
人類の大半がアンデッドと化した世界で、人類最後の希望となったアリスは、悪夢のような現実の全ての始まりの場所、ラクーンシティのハイブへ戻ることになる。しかし、そこでは全ての元凶である巨大企業アンブレラ社が、アリスとの最終決戦に向けて全勢力を結集させていた(映画.comより引用)。2016年日本公開作品。監督はポール・W・S・アンダーソンで、出演はミラ・ジョヴォヴィッチ、アリ・ラーター、ショーン・ロバーツ、ルビー・ローズ、ローラ、イ・ジュンギ、ウィリアム・レヴィ、イアン・グレン。
人気テレビゲームの実写映画化シリーズです。1作目の『バイオハザード』から16年かけて、6作目の本作が最終作になります。2作目と3作目で監督を務めていませんが、全作に関わってきたポール・W・S・アンダーソンが、責任を以てシリーズの幕を引きます。妻であるミラ・ジョヴォヴィッチも、娘であるエヴァ・アンダーソン(レッド・クィーン役)も出演し、一家総出のお仕事です。
ジョヴォヴィッチ演じるアリスは、シリーズを通じてパワーアップしていく、『エイリアン』シリーズでシガーニー・ウィーヴァーが演じたリプリーのような状態になっています。もしかしたらアンデッドより強いのではないかと思わせるほどです。アクションだけでなく、1作目でフルヌードをチラリと見せ、その後はタンクトップ姿で乳首を浮かせたり、ボディラインにフィットしたレザースーツを着たりと、ジョヴォヴィッチはサービス精神旺盛です。本作では熟女の胸の谷間を見せつけてくれます。
本作は、ローラがハリウッド映画デビューしたことで公開当時に話題になりました。しかし、ほんのチョイ役で台詞は一つしかなく、早々と死にます。評価としては、『アルマゲドン』の松田聖子より増しですが、5作目でアンデッド化してジョヴォヴィッチと闘った中島美嘉より落ちるというところです。
韓国人俳優のイ・ジュンギが、アイザックス博士(イアン・グレン)の部下役で、ジョヴォヴィッチと格闘するシーンがあります。思えば、同じ韓国人俳優のイ・ビョンホンも『G.I.ジョー』や『REDリターンズ』でキレの良い格闘シーンを見せています。もしかしてハリウッドの映画人は、彼らがブルース・リーやジェット・リーと同じ名前(李またはLEE)なので、同じ一族だと思っているのでしょうか。誰か「国籍と民族が違いますよ」と教えてあげた方がいいのでは。
本作はシリーズ最終作ということで、アンデッドやケルベロス(アンデッド犬)が、在庫一掃セールとばかりに大群で登場します。アンデッドの数だけでなく、話の規模も大きくなり、怖いホラーというより大味なアクション大作に近いです(その点も『エイリアン』シリーズと共通しています)。
黒幕のアイザックス博士は熱心なキリスト教原理主義者で、自分が選ばれし民になろうとしますが、その傲慢さが仇となり、野望が潰えます。こうした衒学趣味的に話に深みを持たせようとするのは、『マトリックス』シリーズのウォシャウスキー兄弟(今は性転換して姉妹)と同じ手法であり、アンダーソン監督もオタクだと分かるのです。
★★★☆☆(2018年11月16日(金)DVD鑑賞)
同い年なのにミラ・ジョヴォヴィッチを姐さんと呼びたい私。