【映画評】ダウンヒル | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

イメージ 1
 
親友を庇って濡れ衣を被った学生の転落人生を描く。1927年製作で日本劇場未公開作品。監督はアルフレッド・ヒッチコックで、出演はアイヴァー・ノベロ、ベン・ウェブスター、アネット・ベンソン、リリアン・ブレイスウェイト、バーバラ・ゴット、イアン・ハンター、ロビン・アーヴィン。
 
アルフレッド・ヒッチコック監督の初期作品で、白黒サイレント映画です。サスペンスではありませんが、作品全体に不穏な空気が漂っています。
 
白黒サイレント映画なので、演者の芝居が大きいです。それだけでなく、ヒッチコック監督の演出も分かり易さに努めています。主人公ロディ(アイヴァー・ノベロ)が父親に勘当された後、地下鉄のエスカレーターを下っていくシーンは、その後の人生が「下り坂(ダウンヒル)」になることを暗示しています。
 
注目すべきは、精神的にボロボロになったロディが錯乱状態に落ちるシーンで、ドイツ表現主義的手法が用いられていることです。ロディの内面的心理状態を映像化しているのです。
 
このことから、後に「サスペンスの巨匠」と呼ばれるヒッチコックでも、生まれながらに才能溢れる天才ではなく、他人の作品を模倣する習作の期間があったと分かるのです。
 
★★☆☆☆(2019年5月1日(水)インターネット配信動画で鑑賞)
 
本作のようにパブリック・ドメイン化されると、無料で鑑賞することもできます。楽天市場

 

にほんブログ村 映画評論・レビューに参加しています(よろしければクリックを!)

イメージ 1