もっとお金の話をしよう。 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

旧統一教会(家庭連合)問題が世間で騒がれ出した時、Twitterで伊丹十三監督の『マルサの女2』を取り上げたTweetがありました。新興宗教団体と政治家の関係を描いているからという理由で取り上げていました。しかし、そこより宗教団体の皮を被った金儲けカルト集団の外道ぶりを描いていることが旧統一教会問題にピッタリでしょう。
 
『マルサの女2』の前作に『マルサの女』があります。今思えば、この二部作で着目すべきは「お金の話」がメインであることです。日本人は公でお金の話をするのを嫌います。お金の話をするのは下品だとか意地汚いとか評価されます。しかし『マルサの女』二部作は珍しいことに、お金の話で一貫している日本映画なのです。
 
このお金の話を嫌う日本人の気質は日本を衰退させている原因の一つです。労働の対価として相当な報酬を要求するのも、お金の話として避けられがちです。労働者として当然の権利主張であるにもかかわらずです。それ故に賃上げのための労使交渉が減り、そのための労働組合が弱体化しています。その結果として、日本は先進国の中でなかなか賃金額が上昇せず、消費が鈍化して貧乏国家へと静かに転落しています。
 
お金の話をしないのが日本古来の美徳というのは嘘です。現在より日本的伝統が残っていた戦前まで労働争議は活発に行われ、アメリカ的価値観が浸透してきた戦後以降、労働争議が減ってきたのですから。昔の日本人の方がお金の話をしていたのです。
 
労使関係においてお金の話をせず、それでも会社の業績を上げたい経営者は非合理的な精神論を利用します。やる気、努力、根性など測定不可能な価値を押し付け、相当な賃金を払うことなしに社員をこき使います。ブラック企業の典型です。この非合理的な精神論で社員を支配する手口は、自己啓発系の経営コンサルタントが説き、信者を洗脳するカルト宗教団体に源流があります。
 
お金の話を公にできるのは合理的な現実主義者です。そうした人間であれば、ブラック企業にも自己啓発セミナーにもカルト宗教団体にも騙されにくいでしょう。そして、そんな人間が日本に増えれば、日本の衰退を止められるでしょう。だから、もっと堂々とお金の話をできるようにしましょう
 

 

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