あの忌まわしきがに股スイング事件から一夜明け


人々は前日に起きた事件のことなど気づくこともなく、あわただしい日常生活に戻っていった。







ジリリリリ・・・・ ジリリリリ・・・・





目覚ましの音が僕の睡眠をさまたげる。


僕は


いつも通りタバコに火をつけ


いつも通りカップにコーヒーをそそいだ





また、あわただしい日常が始まる。


人はなぜこんなにも働かなければ働かなければならないのだろう?



僕はけだるさをごまかしながらこれから始まるビズネスウォーズへの準備を始めた。







携帯の着信ランプが点滅してる。



Yatsuがブログを更新したらしい。




僕はそのブログを見る時間を惜しむほど時間に追われていた。


とにかく急いでいた。



そしてトイレへ向かった。







痛たたたたたたたっ






痛たたたたたたたたた





いっ・・・痛てぇ



気を許した瞬間突然やってきた!



そう。




昨日のYatsuのスイングを思い出してしまったのだ。





まずい!



笑いがとまらん!



腹筋が痛い!




僕はのたうち回った。




しかし、ここはトイレ



助けを呼ぶこともできない。




僕はYatsuのスイングと戦った。


























僕は会社へと向かった・・・・・





もちろん




遅刻した・・・







つづく














僕はゴルフ練習が好きな方だと思う

毎週末はもちろん平日も仕事が早く終われば足しげく練習場に通うほどだ。

こんな生活もまもなく5年がたち、腕前はというと練習量と比例して上達しているかというと疑問がある。

ただ、こんな僕にもゴルフを教えているYatsu(奴)がいる。

Yatsuは僕の言葉には耳も貸さず自分流を突き進み「自分はゴルフの才能に満ち溢れている」と言う。

僕はYatsuのその根拠のない自身をうらやましくさえ思うことがある。

僕たちは日ごろの練習に工夫をかさね時折デジカメで各々を撮影することがある。


その日は残暑のむなくるしい暑さも身を潜め、秋の心地よい空気感ただよう夜だった。


Yatsuはいつものように練習をしている。久しぶりに自分のドライバーショットを撮ってくれとYatsuは言う。


僕は自分の練習が妨げられたことなど気にせずデジカメを手にした。


Yatsuがいつものように軽快にクラブを振る。




ナイスショット!!










とはいえないが、その球筋はこれがグリーン上であったらなら、きっとロングパットのフックラインを完璧に読みきったであろうキレイな転がりをみせていた。

僕はおもむろにデジカメを覗き込んだ。



体重が左足にしっかり乗り、進行方向(飛球線方向)に顔・腰・左ひざが完璧にむいている。
いわば理想的なフィニッシュをしていた。








がっ・・・ なっ・・・  なんと・・・・










なっなっ・・・・・   なななんと・・・・・・










それは突然にやってきた。






右ひざが進行方向に(飛球線方向)対して後ろを向いているではないか。

僕にはとうていまねることはできない常識をはるかに超えるその足関節の稼動粋。

なぜ、がに股に???


僕はこのすずしい秋の夜に額に汗をかいていた。

そして今まで自分がが守ってきた自我が崩壊し、この静かな練習場で笑いをこらえることができなかった。

ただただ笑った。

痛ててててててっ  痛てててててっ

はっ腹が・・・・


この感じいつ以来だろう。


Yatsuはそんな爆笑してる僕をみて怪訝そうな顔をしている。


それがまた笑えた。


そして楽しい一日が終わっていった。
















ただこのとき僕は、まだこの出来事が終わっていなかったことに気付いていなかった・・・



つづく