
家族を犠牲にして禁煙契約をした男、不倫の代償に危険な賭けをする男、凶悪な小鬼から少女を守る猫の3話から成るオムニバス映画。1985年製作で日本劇場未公開作品。監督はルイス・ティーグで、出演はドリュー・バリモア、ジェームズ・ウッズ、アラン・キング、ケネス・マクミラン、ロバート・ヘイズ。
美人三姉妹の泥棒……の話ではなく、スティーヴン・キング脚本による3話オムニバス作品です。日本のテレビで言えば、『世にも奇妙な物語』みたいなものです。3話を通じて出演する猫が、『世にも奇妙な物語』におけるタモリの役割を担っています(因みにタモリは猫好きです)。
稀代のホラー作家であるキングの脚本なので、怖い話であったり、不思議な話であったりします。ブラックユーモアを効かせているのは、キングらしさです。
冒頭で猫が汚い大きな犬に追いかけられるのは『クジョー』(同作もルイス・ティーグ監督作品)で、更に猫が轢かれそうになる赤い車は『クリスティーン』で、第1話の主人公(ジェームズ・ウッズ)がテレビで観ている映画は『デッドゾーン』であり、いずれもキング作品です。ちょっとした遊びでしょう。他にも小ネタが隠されているかもしれません。
第3話で少女役を演じるのは、当時の人気子役だったドリュー・バリモアです。『E.T.』の演技で一躍人気者になったバリモアですが、その反面、私生活は荒み、10代前半で薬物・アルコール依存症リハビリセンターに入所するほどになります。現在は、自らプロデュース&出演した『チャーリーズ・エンジェル』シリーズをヒットさせるなど、すっかり更生しています。それを思って本作を観ると、感慨深いものがあります。
そんな本作は、各話とも展開やオチに捻りがなく、割と簡単に先が読めてしまいます。キング脚本にしては、勿体無い出来です。
★★☆☆☆(2018年7月18日(水)DVD鑑賞)
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