
宇宙暦の紀元4万年。ひとり宇宙船の中でバカンスを楽しむ女宇宙士バーバレラ。そんな彼女に地球から、宇宙破壊光線なるものを発明したデュラン・デュランを捜索し捕獲せよ、との指令が下る。だが、バーバレラはその捜索中に宇宙船のトラブルに遭い、とある惑星に不時着してしまう。しかし、そこでピンチに陥るもマーク・ハンドという男に救われた彼女は、彼から地下都市ソゴにデュラン・デュランがいるという情報を得た。そして、途中で出会った盲目の天使パイガーと共にソゴへ向かうバーバレラだが…(Yahoo!映画より引用)。1968年日本公開作品。監督はロジェ・ヴァダムで、出演はジェーン・フォンダ、ジョン・フィリップ・ロー、ミロ・オーシャ、ウーゴ・トニャッツィ、アニタ・パレンバーグ、マルセル・マルソー、デヴィッド・ヘミングス。
冒頭から、ジェーン・フォンダ演じるバーバレラが無重力ストリップをする、エロティックSF映画です。フランスでベストセラーになったエロティックSF劇画が原作なので、全編がエロくてキッチュなのは、原作に忠実であることになります。
スタッフロールを見て驚くのは、脚本にテリー・サザーンの名前があることです。サザーンは『博士の異常な愛情』や『イージー・ライダー』の脚本も手掛けています。何故本作みたいな映画の脚本を引き受けたのでしょうか。珍作『北京原人 Who are you?』の脚本が早坂暁である事実と同じくらい謎です。
ジェーンが本作に出演したのは、監督のロジェ・ヴァダムが当時の夫だったからでしょう。どうもジェーンは恋人の影響を受け易い性格のようです。ヴァダムと離婚した後、政治活動家のトム・ヘイドンと再婚したら、ジェーンもベトナム反戦運動に熱を上げたそうですから。
ジェーンがエロ映画である本作に出演したのは、ヴァダム監督の影響だけでなく、父親であるヘンリー・フォンダとの確執も原因になりそうです。今だったら、「大物俳優の娘がヌード!」とスポーツ紙やオヤジ系週刊誌の見出しになるようなスキャンダル報道で、ヘンリーに精神的ダメージを与えようとしたと推測されるからです。
本作は、当時三十路であったジェーンの遅過ぎる反抗期の記録でもあるのです。
★★☆☆☆(2019年4月18日(木)DVD鑑賞)