西荻に降る雨に歌えば | 圭一ブログ

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圭一のブログです。1984年宮崎県生まれ

こんばんは!日曜日は久しぶりにTAMAGAWA RUN ROCK FESTIVALに参戦して
筋肉痛の圭一です!
あ、TAMAGAWA RUN ROCK FESTIVAL通称タマランというのはね、
ipodを装着しながら多摩川沿いを一時間走り続けるという
現代人にやさしい、お手軽かつ超絶はっちゃけること間違いなし!の野外ロックイベントです。

■目次
 1 フナムシのこと
 2 なっちゃんのこと
 3 マン・レイのこと

フナムシのこと

先週は同居人えんちゃんと「パソコンとギターのできる熊」マサキとで、ツーリングに行ってきました。
行先は三浦半島。道中、葉山御用邸近くで新鮮な海の幸を食べ、海の見える温泉につかり、
やってきた野宿スポットは、10年前に某英国人女性の遺体が発見されたところの近くです。

A Clockworked Green-朝

他意はありませぬ。ネットで調べたらそこが絶好のキャンプ場だったのです。
すっかり日も暮れて後戻りできなくなってからマサキに打ち明けたら、本気でびびってました。
私が悪いのではありません。たちの悪い先輩を持ったマサキが悪いんです。

キャンプ場でもなんでもありません、本当は。単なる海水浴場です。
しかも中高生の花火が怖くて、岩場の奥の方にテントを張りました。
いやがるんです、うようよと・・・・・・ フナムシ。

幼虫はまるでノミのようにぴょんぴょん跳ねまわり、光の周りに民族大移動をかまします。
凝視すると鳥肌がたつので、なるべく見ないようにします。
パスタなどを口に入れると、ざりざりと磯の香りが・・・・・・

A Clockworked Green-野宿の現場

なっちゃんのこと

土曜日、なっちゃんが田舎に帰りました。
なっちゃんはどうしようもない女の子です。
10年前、ネット上で知り合って以来、ずっとそうです。
ヤンキーだしメンヘルだし、登校前に日本酒飲んでるし。
大学は留年するし、バイトは長続きしないし、
優柔不断というか外界とのコミュニケーションに対する意識が希薄で、
携帯電話は常に故障中で、話していることは全然聞き取れません。

フランス文学が好きで、小難しい哲学者が好きで、細めのバンドマンが好きで、
絵を書くのが好きで、ギターを弾いてみるのが好きで、
いつも自分なりの精いっぱいの恋をして、いつもぼおっとしています。
スピード狂で、西荻窪に住んでいて、かわいい手帳を持ち歩き、
パソコンでは10年前と同じように自分にしか分からない内容の日記を書いて、
アボカドとウォッカで命をつなぎ、白い肌に金色のネックレス。

なんとか卒業をして、東京で働いて、
きっとたくさん辛いことがあって、たくさん努力をして、
せっかく就職した出版社をやめて、バイトもやっぱりやめて、
レキシテキな暑さも少しやわらかくなった秋のはじめに田舎に帰りました。
俺たちは集まって、やっぱり田舎から出てきた者同士で、
安いお酒を飲んで、何を話すでもなく、なんとなくカラオケに行って、
朝まで騒いで、ファミレスに行って帰りました。

なっちゃんが東京からいなくなってしまったことが寂しいのかどうか、分からないけど
とても寂しいです。
なっちゃんのことは、多分何も分からないけど、
心のきれいな俺の友達が田舎から出てきて、田舎に帰ったということは分かります。
またいつかお目にかかりたいものです。さようなら。

マン・レイのこと

というわけで西荻窪、朝七時半。
六本木のマン・レイ展が最終日を迎えるわけでどうしても朝一番に駆け付けたく
十時まで時間をつぶしました。

公園で寝ているとO型の宿命か、蚊に食われ、
電車の中で寝ようと思い、東中野から大江戸線に乗り換え、
うとうとしながら行ったり来たり。最終的には面倒になって都庁駅のホームのベンチで寝ました。

マン・レイはアメリカ人で、フランスを愛した人です。シュールレアリズムが得意です。
若い恋人をつくっては、恋人の写真ばかり撮っています。
キキ・モンパルナスの写真が素敵です。

一番心が震えたのは、作品ではなくその墓標でした。
それをつくったのはマン・レイその人ではなく、最後の恋人のジュリエッタ。
彼女は最愛の人の墓標に、こんな言葉を添えました。

「無頓着、しかし無関心ではなく」
詩でもなく歌でもなく、小説でもなく、墓碑銘というものが、
こんなに短い言葉で、あまりに多くを語っているようで。

マン・レイと並んで建てられたジュリエッタの墓標にはこう記されているそうです。
「再び一緒に」