英文法をこわす

私が壊すわけではありません（w

以下の本のタイトルが、英文法をこわす、です。

英文法をこわす―感覚による再構築 (NHKブックス)

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大西 泰斗
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920円 です。

前にもブログであげましたが、大西先生のいう感覚というコトバには、違和感を覚えます。

感覚による・・・、とありますが、感覚だけで英文法を語れるのでしょうか。現行の英文法教育を廃して、新しいものを感覚による教え方で再構築なんでできるのでしょうか。

『学校文法の基底にあるものは、飽くなき機械信仰である』とのことですが、本当でしょうか。

例えば、that はとてもたくさん用法があり、塾では、it, and, とならんで受験の３大重要単語として扱っています。

その that のイメージを「聞き手の関心をひく」ものとして、そして、『thatに数多くの用法なんか存在しない』と述べていますが、果たして本当なのでしょうか。

これはとても信じられません。

英語学習を一通り学んで、that の用法をしっかり学んだ人が、こういうイメージを持つというのなら、まぁ話はわかります。それも頭に入れておいて構わないと思います。

ただ、あくまで「知っていたら少しだけいいこと」くらいでしょう。その程度の知識に過ぎません。

簡単に言えば、そのイメージで、形容詞節か同格節かの違いを、どうやって説明するというのでしょうか。

　　the news that is known to her　：彼女に知られているニュース

　　the news that it is known to her　：それが彼女に知られているというニュース

「聞き手の関心をひく」イメージで、上の二つのフレーズの違いが、わかるというのでしょうか。

私の口からは、とてもじゃないですが、that に数多くの用法なんかない、なんてことは、ちょっと言えないです。

どうして構造無視して、上の二つが区別できるのでしょうか…。大西先生は、上の二つをどう高校生に教えるというのか、純粋に興味があります。ぜひ聞きたい。

絶対に、DJの説明の方がわかりやすいと言わしめる自信があります（大槻教授じゃないですけど、もしうちの塾のほうが分かりにくかったら、塾たたんでもいい、と言えます）。

なんというか、学問に王道なし、というのが私の考えですが、

感覚、とか、外国語学習にとってはすごくラクな聞こえ方がしますし、しかもセンセーショナルでキャッチーなフレーズですが、仮に学校で英語ができないから感覚でやろう、とか思ったら、ますますできなくなると思います。