塾の教材と著作権に関しては、私もすごく気にしているところです。


今日は、下の記事を読み、考えさせられました。




無断使用:中小塾「内申上げるため」 

教科書丸写し教材、半ば公然 /北海道

http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20120404ddlk01040289000c.html?inb=yt


 「北大学力増進会」などの名称で知られる大手学習塾「進学会」が、テキストに学校の教科書を丸写しして使用していたことが3日、明らかになった。中小の塾の中には学校の授業内容に合った講習を行うため、教科書などを半ば公然とコピーして使っている実態があり、影響を懸念する声が上がっている。


 「丸写しは今までもあった。今回たまたま見つかっただけ」。札幌市で小学生から高校生対象の個人塾を経営する男性は、こう打ち明ける。


 男性によると、自分の塾も含め、多くの塾では生徒の内申点を上げるため、定期テストでの高得点獲得を目指している。教材を作る場合、他の問題に置き換えにくい国語や英語で、教科書をほぼそのまま転載することが珍しくないという。


 男性は「すべてのコピーなどが禁止されたら、独自の教材作りのノウハウを持たない個人塾は成り立たない」と話す。


(以上)



<教科書コピー>

兵庫の進学塾「浜学園」も無断で 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120407-00000036-mai-soci


近畿を中心に進学塾を展開する「浜学園」(本部・兵庫県西宮市)が社会科の教材を作る際、小学校の教科書を無断でコピーしていたことが分かった。



(以下略)




さて、上のニュースへの感想ですが、


以前、大学の入試問題作成について、大学が予備校に依頼するようになった、というニュースが流れました。


そのとき中小の塾は、「大学が問題作成すらできなくなった」と大学を批判しました。


しかし、その批判は、中小の塾にも当てはまることです。というのも、塾も問題を作れない、のです。いや、作れるかもしれないですけど、作りません。


手間暇かけない、頭で汗かかない、訳です。



塾業界の著作権違反は甚だしいものがあります。これは、前職でも、前々職でも、残念ながらそうでした。自分も、分かってはいながら、それに加担していました。



上の



『男性は「すべてのコピーなどが禁止されたら、独自の教材作りのノウハウを持たない個人塾は成り立たない」と話す。』


という部分、これは、本当でしょうね。



で、うちみたいなかなり異色のテキストをつくるところは、生き残るんじゃないか、と思います。


自分で作ったテキストで、自分の持っている全てを塾生に伝える、そういう方針です。特に、高1・高2生には、この方針を貫いています(高3からは、入試問題の過去問がメインになります)。



テキスト作成に私はプライドを持ちますし、というよりも、そこが私が楽しく仕事をしている部分で、塾生の役に立てる部分であると思っています。




「何々を教えたいから、何々を設問にしよう」


「これはヒントを与えたいから、設問という形でヒントをあげよう」


「ここは塾生の注意を引くために引っ掛け問題を作ろう」



などなど、様々なことを考えて、問題を作ります。



誰かが作ったテキストなんかで、教えたくはないですし、


そもそも誰かが作った問題は、お粗末なんですよ、自分よりも、ずっと。


部分部分はいい問題もたくさん見ますが、トータルのパフォーマンスはDJより低いです。




さて、


英数塾DJでは、テキスト作成においては、以下のことを念頭に置いています。



1.解釈のテキスト(本文)は、大学受験のものを引用しています。過去問から引っ張ってきます。

  ただし、設問に関しては、そのまま同じ問題を残すこともありますが、基本的にDJで問題を新しく作りかえます。選択肢の一つひとつにわたるまで、全て作り替えています。つまり、使っている本文は同じとはいえ、問題としてはオリジナルとは全然違うものにしています。



2.文法も同じように、大学受験の問題をメインに使います。ただし、大量の問題から8割方の問題をボツにして、残った2割を慎重に選びぬいた末、それらを問題として使います。

  また、高1・高2生に文法の基礎を教える場合は、完全オリジナルなテキストを使っています。例文は様々なところから引用し、かつ変更を加え、提示しています。



3.著作権法の範囲内において、教育目的のために限定して、歌や映画などの英語表現を使います。引用先はその都度、示しています。また、テキストの外部への販売もしていません。これも、著作権法に基づいて、のことです。




話は変わりますが、

例えば、中国や韓国は、著作権違反、知的所有権の侵害が激しいことはご存知かもしれませんが、


学習塾業界というのは、基本的にそういうところであります。


つまり、日本も似たようなもので、知的所有権にあまりに無頓着だと思うのです。



アメリカでアカデミック生活を送った人なら皆知っていることですが、大学生は論文の書き方で、著作権法に引っかかることがあれば、退学処分がくだされます。


そりゃそうです、アイデアだって、無断で持ってきたら、泥棒です。


隣の家から植木をパクッたら泥棒であるのと同じで、


誰かの本に書いてあるものを無断で使ったら泥棒なのです。


だから、大学生でも、それはれっきとした泥棒行為(剽窃「ひょうせつ」)とみなされ、退学です。



アメリカなら学生レベルで分かっていることでも、日本の学習塾の先生方は、理解していないわけです。




そんなわけで、DJは、


テキストは、今後も充実した内容のものを作ります。


で、校正ミスなんですけど、ごめーーーーん!!! 


ホント、これはものすごく反省しています(涙