9月30日夜にフジテレビ系列で中継放送された、総合格闘技『RIZIN.13』を観ました。台風24号の影響で生中継が中止されるというドタバタがありながら、ダイジェスト以外で放送されたのは、ボブ・サップVS大砂嵐、ミルコ・クロコップVSロッキー・マルティネス、山本美憂VSアンディ・ウィン、那須川天心VS堀口恭司です(いずれも前者が勝者)。
ボブ・サップVS大砂嵐は、ゲストの長嶋一茂が放った「両者スタミナ切れ」という表現がピッタリの結末でした。これまで総合格闘技に元力士が参戦することはあっても、既にピークを過ぎた選手ばかりなので、現役を辞めて間もない若い選手なら強いのではと思っていました。しかし、それは間違っていました。相撲は短期決戦なので、長時間闘うことに慣れていないのです。しかも現役から遠ざかっていない選手ほど、それを克服できていないのです。大砂嵐の今後の課題は、スタミナ作りという基本中の基本になりそうです。
ミルコ・クロコップVSロッキー・マルティネスは、ミルコの肘撃ちでマルティネスが流血したため、ドクターストップという結果になりました。実況では、百戦錬磨のミルコが抜いた妖刀村正の斬れ味などと表現していました。しかし、パワーとテクニックを備えたマルティネスに対し、ミルコが苦戦していたのは明らかです。思うに、危機感を抱いたミルコがルールを利用した、セコい勝ちを狙ったのではないでしょうか。そして、それは往年の勢いを失ったミルコの落日を感じさせます。
山本美憂VSアンディ・ウィンは、試合全体を美憂が優勢に進めて判定勝ちという結果になりました。昨年、「RIZINのポロリ要員」という不名誉な烙印を押され、更に弟である山本“KID”徳郁の急逝もあり、精神的にキツい状態にあったであろう美憂が、亡き弟に捧げる勝利を挙げました。レスリング選手である故に欠点だった打撃が上達し、44歳でありながら総合格闘家として成長している美憂もまた「神の子」です。
那須川天心VS堀口恭司は、ハイレベルな好試合でした。何時になく緊張した表情の天心と、試合中に笑顔を見せるほど楽しんでいる堀口のコントラストが印象的でした。天心の蹴りが堀口の金的に当たるアクシデントが2回もあり、そこは残念なところでしたが、試合後の堀口の笑顔に救われた感があります。堀口からはファンがワクワクするような試合をして、格闘技界全体を盛り上げようという視野の広さを感じます。今回は天心が判定勝ちを収めましたが、堀口の姿勢から学んだものがあり、それによって天心が更なる高みに上ることを期待します。
さあ、次は大晦日の『RIZIN.14』です。何よりも地上波放送があることを期待します。そのためには世間の目を向けさせるマッチメイクが重要なので、榊原信行RIZIN実行委員長と高田延彦統括本部長に頑張ってもらいたいのです。
RIZINオフィシャルサイトはこちらから→http://jp.rizinff.com/
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