ダイバーズウォッチを使う環境は様々である。特に深海潜水とか、飽和潜水とか書かれていても一般の方々には理解して頂けないかも知れない。深海潜水は日本では特殊な潜水であるが欧米ではかなり知られている潜水方法である。
日本では石油・天然ガスの採掘はほどんど行われていないが、メキシコ湾、サンタバーバラ沖、カナダ沖、東南アジア、ペルシャ湾、北海な、サハリン沖などで盛んに行われていて、そこではヘリウム混合ガスによる深海潜水や飽和潜水が盛んに行われている。欧米には石油・天然ガスの現場で活躍するダイバーになるための専門学校が幾つもあって若者達が熱心に深海ダイバーを目指している。特に最近の石油の高値安定では試掘も盛んで、深海潜水装置や深海ダイバーの仕事は多い。
一般の方々が目にするのは、ロシアの原子力潜水艦クルスクの事故があった時の報道であろう。事故直後にイギリス、ノルウェー、アメリカのダイバーが救助活動に参加したのを見て深海ダイバーの存在を知ったのだろう。彼らは石油・天然ガスの採掘現場で活躍していたダイバー達である。 海軍には飽和潜水ダイバーがいるが、アメリカ海軍、英国海軍をはじめ、日本の海上自衛隊でも潜水艦救難のために500mまでの深海潜水を行うチームがあり、横須賀や呉に所属している。民間でも東南アジアで潜水作業を行っているアジア海洋、深田サルベージに混合ガス潜水や飽和潜水を行うダイバーがいる。
これまでの深海潜水の記録では、フランスのコメックス社が作った実際の海中作業に水深501mの記録がある。潜水シミュレータでの記録では701mの記録がダイバーが苛酷な深海に挑んだ記録である。
ダイバーズウォッチ防水腕時計に書かれている水深の表示は、これらダイバーの記録に安全率をかけたものが飽和潜水用600m 1000m 1220m 1300mと記載されていると理解している。あくまでもダイバーの潜水記録に余裕をもった耐圧機能のあるダイバーズウォッチである。
こう書くと、では何人が行ったの?と質問がでるかも知れないが、有史以来陸上を歩いていた人類が、人類の活動範囲を広げようと海の中、それも光りも届かない過酷な深海へ挑戦してきた結果である。これまで深海へ行ったのは、一握りのダイバーかも知れないが、苛酷な深海への挑戦を支えてきたダイバーズウォッチを見ると、その部品の一つ一つが深海の苛酷な環境を表現していて、苛酷なるが故の美しさに輝いている。皆さん!深海へ挑戦してきた人類の証であるプロフェショナルダイバーズウォッチを身に着けてみては如何だろうか。
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