのではないでしょうか?

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『女のみづうみ』です。

 

水木有造と宮子は結婚8年目の夫婦だったが、仕事ばかりの有造に愛想を尽かした宮子は、北野という青年と情事を重ねていた。ホテルで北野に自分のヌード写真を撮らせた宮子は、その帰り、暴漢にネガフィルムを奪われてしまう。見知らぬ男から脅迫を受けるようになった宮子は、フィルムを取り返すため、男の言うまま列車に乗り込んだ。しかし列車は脱線事故で停止。列車を降りた彼女の目の前に、北野が現れた(allcinemaより引用)。1966年公開作品。監督は吉田喜重で、出演は岡田茉莉子、芦田伸介、早川保、露口茂、益田紘子、夏圭子。

 

川端康成の小説『みづうみ』を原作にして吉田喜重が監督した文芸サスペンスです。冒頭の濡れ場シーンは良いツカミになっています。

 

ストーリー自体は、ありきたりなドラマであっても、所々に凝ったカットが挿入されて目を引きます。吉田監督らしい演出です。

 

本作は宮子を演じる岡田茉莉子を美しく撮ることに重点が置かれています。人々が行き交う駅の雑踏の中を、森英恵がデザインした衣装を身にまとって歩く岡田の姿は現実離れしており、物凄く浮いています。しかし、それは意図的な演出であり、失敗ではありません。

 

宮子が圧倒的に美しくなければ、周囲の男たちが彼女に執着することに説得力がなくなるからです。決して吉田監督が妻である岡田を「俺の嫁さん綺麗だろう」と自慢したいからではないと信じたいのです。

 

★★★☆☆(2025年1月27日(月)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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