象徴的商品の事例~アキバよりお届けします~ | 圭一ブログ

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圭一のブログです。1984年宮崎県生まれ

自分自身が離れた場所に移動する超能力のことをテレポーテションと呼ぶが

離れたものを引き寄せる能力のことを、アポーツと呼ぶ。

私のカレー好きも年季が入ってきたもので、近年このアポーツが時折発動するようになった。


先日も、友人と車で旅行した帰りに、高速道路が渋滞していてみんな疲れてしまい

適当に高速を降りて何でもいいから飯を食おう、ということになった。

私も疲れていたので、店が見つかればどんなものでもよかった。

そこは見知らぬ土地であり、とにかく早く店が見つかればいいなと思っていた。

程なくチェーン店のパスタ屋が見つかったのだが、そこで意外な言葉が

誰の口からか発せられる。

「お前カレーくいたいやろ、カレー屋さがそう、カレー屋」

私は友情への感動よりも、オカルティックなこの現象への驚きを強く感じた。

まさか見つからないだろうと思ったのだが、

そのうちいい感じに怪しげなカレー屋が道沿いに現れ、しかもその店が当たりだった。

かくして我々は美味いカレーにありつくことが出来たのである。


今日もその能力が、会社の上司を介して発動した。

秋葉原の大学院に通うその上司は、なにを思ったか、

唐突にこんなものをプレゼントしてくれた。


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アキバ名物 おでんカレー 萌え


私は秋葉原にリュックを背負って通う性質の人間ではないが

ジャンルを問わず大の漫画好きであり、秋葉原はお気に入りのスポットである。


秋葉原に何があって、何が行われているのかよく知らないが

日本の文化、そしてキャラクタービジネスの象徴であることは間違いがない。

「キャラの力」は本当に凄い。

ピカチュウ一匹で、何億の金が動き、何人の人生が狂っただろう。

アメリカ産の一匹のネズミは、取り扱い方を間違えると戦争すら引き起こしかねない。


さらにその秋葉原の象徴であるところの「萌え=いもうと」

そして「おでん」

この強力なアイテムを緩やかに結びつける、何か。

思わず日本の心「和」を感じさせる。

仏陀が生れ落ち涅槃に入った国から、弱肉強食の西洋文明を経て

島国に流れ着いた、21世紀のブラックボックス、カレーである。


しかし、おでんカレー・・・絶対自分では買わない。


チープ且つ、北斗神拳のようにツボを的確に押さえたパッケージを開けてみる。


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予想通り、外箱の華やかさに比べて本体は殺風景である。


だがそれは言い換えてみると「質実剛健」「肉を切らせて骨を断つ」に通じるものがある。

カレーとおでんには共通点がある。

煮込むという過程が重要であり、さらに多様性とバランスが命である。


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盛り付けてみる。


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ちくわ、たまご、ちくわぶ、牛スジ、こんにゃく等


食してみると、おでんのダシが効いているではないか。

カレー自体の味は、庶民的でベーシックなもの。以外によくマッチしている。

具もいい。とても美味しかった。ありがとうございました。


カレーは、古本の町神保町でも愛されている。

一説によると、本をあさりに来た学生や物書きが、その合間に食べるのに

カレーというのは非常に適しているのだそうだ。

この種類の人たちというのは結構昔からいたわけで、

それは現代におけるアキバに通う人々と、非常に近いのではないだろうか。


そのカレーが、「いもうと」「おでん」と融合してパッケージ化され

まさしく秋葉原における「象徴的商品」となっている。

1つのプロダクツが、国際超電脳都市秋葉原をしょって立つのは荷が重い。

「萌え」だけでは足りない。

そして「おでん」だけでも足りない。

しかしこの2つを、片手で持てて容易に流通可能で保存も容易で

実益のある(食べれる)1つのプロダクツに仕立て上げたのは

カレー、カレー、カレーである。




付け足すようで恐縮ですが、先日の事件、

犠牲になった方々のご冥福を心よりお祈りします。

なんでも最近の秋葉原では、パフォーマンスをするアイドルに卑猥な言葉を言うやつがいたり

だんだんと荒んできているらしい。

心になんか抱えてる人が確かに多そうなとこだけど、ラブアンドピースな場所でいてほしい。