サザンオールスターズ『葡萄』⑤ | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

サザンオールスターズは数々のラブソングを世に放ってきました。その作り手である桑田佳祐は、もう還暦手前です。同じ日本音楽界では、恋愛について現役世代のアーティストがヒットチャートを賑わせています。その状況で、サザンはどんなラブソングを聴かせてくれるのでしょうか。アルバム『葡萄』の収録曲から、2曲選んでみました(歌詞は、各曲名をクリックすれば、sas-fan.netにリンクします)。
 
 
サザンのラブソングは、恋へ向かう高揚感より、過ぎた恋を想う切なさを歌ったものが多く、本作も後者の部類に属します。これなら、還暦手前の桑田の方が若手アーティストより説得力ある歌詞を書けます。本作の主人公は、女々しい内気な男です。「いとしのエリー」も「TSUNAMI」も同じタイプの男ですから、桑田の内面が表れています(まあ、「女呼んでブギ」みたいにスケベ心が明け透けな曲も作るのですけど)。
 
 
肩の力が抜けたような演奏で、愛に浸る恍惚感を歌っています。生身の接触が希薄なネット社会を嗤っているような歌詞です。だからと言って、桑田はネット社会を全否定している訳ではありません。オフィシャルブック『葡萄白書』では、掲示板への書き込みでファンの反応が伝わることを長所だとしています(「はっぴいえんど」のセルフライナーノーツで)。そして同書で「楽器を持って、音を出し合ってコミュニケーションを図る。話すよりもセッションすることで、互いの言い分や関係性を知る」ことは、素晴らしいと語っています。桑田にとって、音楽は恋愛やセックスに匹敵する快楽を得られるものなのでしょう。
 
To be continued......
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