舛添都知事辞職 引き続き政治資金疑惑の追及を

2016年06月16日(木)

 あまりにも遅い、そして見苦しい辞職劇だった。東京都の舛添要一知事が都議会の全会派から不信任決議案を提出されるという「四面楚歌(そか)」状態に陥り、ようやく辞職を決意した。

 公金を含む政治資金を家族旅行の宿泊費や美術品の購入費などに私的流用した疑惑を、最後まできちんと説明しようとしなかった。高額の海外出張費や公用車での別荘通いも都民の反発を招いた。「政治家」を名乗りながら、自らを律する倫理観に乏しく、首長としての責任感もない。辞職は当然だ。

 最後には給料の全額返上を申し出、リオデジャネイロ五輪・パラリンピック閉幕までの不信任案提出の見合わせを求めた。「五輪前に混乱を招くのは国益にマイナス。リオ五輪で東京が笑いものになってしまう」と涙ながらに訴えたという。

 都庁に寄せられる批判や抗議が3万件を超えて業務に支障を来し、本来政策審議をすべき都議会が、自らの問題一色に染まる。異常な状態をこれ以上放置することは許されなかった。

 舛添氏を支援してきた自民、公明両党の責任も重い。一連の問題発覚後も静観し続け、13日の都議会総務委員会集中審議でも、自民党だけが舛添氏に辞任を求めなかった。2014年の都知事選で、党を除名された舛添氏を「勝ち馬に乗る」形で全面支援した負い目があり、できれば辞職は避けたかったのが本音だろう。

 ところが世論の反発が収まらず、来月の参院選への影響が懸念されるようになると、手のひらを返したように「辞職やむなし」に変わった。都政の混乱を収拾させるためではなく、自分たちの都合を優先した対応は批判を免れまい。

 知事をチェックするべき都議会も、その責任を果たせなかった。高額の海外出張旅費はかねて共産党が問題視していたが、公用車の公私混同疑惑など、もっと早くに指摘、是正させることができたはずだ。

 政治資金流用疑惑の追及も続けなければならない。都知事を「辞めれば終わり」ではない。百条委員会を開いて、最後まできちんと解明する必要がある。このままでは都民が納得できるはずがない。

 政治資金規正法の改正も待ったなしだ。一般市民が首をかしげるような政治資金の使い方が「違法ではない」なら、法律の不備は明らかであり、速やかに改正しなければならない。政治資金の使途にも厳しい規定を設け、使途に関する詳細な説明も義務付けるべきだ。

 自公両党は参院選への悪影響を最小限にできたと安堵(あんど)しているかもしれないが、「政治とカネ」問題をうやむやにすることは絶対に許されない。甘利明前経済再生担当相の問題も残されている。

 自らの「襟を正せない」政治家が後を絶たない。今回の問題も、舛添氏個人の資質の問題だけに矮小(わいしょう)化してはならない。



以上。引用終わり。
http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201606165543.html



上記、ハゲしく同意。



それにしても、百条委員会の開設に反対した自民公明は、情けない。

こいつらも、政治的責任とれよ、と思う。