【映画評】クレージー作戦 先手必勝 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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会社をクビになった上田ヒトシは、どんな揉め事も解決する“よろずまとめや”を開業した。彼のもとに集まったのは、様々な分野のエキスパートたち。彼らは持ち前のバイタリティーで、次々とトラブルを処理していくが……(Yahoo!映画より引用)。1963年公開作品。監督は久松静児で、出演は植木等、ハナ肇、谷啓、犬塚弘、安田伸、桜井センリ、石橋エータロー、池内淳子、中尾ミエ、淡路恵子、加東大介、八波むと志、柳家金語楼。
 
ニッポン無責任時代』と『ニッポン無責任野郎』の主役は植木等で、他のクレージーキャッツのメンバーは脇役(時にはライバル役)という扱いでした。本作からクレージーキャッツのメンバー全員がチームを組んで主役になる「作戦」シリーズが始まります。様々な技能を持った者がチームを組むという設定は、『オーシャンズ11』みたいなものですね。
 
「作戦」シリーズは、クレージーキャッツが所属していた渡辺プロと東宝の提携作品で、渡辺プロ社長であった渡辺晋がプロデューサーに名を連ねています。それで渡辺プロ専属であった中尾ミエが出演しており、勝気な小娘を演じるコメディエンヌぶりを見せています。観た後で中尾が当時16歳だったと知って、その若き芸達者に驚きました。
 
おそらく「無責任」二作との差異化を図るため、監督は同二作の古沢憲吾ではなく、ベテランの久松静児が務めています。そのため、古沢流の突然ミュージカルが始まるようなスピーディーな演出はなく、きちんとした喜劇になっています(歌唱シーンがあっても、いきなりステージに変わるような派手さはありません)。出演者も加東大介、八波むと志、柳家金語楼、上田吉二郎、十朱久雄、松村達雄ら喜劇ができる俳優を集めていますから。
 
喜劇俳優は、あくまで演じている「役」が面白いのであり、役を離れた状態での面白さを要求されることはありません(そこが、お笑い芸人とは異なります)。無責任男や本作のような口八丁手八丁で軽薄な男を演じていた植木は、私生活では真面目な人柄だったそうなので、彼も喜劇俳優の部類に入ります。
 
喜劇俳優たちによる折り目正しい喜劇として、本作は十分に面白い出来になっています。「無責任」二作の破壊力を望む方には、物足りないかもしれませんけどね。
 
★★★☆☆(2018年3月30日(金)DVD鑑賞)
 
池内淳子の美しさと淡路恵子の色っぽさも見所です。
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